アメリカの企業がサブスクリプションビジネスに成功する理由とは

今非常に注目を集めているビジネスモデルと言えば、「サブスクリプション」が思い浮かぶことでしょう。

サブスクリプションは、もともと新聞や雑誌の「定期購買」「定期購読」という意味として使用されており、実は昔から用いられてきた販売方法なのです。

ユーザーに月額もしくは年額の一定の金額を支払ってもらいサービスを提供する形態ですよね。

昔からあるビジネスモデルであるのに、なぜ今注目され始めているのでしょうか。

それにはデジタルサービスの普及が大きく関わっています。

音楽や動画の配信サービス、そしてビジネスコンテンツのサービスが時代の流れに沿い、今のユーザーニーズに的確に応えることができるサービスであるからこそ、注目を集めているのです。

現実的にはまだまだ日本に浸透しきっていないサービスではありますが、アメリカでは飛躍的に業績を伸ばしており、「サブスクリプションエコノミー」とも言われ、世界中のさまざまな企業や経済、経営関連企業がその動向に注目しているのです。

そこで今回は、アメリカの企業がサブスクリプションビジネスに成功する理由とは何か、ということについてお話ししていきたいと思います。

今後サブスクリプションビジネスの導入を検討されている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

「Adobe」

Adobeは、今では誰もが知っているクリエイティブクラウドですよね。

Webデザインを構築するためや、映像デザインの作成などには欠かすことができないソフトウェアを作成する企業で、この類のソフトウェアのみを開発し、販売している企業では世界最大級とも言えるでしょう。

アメリカでのサブスクリプションビジネスの成功事例とも言える「Adobe」を例にしていきたいと思います。

戦略の変更

Adobeは80年代後半に、ヘビーユーザー、そしてデザイナー向けのソフトの販売を開始しました。

当時はかなり高額な値段で販売されていましたが、ある時期になるといくつかのソフトがひとつのパッケージとなり販売されたものが主流になってきたのです。

その後はインターネットの普及に伴い、ウェブ開発やソフトなどにも注力し、さまざまなユーザーの購買層を拡げていきました。

素人では手が出せない、「高級感」を重視していたのです。

そして2012年、Adobeがサブスクリプションサービスへとビジネス展開をし、月々の料金を支払うことで誰でもソフトをダウンロードし、使用することができるサービスの提供を開始しました。

そうなると、ユーザーはパッケージで購入する必要がなくなり、単数から利用することが可能になったのです。

すでにパッケージとして需要を集め、成功しているものを、あえてばらばらに提供し、さらに月額契約で提供する、という戦略の変更により、新規顧客獲得率が大幅に向上し、今もなおサブスクリプションの顧客数は増加し続けています。

さらにクラウド上でサービスを提供しているので、顧客の利用状況が細かく分かるだけでなく、的確なアップグレードが瞬時に実行できるようになったことも、ユーザーから人気を集めるサービスなのでしょう。

成功の理由

Adobeが、サブスクリプションサービスへとビジネス展開を行った後、なぜここまでの成功を納めることができたのでしょうか。

それには新規顧客に対して「お試し感」を作ることだったのです。

たとえば、年間6万円支払う場合と月額5,000円を12ヶ月支払うことは、金額では同じであっても、新規顧客にとってはお試しで利用してみるという、きっかけになりますよね。

ましてやAdobe自体の「高いが良いモノ」と評価されているものは、なおさら試してみたいと思うことでしょう。

このような手法で獲得した新規顧客の利用状況を細かく分析し、その需要に応えた簡易版ソフトを開発し、提供することで顧客を「お試し」から「年間契約」へ導くことができるのです。

ビジネスとして成功させるポイント

サブスクリプションビジネスは、購買意識の変化と多くのユーザーの要望が見えてくるものです。

今まさに変化し続けているビジネス界で、サブスクリプションが注目されているからこそ、固定概念にとらわれることなく、広い視点を持ち、新しいサービスを生み出すことが重要になってくるのです。

サブスクリプションビジネスに成功している企業は、自信を持って提供できる本当に「良いモノ」だけを厳選し、さらに細かな改善を加え、注目を集め顧客を増やしています。

この行動を繰り返すことこそ、企業業績を伸ばし成功させるポイントになるのです。

まとめ

以上、アメリカの企業がサブスクリプションビジネスに成功する理由についてお話しさせていただきました。

今回は「Adobe」を例に出しましたが、アメリカでは日本よりもはるかに多くの企業がサブスクリプションビジネスを成功させています。

まだ日本にはサブスクリプションビジネスを攻略する戦略が確率していないからこそ、ビジネスの本場、アメリカの成功企業を参考にしてみると良いかもしれませんね。