現在では、コロナ禍により、多くのビジネスが落ち込みを見せていますが、このような状況の中でもサブスクリプションにおいては、売り上げを伸ばしているケースも多くあるようです。
しかし、この状況がいつまでも続くわけではありません。
このコロナ禍が終息すれば、消費者の生活も大きく変化しますので、それに伴い消費者に必要とされるサービスも変化するのです。
そこで今回の記事では、コロナ後のサブスクリプションサービスについて説明したいと思います。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
新型コロナウイルス感染拡大防止による緊急事態宣言により、不要な外出の自粛、テレワークの推奨が行われ、宣言の解除以降も自宅で過ごす時間が増えてきています。
この自宅で過ごす時間は巣ごもりと呼ばれ、これによって巣ごもり消費と呼ばれる、ネットショッピングの消費が大幅に増加しています。
これは、自宅にいる時間を快適に過ごすための商品を購入する消費者が増加しているためであり、サブスクリプションもこの巣ごもり消費の恩恵を受けています。
現在のサブスクリプションは、代表的な動画配信や音楽配信などのデジタルコンテンツだけでなく、自動車、家具、アパレル、飲食店、美容院など幅広い分野に広がっています。
巣ごもり消費においても、この多様なサービスが注目を集め、特に、動画配信、スイーツやコーヒー、花と言った、生活の質を高めるサービスが人気を集めています。
サブスクリプションでは、そもそも、このような生活するうえで絶対に必要ではないものの、それがあることで生活を潤すことができるような商品が支持される傾向があり、コロナ禍においてそれがより支持されるようになってきているのです。
代表的なものが、家族でも一人でも楽しむことができる、動画やゲーム、音楽などの配信サービスです。
これは、そもそもサブスクの代表的なサービスであり、常に一定の支持を得ることができています。
このコロナ禍のゲーム配信において、収益を上げた企業の代表的な例が、ソニーです。
ソニーでは、テレビなどの家電部門やプレステなどのゲーム事業は大きく落ち込みましたが、注力していたサブスクリプションサービスである、ゲーム配信の部門において会員数を大幅に増やし、音楽配信とともに、経営を支える存在にまで成長しています。
ただし、全てのサブスク事業がこのように上手くいっているわけではありません。
前述のように、新型コロナの影響で人気が高まっているのは、生活に欠かせないものではなく、自宅での生活を快適にしてくれ、生活の質を高めるような商品です。
そのため、自動車や一部アパレル商品などはコロナの恩恵を受けてはいないのです。
しかし、コロナが終息した後は、また情勢が変わってくることが予想されます。
コロナ禍で多くのサブスクリプションサービスが収益を上げることができたのは、今まで自宅で過ごすことの少なかった消費者が、自宅生活を少しでも快適にするために消費活動を活発に行ったためです。
コロナが終息すれば、そういった消費者はすぐに元の生活に戻ります。
その際には、必要なくなったサブスクは解約されてしまうことになります。
コロナ禍をきっかけとして、サブスクの便利さに気付いた消費者が継続してサービスを利用してくれることも期待できますが、生活が変化するわけですから、必要となるサービスも変化しますので、コロナ禍に利用されていたサービスの多くは必要がなくなってしまうことになります。
また、このコロナ禍は消費者の収入にも大きな影響を与えています。
これは、今後も続くことが予想され、サブスクにも多大な影響を及ぼすと考えられます。
収入が減るのですから、消費者の多くは支出を減らしていくことを考えます。
その時に真っ先に削られるのが、今回収益を上げたサブスクのような、生活必需品でないものにかかるコストです。
音楽や動画などの配信サービスは、そもそも一定の需要がありますが、飲み物やスイーツ、高級な食品、花などの贅沢品には大きな影響が出ると考えられます。
これらは、外出自粛により自宅で過ごす時間が長くなり、それを紛らすために求められていた商品であり、日常生活になくても困らない商品なのです。
消費者の生活の変化により、同じサービスを継続して利用してもらうことは難しくなります。
しかし、消費者の立場に立って考えることで、より価値のある提案をすることは可能です。
どのような状況であっても、消費者にとって価値あるサービスであれば、支持を集めることはできます。
消費者が何を考え、何を求めているかを的確に捉え、消費者の行動を促すようなアプローチをし続けていくことが今後のサブスクリプションにとって、最も大切なことなのです。
新型コロナによって、市場は今までに経験したことのない急激な変化にさらされており、今後しばらくこの状況が続くと予想されます。
これは、サブスクリプション市場においても同様であり、常に変化していく市場の動向を把握し、素早く対応していかなければならないのです。
特に、サブスクリプションは、顧客とのつながりを重視するビジネスです。
そのため、顧客が現在どのような状況にあり、何を求めているのか、顧客のために何をすべきなのかを、市場の動向とともに把握し、顧客に新たな提案をし続けることが必要となるのです。