2020年は飲食系のサブスクリプションが増加する!

サブスクリプションは、近年急激に成長しているビジネスモデルであり、2020年も成長が続くと予測されています。

代表的なサービスとしては、音楽配信や動画配信などがありますが、最近注目を集めているのが、飲食系のサービスです。

そこで今回の記事では、飲食系サブスクリプションについて説明したいと思います。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

サブスクリプションとは?

サブスクリプションは、定期購読や予約購読と言う意味を持つ英単語Subscriptionを由来とする言葉で、主に定められた使用料を支払うことで、決められたサービスを受けることができるビジネスモデルです。

サブスクリプションはアメリカで誕生し、日本では音楽配信をきっかけとして、若い世代を中心に大きく広まりました。

現在もこの音楽配信は高い支持を得ており、幅広い年代に普及しています。

この音楽配信は2010年代後半から徐々に広まり始めたサービスですが、2018年ごろから急激に成長し、それを追う形で他の業種からもサブスクリプションと銘打ったサービスが続々と提供され始めました。

そして、2019年になると、市場はさらに拡大化し、ありとあらゆる業種が参入をはじめ、現在に至っています。

人気の飲食系サブスクリプション

サブスクリプションは、あらゆる業界に広がりを見せており、そのなかで最も注目を集めているのが飲食系のサブスクリプションです。

これは、飲食物を購入するサービスではなく、音楽配信と同様に、基本的には月額使用料を支払うことで、飲食し放題となるサービスです。

ただし、注文できるメニューが限られているなど、制限を設けているケースも多くなっています。

この飲食系サブスクで人気を集めているのが、ラーメンのサブスクリプションサービスです。

現在では多くのラーメン店がサブスクリプションサービスを提供していますが、先駆けとして2017年から開始しているのが「野郎ラーメン」です。

野郎ラーメンは、関東で15店舗を展開しているラーメン店で、月額8.600円を支払うことで、特定のラーメンを1日1杯注文することができるサービスを提供しています。

このサービスで注文できる最も高額なラーメンは880円ですので、利用者側からすると10回で元が取れることになります。

月に10回以上ラーメンを食べる消費者にとっては、非常にお得なサービスであり、2020年現在でも高い支持を得ています。

また、居酒屋などの飲み放題サービスも人気の高いサブスクリプションサービスです。

特に、注目度が高いのが居酒屋チェーン「金の蔵」のサービスで、月額4.000円で1日に1回、アルコール類を含む60種類以上を120分間飲み放題にすることができます。

これは、ほとんどの店舗で使用できるサービスであり、アルコール好きな方にとっては非常にお得なサービスです。

この、アルコール類の飲み放題と言うサービスは、料理類の注文が期待でき、さらにサブスクリプションであれば定期的な売り上げが見込めるため、サブスクリプションと相性の良いサービスと言えます。

また、カフェなどでのコーヒーの飲み放題も同様に、他のフード類の注文が期待できるサブスクリプション向けのサービスであり、これらは、継続して顧客を維持することが可能となっています。

飲食系サブスクリプションは、さまざまなジャンルのサービスが提供されていますが、多くは、上記のラーメンのような単品商品の食べ放題、アルコールやコーヒーの飲み放題と言ったサービスです。

ただし、一定の支持のあるラーメンの食べ放題は、月に15回以上利用があると原価割れが起きてしまい、それでもこのサービスを提供するのはメディアを通じPRすることができるからだとしています。

つまり、このサービスに収益性はないということになるのです。

つまり、単品商品や飲料類のサブスクは一定の支持を得ているようですが、PR効果はあっても収益を上げているとは言えないのが実情なのです。

そして、その他の飲食系のサービスでも、開始直後は話題を集めていても、結局は収益を上げることができず、サービスの撤退や縮小をしているケースが多くなっています。

しかし、現在でも新たにサブスクリプションに参入する飲食系サービスは増加しており、これらの問題点をどのように解決していくのかが課題となっています。

飲食系サブスクリプションの失敗例

これらの飲食系サブスクリプションの中で、最近大きな話題となったのが、焼き肉チェーン「牛角」のサービスです。

牛角では、焼き肉食べ放題PASSと言う、通常2.980円もしくは通常3.480円のコースが、月額11.000円で食べ放題と言うサービスを打ち出しました。

このサービスには、ルールや店舗が限られていると言う制限はありましたが、3回で元が取れるというお得さから購入者が殺到しました。

しかし、予約が取れない、店に入れないなどのトラブルが続出したため、すぐに販売中止となってしまったのです。

このケースは、提供者側の想定を超えて購入者が殺到してしまい、対応しきれなくなったことが失敗の原因と言えます。

しかし、それ以前にグループ客が多い焼き肉店では、個人で申し込むことが一般的であるサブスクの導入は難しいと考えられます。

また、牛角は、この失敗を踏まえたうえで、新たなサービスを打ち出していますが、こちらは食べ放題ではない上、価格も高く、さらに5店舗限定、時間制限ありと制限だらけのサービスとなっており、サブスクにする意味がないのではないかさえ言われているのです。

サブスクリプションは、そもそも個人で申し込むサービス形態です。

ラーメンやコーヒーのような一人で訪れることが多い業態であれば、多少のリスクはあっても長期的に継続していくことは可能ですが、ファミリー層や団体客の多い業態の場合、一時注目を集めることはできても、継続してサービスを提供し続けることは非常に難しいことだと言えます。

今後も飲食系サブスクリプションは増加していくことが予想されていますが、このようなリスクがあることを留意しておくことが重要となります。

まとめ

サブスクリプション市場は、年々拡大化しており、飲食系サブスクリプションへの参入も増加しています。

しかし、サブスクリプションで成功を収めている音楽配信や動画配信などと、飲食系のサブスクリプションではサービスの本質が大きく異なるのです。

音楽配信などが支持されているからと言って、どのような業態のサービスであっても支持を得られるわけではありません。

飲食系のサブスクリプションへの導入を検討する場合には、それらの点を留意し、慎重に判断することが大切です。