近年、IT業界を中心にサブスクリプションビジネスがどんどん普及しており、年々その規模は拡大傾向にあります。
サブスクリプションビジネスを成功させるには、チャーンの減少とともに、アップセルの獲得が非常に重要なポイントになります。
アップセルとは、ユーザーにより高額な商品やサービスに乗り換えてもらうことであり、既存顧客がアップセルをした場合には、さらなる売り上げを見込むことができるのです。
世界的に見ると、日本国内ではまだサブスクリプションの成功事例が少なく、アップセル自体のノウハウが蓄積されていないので、課題が多いかと思いますが、それであってもサブスクリプションビジネスを成功させようと思うには、このアップセルを理解しなければなりません。
そこで今回は、サブスクリプションビジネスにおいて重要な「アップセル」について、詳しくお話ししていきたいと思います。
これからサブスクリプションビジネスの導入を検討されている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
サブスクリプションサービスを提供する顧客の、ターゲットを設定することは重要ではありますが、それと同様にアップセル対象の顧客にもターゲットを設定する必要があるのです。
サブスクリプション契約数が増してくるほど、顧客ひとりひとりとのコミュニケーションを取ることは難しくなってきますが、まずは顧客の状態を明確化し、アップセルをかけるターゲットを明確にしなければなりません。
顧客の状態を明確化するには、顧客がサービスをどれくらい活用しているか、という活用度のマトリックスを作成し、縦軸横軸に、マトリックス上のそれぞれの顧客にどのようにアプローチアクションを起こすのか、そしてどの手法で個々の顧客に合わせた提案をしなければならないのか、ということを分析していきましょう。
目安としては、まず1ヶ月で100軒ほどの顧客とのコミュニケーションを取ると、およそ3~4ヶ月である程度の成果が見えてくるでしょう。
そしてその成果から見えた顧客をステージに分け、顧客を可視化することで、アップセルが有効な顧客が明確になってきます。
社内全体がワンチームとして、顧客を支援することも、アップセルの獲得に大きく繋がります。
社内スタッフ全員で、カスタマーサクセスへ取り組み、カスタマーサクセスについての定義を都年い確認し、提供サービスの改善点を日々見つけていきましょう。
こういったことを繰り返し続けていくことで、実際にそこからアップセルに繋がるケースというものは、少なくはありません。
たとえば、既存顧客への横展開、プッシュ許可端末数の増加、オプションの追加の3つの方法を用いることで、サービス自体の展開をすることができますよね。
オプションサービスを豊富に提供し、トレンドにあったサービスを提供することで、顧客満足度も低下することはありません。
このように顧客が成長していくにつれてアップセルをする仕組みであると、ダウンセルが生じることはありませんし、顧客自身が納得してアップセルの契約をしてくれるのです。
アップセルのために重要なことは、顧客の課題を知り、それをより改善へと導くための自社サービスの良さを伝えることと言われていますが、実際はそうではなく「顧客の課題を作り出すこと」「サービスの良さを顧客に伝えてもらうこと」なのです。
顧客の課題とは、顧客が感じる現実と理想のギャップであり、そのギャップを埋めるための課題を創りださなければならないのです。
分かりやすく「ラーメン」に例えてみると、今現状は何も具が乗っていないただのラーメンであるとしましょう。
そこにトッピングがたくさん乗っているラーメンがあれば、それは「理想」になります。
つまり課題は「トッピング」になりますよね。
そして隣の席の人が、そのトッピングが乗ったラーメンを美味しそうに食べているのを見ると、そのトッピングが欲しくなることでしょう。
これが、「自社サービスを、顧客から他の顧客へ伝えてもらうこと」なのです。
このような例を実現させるには、顧客のコミュニティ設計をして、顧客自信にサービスの良さを伝えてもらわなければなりません。
これが成功すると、自分たちからサービスの良さを伝えるよりも、はるかに有効的ですよね。
成功した顧客が他の顧客にとっての理想になるので、課題の創出にも繋がりますので、コミュニティを設計し、スケールを広げていくことは、アップセルにも非常に有効的なのです。
以上、サブスクリプションビジネスにおいて重要な「アップセル」について、詳しくお話しをさせていただきました。
まずは、顧客の今の現状とゴールを確認し、把握していきましょう。
そうすることで、どのような手法を使えば成功に繋がるのか、アップセルに繋がるのか、ということが明確に見えてきますよ。