サブスクリプションビジネスとは、今日本だけでなく世界的に拡大を見せているビジネスモデルであり、その規模の拡大は今後もますます広がっていくことが予想されます。
ユーザーにとっても「サブスクリプション」という言葉を知らなくても、知らず知らずのうちにサブスクリプションサービスを利用していた、という経験が非常に多くなってきて、世の中にも浸透してきているのです。
サブスクリプションビジネスでは、顧客に対し「悩み解消」「お得」「便利」を提供することが再前提であり、この三つの内一つでも欠けてしまえば、サブスクリプションビジネスとしては成功しないのです。
企業にとっては、継続顧客がいることで収益を安定化させることができますし、継続顧客を増加させればその収益を増加させることができますので、企業と顧客ともに非常に大きなメリットがあると言えるでしょう。
そんなサブスクリプションビジネスですが、成功へと導くためには何が大切なのでしょうか。
それには「顧客体験」が非常に重要となってくるのです。
そこで今回は、サブスクリプションで重要な「顧客体験」とは何か、ということについてお話ししていきたいと思います。
サブスクリプションビジネスの展開を検討されている方、サブスクリプション売り上げが伸び悩んでいるという方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
まずは顧客体験の重要性について、お話ししていきたいと思います。
たとえば、サブスクリプションではなく、ファッション系ネットショッピングを例として挙げてみましょう。
この場合、集客方法としてセールやキャンペーンが数多く行われますし、少しでも商品を売り切りたいがために、どうしてもユーザーではなく、売り手側の視点でセール対象商品が選定されてしまいますよね。
ユーザーにこのセールを見に来てもらうために、CRMコストが継続的にかかってしまいますので、金額面では高額になってしまう傾向にあります。
そして対CAC、対CPOを見ても、バランスは取れているものの、マススケールでは見合わない、という事態になってしまいます。
ですので、サブスクリプションサービスでは、売り手ではなく買い手を主体とし関係性を構築し、顧客体験をしてもらうことが非常に重要なのです。
もうひとつの例として、食品サブスクリプションの場合であれば、さまざまな宅配食材サービスサブスクリプションがあります。
一般的には、食材サブスクリプションの目的は、忙しい主婦や母親をターゲットとした「調理の時短」にありますが、主婦の方であればあまりに簡単すぎると、罪悪感が残ってしまうことがあります。
ですので、ユーザーが普段作ることができないような献立を企業が考案し、調理もユーザー自身である程度行い、省けるところはしっかり省き、手をかけるところは手をかける、ということで良い母親、良い女性でいることができるのです。
これも顧客体験であり、まずは顧客がサブスクリプションを通して何を求めているのか、どうなりないのか、をリサーチし的確に応えることができる顧客体験を提供しなければならないのです。
顧客体験をトラックする方法には、やはり実際に顧客訪問を行ったり、顧客に直接コミュニケーションを取りに行き、ヒアリングを行うことが有効であると言われています。
企業全体で、顧客満足度と繋がる顧客体験の提供に、全力を尽くさなければなりません。
デジタル上で顧客に向けてデータトラッキングも重要ですが、やはり「なぜ」という根本的な理由までは突き詰めることができませんよね。
また、この顧客体験により、PDCAを回すことも重要です。
PDCAとは「Plan(計画)」「Do(実効)」「Check(評価)」「Action(改善)」の言葉の頭文字を取った言葉であり、業務効率化を目指す方法のひとつです。
ユーザーに顧客体験を提供し、そのトラックを数多く受け取り、そしてそれをPDCAを回し、次回サービス提供に繋げることこそ、サブスクリプションならではのビジネスモデルなのです。
顧客体験を設計することが重要な中で、売り上げに近い指標ばかりを見てしまうと、誤った方向に進んでしまう可能性がありますので、そうなってしまうと短期的な売り上げは向上するものの、長期的に見ると、顧客体験を損なうような意思決定をしてしまうこともすくなくはありません。
サブスクリプションでは、長期使用意向使用率が上がってくると、ビジネスが拡大してくることが分かっているため、このようなサイクルを定期的に作り、長期利用者を増加させる必要があります。
以上、サブスクリプションで重要な「顧客体験」とは何か、ということについてお話しさせていただきました。
サブスクリプションビジネスにおいて、ユーザーに向けた「顧客体験」の提供は非常に重要であり、企業全体の取り組みとして考案していかなければなりません。
顧客はそのサービスを利用して、どうなりたいのか、何を求めているのか、ということをしっかり考案し、最高のサブスクリプション顧客体験を提供してくださいね。