現在注目を集めているサブスクリプションは、一般的に定額制のサービスと認識されていますが、中には、少し異なる仕組みのサービスも存在しています。
それらのサービスには、それぞれ異なる特徴がありますので、その内容を正しく理解することが大切です。
そこで今回の記事では、サブスクリプションの種類について説明したいと思います。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
サブスクリプションは、一般的に、毎月決まった額を支払うことで、商品やサービスを利用できる権利を得る仕組みとして知られています。
代表的なサービスとして、音楽配信や動画配信などがありますが、サブスクリプションには、これとは少し仕組みの異なるサービスも存在しています。
そのサービスは、従来の定期購入や頒布会のような仕組みとなっており、ファッションやコスメ、スイーツ、花、おもちゃなどあらゆる分野のサービスが提供されています。
サブスクリプションの最も一般的なモデルが、会費性モデルです。
これは、前述のように、毎月決まった額を支払うことで、商品やサービスを利用できる権利を得る仕組みであり、動画や音楽などの配信、ソフトウェアの配信、デジタルコンテンツの配信、レンタル・シェアリングサービスなどがこれに該当します。
従来の定期購入と同様の仕組みを持つのが、消耗品モデルです。
これは、定期購入と同様に、顧客が選択した商品が定期的に届けられる仕組みであり、主に日用品、サプリメント、飲料、食品などの消耗品を取り扱うケースが多くなっています。
従来の頒布会と同様の仕組みを持つのが、頒布会モデルです。
頒布会とは、提供者側がコースの設定を行い、毎回届く商品が異なると言う仕組みであり、これをサブスクリプションとして提供するのが頒布会モデルです。
従来では、果物などの食品や飲料類を取り扱うケースが多く、例えばりんごであれば、毎月異なる品種のりんごが届けられると言う仕組みになっています。
サブスクリプションにおいては、食品や飲料類だけでなく、ファッション関連の商品やおもちゃ、花など様々なジャンルの商品が展開されています。
顧客の購買履歴や行動履歴、趣味や嗜好など、あらゆるデータを活用し、顧客に最適な商品を提供するのが、レコメンドモデルです。
既存の在庫の中から、顧客それぞれに合った商品を提供者側がセレクトし届ける仕組みのモデルであり、このセレクトを専門家が行うのが一般的となっています。
ただ商品をセレクトするだけでなく、専門家が自分のためだけに商品を選んでくれると言う付加価値を与えているのが大きな特徴です。
取り扱う商品は多岐に渡りますが、アパレル商品や雑貨、食品などが多くなっています。
このようにサブスクリプションには様々な種類があり、同じ商材であっても、どのモデルであるかによって、商品の管理から顧客への訴求方法に至るまで、全てにおいて大きな違いがあります。
例えば、定期購入モデルで取り扱う食品は、日常生活に不可欠な商品が多く、同じ商品をまとめて購入するのが一般的です。
一方、レコメンドモデルで取り扱うのは生活必需品ではなく、生活に絶対に必要ではないけれどあると嬉しいと言うような、言わば贅沢品です。
これは、頒布会モデルも同様であり、生活を潤してくれるような贅沢な品を取り扱うことが多いのです。
上記のように、サブスクリプションと一口に言っても、そのサービス内容や取扱商品は様々であり、それぞれ特徴も異なります。
この中で、サブスクリプションサービスの代表的な動画や音楽、ソフトウェアなどの配信サービスは、サブスクリプションサービスが誕生した当時から現在においても一定の支持を得ており、今後も堅調と考えられます。
また、定期購入モデルも、取り扱う商品の多くが生活必需品であり、従来の定期購入と同様一定の需要が見込めるモデルです。
しかし、レコメンドモデルや頒布会モデルは、贅沢品を取り扱うことが多く、初めは目新しさから顧客を集めることが可能かもしれませんが、長期的に継続してもらうことは難しいのではないかと考えられます。
もしも顧客に経済的な問題が発生し、複数契約しているサブスクリプションサービスのどれかを解約するとなった場合、まず削られる可能性が高いのがこのレコメンドモデルや頒布会モデルの贅沢品です。
例えば、現在話題になっている、毎月異なる花が届けられるサブスクリプションサービスの場合、月々の支払い額は低く設定されてはいますが、花は毎月絶対に必要なものではありません。
花が欲しければ、経済的に余裕があるときに、その都度購入すれば事足りるのです。
また、ファッションであれば、スタイリストが自分のために商品をセレクトしてくれると言うのは、魅力的なサービスではあります。
さらに、このサービスは利用すればするほどデータが蓄積し、より顧客に合った商品が届けられると言う利点もあります。
しかし、前述の花と同様、毎月その商品が絶対に必要なわけではないですから、顧客側の事情が変わればすぐに解約されてしまうと考えられるのです。
これを防ぐためには、全く同じサービスを続けるのではなく、顧客からのフィードバックやデータを基に、常にサービスをアップデートさせていくことが必要なのです。
これは、レコメンドモデルや頒布会モデルだけでなく、サブスクリプション全体に言えることではありますが、レコメンドモデルや頒布会モデルを扱うサービスでは特に重要となります。
そもそもサブスクリプションは、長期的に利用してもらうことで成立するビジネスであり、収益を上げるためには、できる限り長く継続してもらうことが必要なのです。
そして、そのためには、顧客の視点に立ち、顧客が求めるものを提供し続けていかなくてはならないのです。
サブスクリプションには、今回説明したように、いくつかの種類があり、それぞれ特徴が大きく異なります。
一般的に良く知られている動画や音楽の配信サービスは、利用率も高く、今後も一定の需要が見込めます。
問題となるのは、レコメンドモデルや頒布会モデルなどの、モノを取り扱うサービスです。
これらは、無くても困らないモノであり、顧客の状況に変化があれば、解約される可能性が高くなるのです。
これを防ぐためには、なくても困らないモノを、顧客にとって価値のある必要なものに変えていかなくてはなりません。
そのためには、顧客が何を求めているのか、顧客の声を聞き、顧客の視点に立って考えていくことが必要なのです。