近年、ビジネスには大きな変化がみられ、その中で、サブスクリプションと言う新たなビジネスが浸透しつつあります。
このサブスクリプションと言うビジネスは、通称サブスクと呼ばれ、消費者にも広く普及しています。
このビジネスの大きな変化は、様々な業界に影響を与えていますが、中でも影響が大きいと言われているのが製造業です。
従来のビジネスにおいて、多くの商品を生み出してきた製造業が、サブスクの登場により変化を求められているのです。
そこで今回の記事では、サブスクが製造業に与える影響について説明したいと思います。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
サブスクリプションサービスは、近年急激に成長し、今や消費者の日常に広く普及しています。
このサービスの特徴は、定められた金額を支払うことにより、商品やサービスを利用する権利を得ることができると言うものであり、代表的なサービスとして動画や音楽配信などコンテンツの配信サービスがあります。
そもそも、このサービスはソフトウェアの配信から広く知られるようになったもので、現在においても、これらの配信サービスは高い支持を得ています。
サブスクサービスの中で、一般に広く知られているのは、前述の配信サービスですが、現在では、あらゆる業種から様々なサービスが提供されています。
その種類はもはや数えきれないほどであり、日用品や雑貨、アパレル商品、食品、家具、インテリア、花、自動車から、飲食店、不動産など、消費者の日常生活のありとあらゆるところにサブスクサービスが存在しているのです。
このサブスクサービスは、配信サービスから広まったことからも分かるように、デジタルを活用したサービスです。
そのため、現在の段階では、デジタルに苦手意識のある高齢世代などからの支持は高くありません。
サブスクユーザーの中心となるのは、デジタルを日常的に使いこなしている世代です。
そして、これらの世代は、今後日本の消費の中心となっていく世代であり、それ故にサブスクサービスも、今後さらに成長することが期待できるのです。
このサブスクを愛用する世代は、従来のような、商品は購入し所有する物と言う概念に捉われていません。
商品は共有し、必要な時に利用するものと言う考え方がこの世代の常識となっているのです。
実際に、サブスクの音楽配信サービスを利用しているユーザーの多くは、音楽は配信されるものだと認識しています。
ダウンロードで音楽を購入したり、ましてや音楽CDを購入した経験などなく、CDを見たこともないユーザーも多いのです。
このようなユーザーが消費の中心となれば、従来の商品を市場で売ることを目的としたビジネスはさらに衰退していきます。
それに伴い、その商品を製造するビジネスも変化が必要となるのです。
従来の製造業は、商品を開発する段階から、市場で売り切ることが前提となっていました。
市場で売れるために、多くの消費者に支持される商品を開発し、大量に製造、大量に販売していたのです。
しかし、サブスクビジネスで提供する商品を製造する場合、その方法では通用しません。
前述のように、サブスクビジネスにおける消費者のニーズは、従来とは大きく変化しているわけですから、商品を開発する段階から変化させる必要があるのです。
サブスクユーザーが求めるのは、商品を購入し、所有することではありません。
大量生産され、大量に流通している、どこでも手に入るような商品を、所有したいとは考えないのです。
現在の小売市場では、そのような大量生産商品は売れなくなっており、その一方で、生産量、販売量は少なくても、一定の支持を得ることができる、ニッチな商品が売れる傾向が高くなっています。
多少高額であっても、こだわって作られた商品が売れているのです。
この傾向はサブスクサービスにも影響しています。
サブスクにおいて、手ごろな価格で利用できるのであれば、高額な商品を利用してみたいと考えるユーザーは意外と多いのです。
実際に、高級ブランドのバックや高性能な家電など、購入するのはためらってしまうような高価格帯の商品を利用できるサブスクサービスが人気を集めています。
この路線のサブスクサービスは、今後も成長が期待できます。
そのため、製造業においても、これらのサービスに合わせ変化させていくことが必要となるのです。
この時代にサブスクと言うビジネスが求められるようになったのは、現在サブスクを愛用している世代のニーズに合致したからです。
この世代が求めるのは、商品を購入して所有することではありません。
商品は必要な時に利用するものであり、わざわざ所有するものではないと考えるのです。
これは、従来のビジネスにおいて、多くの消費者のニーズに合わせて、大量に商品を作りだしてきた製造業にとって重大な問題となっています。
しかし、従来のように、大量に商品を生産しても、売れなくなっていることは事実なのですから、製造業も時代に合わせ、変化していくことが必要なのです。