サブスクリプションマーケティング戦略の基礎を作るフレームワーク

今、企業が顧客に対してモノを売り切るのではなく、商品やサービスをある一定期間提供し月単位もしくは年単位で利用料金を回収するという「サブスクリプションビジネス」が主流になってきています。

音楽や動画、電子書籍といったデジタルサービスが中心になりサブスクリプションの拡大を見せているのですが、そこから製造業や小売業でも新しいビジネス形態として新たなサブスクリプションサービスが多く生まれています。

このサブスクリプションビジネスの流行の背景には、消費者の価値観が「モノを購入し所有すること」ではなく、「使いたいときに便利に利用することができること」に価値を感じる方が多くなってきているのです。

サブスクリプションビジネスを行う上ではマーケティングは必須であり、「どのような目標を達成するために、どんなマーケティングを行うのか」ということを考えることが重要です。

もう少し具体的にみると、「誰」に「何」を「いつ」までに「どれくらいの」売上を上げるために、予算やスキル、時間、そして顧客との関係性や賞品のイメージなどのマーケティングリソースをどう活用するか、ということを考えなければなりません。

そこで活用できるものが「フレームワーク」ですよね。

そこで今回は、サブスクリプションマーケティング戦略の基礎を作るフレームワークについて、詳しくお話していきたいと思います。

今後サブスクリプションビジネスの展開を検討されている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

マーケティング戦略に役立つフレームワーク

フレームワークとは、あることに対して「制限」を設けることでかなり発想が豊かになるという考え方であり、たとえばある調査結果によると「家の中で白いものを思い浮かべて」と聞くことと「冷蔵庫の中で白いものを思い浮かべて」と聞くことでは、同じくらいの数を思い浮かべたということがあります。

ですが実際考えてみると、冷蔵庫自体も家の中にあるのだから、絶対的に家の中のほうが多いことが分かりますよね。

つまりこの調査結果から分かることは、人は「自由に考えて」「広く考えて」と言われてしまうと、十分に考えることができないのです。

もうお分かりかと思いますが、この場合のフレームワークは「家」と「冷蔵庫」ですね。

「冷蔵庫」に制限をかけることで、「家」について考えているときには思いつかなかったものが見えてきます。

このようにフレームワークは、制限を課すことで人の思考をより深くしてくれるのです。

フレームワークの弱点

フレームワークというものは、もちろんのことながら常に最適であるというわけではありません。

フレームワークは制限の中では広く深く漏れが無く考えることができるのですが、フレームワーク外を考えることには適していません。

サブスクリプションビジネスにおけるフレームワークは、あくまでもマーケティング戦略のひとつであり、顧客行動に注目し、特定の顧客行動の傾向や心理を考えるものなのです。

つまり、あくまで「こんな人が多いと考えられる」という程度の結果しか出ず、顧客行動すべてを把握することはできないのです。

そこで行うべきことは「ペルソナ」「カスタマージャーニー」です。

フレームワークで大体の顧客行動を把握した後、ペルソナやカスタマージャーニーで自社における顧客像に落とし込んでいきましょう。

フレームワークと言えど、結局はひとつの戦略、ひとつの手法、ひとつの考え方だけではすべてうまくいくことはありませんので、さまざまな角度から見て全体像を掴んでいくことが大切です。

顧客行動・購買行動のフレームワーク

顧客行動や購買行動をつかむためのフレームワークにはどのようなものがあるのでしょうか。

もっとも古い顧客行動フレームワークの「AIDA」と「AIDMA」、日本広告企業電通が提唱し商品登録をしている「AISAS」、AISASを補完するフレームワークの「AISCEAS」、SNS時代のマーケティングと呼ばれる「VISAS・SIPS」、SNS時代の包括的なフレームワーク「ULSSAS」、電通デジタルが提唱したコンテンツマーケティングにおけるフレームワーク「DECAX」、店頭における顧客行動の考え方である「ZMOT・FMOT・SMOT」があります。

これらすべて異なりますので、自社の顧客はどのフレームワークが近いのかを考え、近いものを見つければそのフレームワークを用いて顧客行動をつかんでいってくださいね。

まとめ

以上、サブスクリプションマーケティング戦略の基礎を作るフレームワークについてお話させていただきました。

「どのフレームワークが一番良いのか」ということで迷われる方も多いかと思いますが、基本的にこの答えはありません。

日々顧客行動は多様化していますので、最適なひとつのフレームワークを作ることはもはや不可能であるからです。

フレームワークはあくまでも「考えやすくするための枠」という認識を持つと非常に強力になりますので、ぜひサブスクリプションビジネスに活かしてくださいね。