サブスクリプションは、今や誰もが知っているビジネスになりつつあります。
現在でも、サブスクを導入する企業は後を立たず、その波はあらゆる分野に広がっているのです。
しかし、中にはサブスクに向かないサービスもあるようなのです。そこで今回の記事では、サブスクに向かないサービスについて説明したいと思います。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
サブスクリプションビジネスは、近年急激にその市場を拡大し、現在もさらなる成長を続けています。
このビジネスがここまでの成長を遂げる事ができたのは、スマートフォンのの普及によるデジタル化の加速や消費者のライフスタイルの変化など様々な理由がありますが、企業側にメリットの多いビジネスであると言われていることも理由の一つといえます。
サブスクビジネスは、基本的には、一定の金額を支払うことで、一定の期間商品やサービスを利用する権利を得る仕組みです。
具体的には、会員登録と言う形で契約を行い、月額使用料を支払うことにより、商品やサービスをその契約期間の間利用することができるという仕組みです。
このビジネスにより、企業が得られるメリットはいくつかありますが、最も大きなメリットは経営が安定するという点です。
サブスクは、会員契約が前提となるため、顧客の数をあらかじめ把握することが可能であり、事業計画が立てやすくなるのです。
また、それにより商品の生産や仕入れも計画的に行うことができるので、従来のように、大量の在庫を抱えてしまう、また在庫が不足するというリスクを回避することができるのです。
さらに、会員契約をすることで、顧客の個人情報などのデータを入手することも容易となります。
そして、そのデータは継続して利用してもらうほどに精度が高まり、それを商品開発やサービスの改善に役立てることができるのです。
しかし、どんなビジネスでもメリットがあれば、その一方でデメリットも存在します。
サブスクビジネスのデメリットを考えた場合、特に問題となるのは、継続的にサービスを提供し続けなければならないということです。
顧客に継続して利用してもらうためには、サービスに満足してもらうことが必要であり、満足してもらうためには、そのサービスの質を向上させ続けなければならないのです。
これは、取り扱う商品やサービスによっては、かなりのコストがかかることになります。
しかし、サービスの質が落ちれば、顧客の離脱を招いてしまう恐れもあるのです。
また、サブスクに転換したからと言って、すぐに経営が安定するわけではなく、そこまでの集客を行うには時間がかかります。
そのため、それまでの期間を持ちこたえる資金的な余裕が必要となるのです。
これらのデメリットは、よく考えれば事前にわかることですが、メリットばかりが注目されているため、デメリットを考えずにサブスクを導入するケースも多いのです。
上記のことから言えるのは、サブスクビジネスとは、継続して収益を上げることができることが本質ではないということです。
顧客との関係を継続して維持していくことができるかということが重要であり、そのために努力を続けていくことが大切なのです。
つまり、サブスクとは、企業の視点ではなく、まず顧客の視点で考えることが求められるビジネスなのです。
サブスクビジネスを導入する企業は今後も増加していくと予想されており、基本的にサブスクに向かない業種はないと言われています。
どのような業種であっても、工夫次第でサブスクの仕組みを導入することはできるのです。
しかし、そのすべてがうまく機能するとは限りません。
サブスクの仕組み自体に不向きな業種はないですが、サブスクの考え方を取り入れることができなければ、サブスクビジネスは成功しないのです。
そもそも、顧客に対しての対応が良く、顧客との関係性が構築されているビジネスや、その努力を常に続けている企業は、どのような業種であっても、サブスクビジネスの考え方を取り入れやすいといえます。
ただし、このような企業は、現状において顧客の継続性が高く、無理にサブスクを導入する必要はありません。
移行するメリットがないのですから、導入を考える必要すらないと言えます。
つまり、サブスクに向いているかどうかの問題ではなく、サブスク化する必要がないのです。
一方、サブスクビジネスの考え方への切り替えが難しいと思われるのが、従来の売り切り型のビジネスです。
このビジネスでは、名前の通り、商品を売ってしまえばその関係は終わりとなります。
商品を購入するのは、顧客ではなく、単なる一消費者であり、その消費者と関係を構築することなど考えもしないのです。
こういったビジネスを長く続けていた企業に、サブスクの考え方を浸透させるのは困難であり、スムーズにビジネスを転換させることはできないのです。
サブスクリプションには、様々なサービスがあり、あらゆる業界がサブスクサービスを提供しています。
どのような業種であってもサブスク化することは可能といわれていますが、サブスクに向かないサービスも存在しているのです。
しかしそれは、業種の問題ではありません。
それぞれの企業が、サブスクの本質を理解しているか、その考え方を取り入れることができるかという問題なのです。
これができない企業は、いくらサブスク化をしても成功することはできないのです。