サブスクリプション事業は、近年著しい成長を続けており、あらゆる業種に幅広く広まっています。
新たに参入する事業者も増加を続けていますが、一方で、撤退する事業者も多いのが現状です。
この撤退の原因は様々なものがありますが、そのほとんどは、サブスクリプションの仕組みを理解していなかったことだと考えられます。
成功させるためには、サブスクリプションをしっかりと理解することが必要なのです。
そこで今回の記事では、サブスクリプションについて説明したいと思います。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
サブスクリプションとは、ユーザーが商品やサービスに対して料金を支払う従来の仕組みとは異なり、それらを一定の期間利用できる権利に対して料金を支払う仕組みのビジネスモデルを指します。
日本国内では、定額の利用料を支払うだけで音楽が聴き放題になる、音楽配信サービスから広まったサービスです。
このサブスクリプションは本来は雑誌の定期購読、年間購読の意味であり、その代表的なものとして新聞があります。
新聞は1か月や1年単位で契約し、料金を支払うことで一定期間サービスを受けることができる典型的なサブスクリプションサービスであり、この販売方式は古くから取り入れられていたものなのです。
以上が一般的によく知られているサブスクリプションサービスですが、厳密にいうとサブスクリプションサービスは、いくつかの種類に分けることができます。
前述のように、サブスクリプションは、いくつかの種類に分けられ、そのそれぞれが異なる特性を持っています。
さらに、その種類によって相性の良い商材や販売方法も異なります。
つまり、提供するサービスの種類に合わせて、適した商材や販売方法を選択することが重要となる訳です。
まず1つ目のサービスは、会費制のサブスクリプションサービスです。
これは、設定された会費を支払うことで、サービスを受けることができると言うものです。
代表的なものとして、前述の音楽配信、施設やお店の定期利用券、アマゾンプライム、また、カーシェアリングに代表される、レンタル・シェアリングサービスもこれに含まれます。
このサービスに適した商材は、施設やお店、レンタル・シェアリングサービス、ソフトウェアレンタル、デジタルコンテンツなどが挙げられます。
2つ目はサブスクリプション通販(EC)もしくはサブスクリプションコマースと呼ばれるサービスで、ユーザーの嗜好や関心、購買履歴や閲覧履歴などの行動履歴などを元に、ECサイト側が最適な商品をユーザーそれぞれに提案します。
このサービスは、商品を選択するのがユーザーではなくサイト側であるのが大きな特徴であり、アパレル商品であればスタイリストが選択するなど、そのジャンルの専門家に選択してもらえると言う付加価値が重要となります。
このサービスに適した商材は、アパレル、雑貨、化粧品などが挙げられます。
3つ目は、定期購入型のサービスで、これは、従来通信販売で行われてきたユーザーが選択した商品を、ユーザーが望む頻度で定期的に届ける、定期購入と同様の仕組みです。
このサービスに適した商材は、日常的に使用する消耗品や、継続的に摂取する健康食品、重量のあるお米などの食品、飲料などが挙げられます。
4つ目のサービスは、ECサイト側がコースを設定し、毎回異なる商品を届けるサービスで、これも従来通信販売で行われている頒布会と同様のサービスです。
例えば、果物であれば、毎月ECサイト側がセレクトした旬の果物が届けられると言うことになります。
このサービスに適した商材は、前述の果物やいわゆるグルメ食品などの嗜好性の高い食品、雑貨などが挙げられます。
また、このサービスは前述のサブスクリプションコマースと酷似していますが、サブスクリプションコマースがユーザーそれぞれに合わせた異なる商品を販売するのに対し、このサービスでは、各回ごとにすべてのユーザーに同一商品を販売すると言う点に大きな違いがあります。
上記のように、サブスクリプションには種類があり、その特性に合った商材があります。
流れに乗って参入する前に、どんな商材を扱うのか、その商材に合ったサブスクリプションはどれなのかを確認することが大切です。
例えば、お米を取り扱う場合であれば、日常的に必要となるお米なのか、全国から選りすぐったこだわりのお米なのかで、参入すべきサブスクリプションサービスは異なります。
同じお米であっても、サービスが異なれば、集客施策や顧客管理、在庫管理などすべての業務が異なってくるのです。
そのため、まず事業を始める前に、取り扱う商材とそれに合ったサブスクリプションサービスを明確にしておく必要があるのです。
サブスクリプション業界の成長は著しく、あらゆるジャンルで新たなサービスが提供されています。
しかし、成長している業界だからと言って、参入しただけで成功するわけではありません。
成功するためには、サブスクリプションと言うビジネスモデルの仕組みを正しく理解し、活用していく必要があるのです。