サブスクリプションビジネスに重要な「CRM」の基礎知識

今世界的に流行を見せているビジネスモデル「サブスクリプション」は、従来のビジネスモデルのように「価格×販売数」で売り上げを計算するのではなく、「利用料金×顧客数」で売り上げを計算しますので、売り上げの見通しを立てながら計画的にビジネスを行うことができるようになるでしょう。

安定した収益を得るには、顧客ニーズを的確に把握し、顧客が求める必要なサービスを必要な分だけ提供する必要があります。

消費者の価値観が「モノからコトへ」「所有から利用へ」変化している今の日本でも、このサブスクリプションビジネスの注目度は増しており、今後も更に市場規模を拡大させていくことが予想されているのです。

このサブスクリプションビジネスを成功させるため、「顧客体験」を高めることが重要なのですが、このための戦略こそ「CRM(顧客関係管理)」なのです。

そこで今回は、サブスクリプションビジネスに重要な「CRM」の基礎知識についてお話ししていきたいと思います。

サブスクリプションビジネスにご興味のある方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

CRMの考え方

「顧客情報は企業の資産」

CRMの重要な役割の中に、「顧客情報の管理」というものがあります。

顧客情報は企業にとっての資産であるからこそ、その資産を大切にする必要がありますよね。

顧客の購入履歴や意見などの情報を蓄積し、それを元にすることで、現在提供している商品やサービスが顧客ニーズに応えることができているのか、サポート体制は整っているのか、品質はどうなのか、という客観的な意見を見ることができます。

さらに長期的に顧客行動データを蓄積することで、新規購入のタイミングやリピート購入のタイミングなども分析できるようになってくるでしょう。

この分析を続けていくことで、商品開発はもちろん、企業としてのサービス改善、マーケティング施策の知見を得ることができるでしょう。

それだけでなく、新たな顧客ニーズの発見や休眠顧客をピックアップし、再アプローチをすることもできます。

ビジネスに与える影響は大きいでしょう。

「企業と顧客のコミュニケーション」

たとえばテレビアニメ「サザエさん」を例に出してみましょう。

サザエさんに出てくる三河屋さんは、勝手口から声をかけ、世間話をしながら欲しい物を聞いていますよね。

これはいわゆる「勝手口」というプライベート空間から顧客との距離感を狭め、世間話というコミュニケーションを経て、顧客のニーズを的確に聞きだし、要望を十分に満たすという非常に参考になるモデルです。

もし近所に三河屋さんよりも安い酒屋さんが出来たとしても、信頼関係がしっかり構築されていますので、顧客離れが起きることもないでしょう。

つまりこの三河屋さんのように、顧客と自然にコミュニケーションを取り、ニーズを的確に知ることこそ、CRMが目指す顧客関係管理なのです。

「ビジネスを支える顧客エンゲージメント」

そもそもなぜビジネスが成り立っているのか、その答えは商品やサービスが優れているからでしょうか、それとも競合がいない、もしくは競合が弱いからでしょうか、それとも営業担当者が優秀だからでしょうか。

このように突き詰めていくと、「顧客エンゲージメント」がビジネスを支えていることが分かるでしょう。

エンゲージメントとは、「約束」「契約」という言葉を意味し、SNS上などでは「絆」「繋がり」という意味でも多く用いられていることでしょう。

今の経営資源は「お金」「人」「モノ」「情報」「エンゲージメント」です。

顧客情報を得て、そのデータを蓄積させることも、顧客とのコミュニケーションを最適化することも、すべては結果的にエンゲージメントを得るためであることを忘れてはいけません。

今ではSNSが非常に普及している世の中ですので、企業が顧客とコミュニケーションを取ることは非常に容易くなりました。

工夫次第で企業の認知度を急激に上げることもできますので、顧客からの共感が最も重要になって来ているのです。

CRMを取り入れる目的

CRMを取り入れる目的には、新規顧客獲得ではなく、既存顧客の最良化こそ目的です。

ビジネスを続ける上で、注目すべきなのは既存顧客と優良顧客であり、その部類の顧客とのコミュニケーションを最適化することこそ、大きな利益を作ることに繋がるのです。

もちろんCRMは新規顧客獲得にも有効ですが、特に既存顧客へのアプローチにも強みがありますので、既存顧客と積極的にコミュニケーションを取り、信頼関係を構築し、優良顧客へと育成させ、その段階で新規顧客獲得の施策を立てることこそ、CRMの目的なのです。

まとめ

以上、サブスクリプションビジネスに重要な「CRM」の基礎知識についてお話しさせていただきました。

まだまだま日本企業にCRMを導入している企業は少なく、全体の3%ほどであると言われています。

特にサブスクリプションが拡大していく時代には、このCRMを重要視することが求められており、このCRMを導入することこそ、サブスクリプションビジネスを成功させる第一歩なのです。

ぜひこの機会に、ビジネスにおいて重要な「CRM」の知識を深めてくださいね。