D2Cブランドに必要な社会的価値とは?

近年、ブランドビジネスでは、なによりも顧客を優先し、顧客を第一に考えることが求められるようになりました。

この顧客の価値を重視する姿勢は、D2Cブランドでも同様に求められています。

しかし、最近ではそれだけでは支持を得ることが難しくなってきています。

ブランドに対し社会への還元を求める消費者が増えており、社会的な価値を高めていく必要が生じているのです。

そこで今回の記事では、D2Cブランドにおける社会的価値について説明したいと思います。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

D2Cブランドに必要な価値とは?

昨今では、ブランドにおいて顧客の価値が重要視される傾向が高くなっています。

顧客を第一と考え、顧客のためにサービスの向上を追求していくことが求められているのです。

これは、従来のビジネスにおいても、新興勢力であるD2Cブランドにおいても同様です。

顧客重視を掲げ、顧客価値を徹底的に追及していけば、ブランドの価値を上げ、企業の価値を上げることができるのです。

しかし、最近では、この顧客価値や企業価値だけでは通用しない状況となりつつあります。

多くの企業が顧客価値を追求している中で、存在感を示すためには、新たな価値が必要となるのです。

その新しい価値によって、他のブランドとの明確な差別化ができるのです。

その新たな価値と言うのが、社会的価値です。

この社会的な価値と言うのは、その企業が社会にどれだけ貢献しているかということを指しています。

つまり、企業がどのような活動を行い、それがどれだけ社会のためになっているのかを測るのが社会的価値です。

現代において、この社会的価値が重要となるのは、これからの消費の中心を担う若い世代が社会問題への高い関心を示しているからです。

この世代とは、ミレニアル世代やZ世代のことを指しており、年齢が下がるほど社会問題への関心が高いと言われています。

そして、D2Cブランドはこれらの世代を主なターゲットとしており、この世代から支持を得るためには、社会的価値を高めることが必要と考えているのです。

この傾向は、日本だけに限られたことではありません。

世界的にこの傾向は高く、特にD2Cが誕生したアメリカでは、多くのD2Cブランドが、社会への還元に取り組み、消費者からの支持を得ることに成功しています。

今や、社会への還元は、ブランドの使命となっているのです。

D2Cブランドの社会還元の事例

具体的な事例として、アメリカの眼鏡ブランド「WARBY PARKER」では、ブランドを立ち上げた初期のころから「Buyapair、Giveapair」と言う新興国への支援を行っています。

これは、消費者が眼鏡を一つ購入することにより、一つを新興国の子供へと寄付すると言う取り組みであり、眼鏡を購入することができないために、勉強することができないと言う子供を減らしたいと言う理念に基づいています。

そもそも、このブランドは、創業者自身が、経済的な問題から、当時高価であった眼鏡を購入することができず悔しい思いをしたことから立ち上げられました。

必要な人に、良質な眼鏡を、手ごろな価格で届けたいと言う創業者の思いが、この新興国への支援へと繋がっているのです。

そして、このブランドの取り組みに、多くの消費者が共感し、高い支持を得ているのです。

また、アメリカのアパレルブランド「EVERLANE」が行っているのは、商品の製造工程や原価の開示です。

従来では、アパレルブランドが商品がどこで作られているのか、原価はどのくらいなのかを公開することはあり得ませんでした。

そのため、アパレル業界の不透明さが社会的な問題ともなっていたのです。

これに疑問を抱いていたEVERLANEの創業者は、これらすべての情報を公開し、商品がどのように作り出されているのかを明確にしました。

このブランドはこれにより、アパレル生産における労働状況の改善を強く求めたのです。

そして、自社の利益からファンドを立ち上げ、取引先の生産工場に対し労働状況改善のための寄付をする取り組みを行っています。

これは、アパレル業界において掟破りとも言える行為ではありますが、現代では革新的として高い評価を得ています。

このように、現代では、社会への還元に取り組んでいるブランドが、消費者からの高い支持を得ることができるのです。

また、この取り組みが広く認知されていけば、ブランドの社会的な評価も高まりますし、それに伴い、ブランドを知ってもらう機会も増えていきます。

さらに、このような取り組みは、第三者だけではなく、自社の従業員からも共感され、従業員の愛社精神やモチベーションを高めることもできるのです。

ブランドの社会的な価値を高めることで、ブランド自体の価値をも高めることができるようになるのです。

まとめ

以上のように、現代のブランドには社会的な価値を高めることが求められています。

しかし、ただ社会への還元に取り組めばよいと言うわけでありません。

なぜその問題に取り組んでいるのか、その問題に関心を持ったのはなぜかと言うことを消費者に伝えることも必要です。

単に消費者の支持を得たいがために社会貢献に取り組んでいることをアピールするブランドも存在しています。

そのため、その社会問題に真摯に取り組んでいることを、強く訴求する必要があるのです。

そして、実際に取り組みを行うのであれば、真剣であることが重要であり、消費者からの支持とは関係なく、長く続けていくことが必要なのです。