ブランドやメーカーが直接消費者に商品を販売する、D2Cというビジネスモデルが大きな注目を集めています。
従来までとは違い、今はInstagramを中心に、SNSやブログを用いることで比較的容易に、オンライン上で集客や販売を行うことができるようになっているので、無名ブランドであっても急速に認知度を向上させ、注目を集めることができるようになっていますので、よりD2Cビジネスに注目が集まっているのでしょう。
ビジネスをより成長させるためにも、「越境EC」に注力したいと考えるD2C事業者の方も多いことでしょう。
特に年間100兆円を超えるほどの世界最大のEC市場を抱える中国は、将来性が非常に大きいと考えられ、多くの日本企業が越境ECビジネスへチャレンジしたいと考えているかと思います。
ですが一方で、D2Cビジネスを中国に進出させた成功事例が見えにくいこともあり、どうすれば上手くビジネスを効率良く進めることができるのか、ということも課題になってきますよね。
そこで今回は、中国越境D2Cビジネスに挑戦する際に知っておくべき5つのパターンをお教えしたいと思います。
今後自社D2Cビジネスをより成長させたい、越境ECに挑戦したいと思われている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
Contents
1:越境ECショッピングモールに出店する
中国には、「TMall Global」や「JD Worldwide」「全日空海淘」という、中国EC市場において非常に大きなECショッピングモールがあります。
これらのショッピングモールは、中国だけでなく、世界から注目されている中国最大級のショッピングモールであり、規模もかなり大きくなっています。
高い出店基準が設けられていますので、偽物や非正規品は一切排除されており、海外での有名ブランドも積極的に出店していますので、顧客からの信頼度も非常に高いと言えるでしょう。
これらのショッピングモールを利用する中国消費者は、「本物」を求めていますので、本物の価値を持った日本商品に対する需要は非常に高く、大きな商機があると言えるでしょう。
TMall Global、JD Worldwideへ出店する場合の条件は、法人は日本法人で良いこと、商標は日本と香港の英語表記商標であること、決済銀行は日本の銀行での円決済であること、物流は中国へ個配が可能であること、販売許可は日本の販売許可で良いことです。
中国に法人を設立せず、本格的に越境ECを行いたいと思われているブランドは向いているでしょう。
2:越境EC専用の自社ECサイトを開設する
日本にサーバーを置き、自社独自のドメインで越境ECを行う方法もあります。
上記で説明したTMall Globalなどでは、ここ数年で特に中国人の需要の変化に対応されていますので、より出店が難しくなっています。
だからこそ、自社ECサイトにて越境ECを行うD2Cブランドも今後増えていくことが予想されています。
ですがこの場合、ただECサイトを中国語に対応すれば良いか、と言うとそう簡単な話ではありません。
中国向けのECサイトを実現させるためには、中国語対応はもちろん、中国向けのWebサイト構築と集客、そして中国人向けの問い合わせ対応、中国人向けのEC決済システムの導入、中国の物流確保が重要です。
3:越境EC事業者に業務を委託する
3つ目のパターンは、もうすでに越境ECを行っている事業者さんに、自社越境EC業務を委託する、ということです。
たとえば、JD Worldwideなどに自社D2Cブランドを出店させ、業務委託契約を組み、日本企業が製造した健康食品やサプリメント、化粧品、ボディケアなどを販売し、成功している事例もあります。
自社で海外発送する必要がありませんので、手間が少なく、リスクも最小限に抑えることができるのですが、集客やマーケティング施策に関しては、また別の方法を考えなければなりません。
4:中国のパートナー企業に卸売りをする
中国の販売代理店や輸入業者などの、現地のパートナー企業に卸売りをするパターンもあります。
卸売りするメリットとしては、販売ボリュームを大きくさせることができるということでしょう。
ですがデメリットとしては、エンドユーザーのニーズが見えにくいことがありますので、マーケティングが難しく、さらに自社のパートナー企業によっては、ビジネスが大きく左右されてしまうこともあるでしょう。
5:中国の個人オークションサイトに出品する
中国に法人を設立せず、比較的安価に越境D2Cビジネスを始めたい場合は、中国の個人オークションサイト「タオパオ」に商品を出品する方法があります。
日本でタオパオは、中国版楽天市場と言われているのですが、購入者だけでなく、個人での販売者も多いので、メルカリやヤフオクにも近いと考えられます。
タオパオは非常に規模が大きいのですが、偽物や粗悪品などが出品されていることも多いので、消費者からの問い合わせも多く、その問い合わせや値引き交渉にすぐ対応しなければ、すぐに他の店舗に流れてしまいますので、カスタマー対応が生命線だと考えられるでしょう。
以上、中国越境D2Cビジネスに挑戦する際に知っておくべき5つのパターンについてお話させていただきました。
日本でも今後さらにD2C市場が拡大することが予想されていますので、今まさに越境ECにチャレンジする絶好の機会だと言えるでしょう。
取り扱う商材や、参入する市場、自社の規模によって最適なパターンは異なってきますので、ぜひ自社に合ったパターンをしっかり理解し、中国越境ECビジネスに挑戦してくださいね。