D2Cビジネスを行う上で知っておくべき「CHRO」の役割とスキル

2010年代頃より、アパレルや生活用品業界を中心に、徐々にD2Cというビジネスモデルを導入する事例が多くなっています。

従来までのビジネスモデルであれば、商品を販売するメーカーやブランドが実店舗を持ち、そこに訪れたお客様に対して商品を販売するか、商品を販売してくれる店舗を獲得して、流通業者を通じてその店舗に商品を卸し、自社チャネル以外で商品を販売していたのですが、D2Cは、自社内で企画し、生産した商品を自社ECサイトなどのチャネルを使って、消費者に直接商品を販売する仕組みです。

ここ数年で、プロダクトライフサイクルのスピードがかなり速くなっており、企業経営もスピーディでなければならないようになっています。

よりスピーディにするために、今注目を集めているものが、企業のビジネス戦略に合わせた戦略人事です。

そしてこの戦略人事を成功させる上では、CHROという重要なポジションを理解しなければなりません。

まだ日本の企業では、CHROの理解度が低く、ポジションとして設けている企業は少ないのですが、今後D2Cビジネスを成功させるためには、CHROはどのような役割を担っているのか、ということをしっかり理解しておかなければなりません。

そこで今回は、D2Cビジネスを行う上で知っておくべき「CHRO」の役割とスキルについて、詳しくお話させて頂きたいと思います。

今後より効率よくD2Cビジネスを進めていきたいと思われている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

戦略人事を実行する「CHRO」

戦略人事は、経営資源である、「ヒト」「カネ」「モノ」「情報」を最大限に活用するマネジメントです。

経営戦略を実現するために、最適な人材要件を定義し、その実現に向けた人事戦略を計画し、実行します。

変化の激しい今の時代、市場の優位性を確保するためには、その変化に柔軟に対応することができるスキルと知識、そして経験を持つ人材を獲得することが重要です。

時代のニーズや競合他社に遅れを取らないためにも、人事が積極的に経営を理解する重要性が増しているのです。

そしてCHROは、経営陣の一人として戦略人事を実行し、人事関連のすべての業務に責任を持つポジションです。

目まぐるしく変わる今の時代のビジネス環境の中で、企業を存続させるためには、スピーディで適正な人材配置が求められ、その環境を担うものこそCHROなのです。

従来までの人事責任者とは、同じ人事のプロであることは変わりないのですが、経営に関与しているかどうか、経営視点を持っているかどうか、ということが違います。

ヒトを統括し、経営戦略におけるヒトの活用や起用などをCEOに提案し、経営企画やビジョンの達成、組織づくりの推進に向け、人材資源をいかに調達し、配分すれば良いか、もし課題がある場合にはその解決策も提示し、スムーズに施策が遂行されるようにするのです。

CHROの役割

人事戦略へビジネス戦略を落とし込む

CEOと同じ視点を持って、ビジネス戦略を理解し、人事戦略へ落とし込む、もしくはボトムアップによってビジネス戦略を組み立てていくことも求められるでしょう。

人事戦略の進捗を管理する

策定されたビジネス戦略や企業が持つビジョンに向けて、人事施策の進捗を管理していきます。

人事配属や人事異動の後に問題が生じていないか、人事採用は予定通りに進んでいるか、従業員はモチベーションの高い状態で働くことができているか、ということを定期的に確認し、その状況を元に経営陣と議論を行い、今後の方針を固めていきます。

評価制度や教育制度の構築

企業のビジネス戦略やビジョンに基づき、従業員に企業が理想とするパフォーマンスを発揮してもらうために必要な評価制度や教育制度を構築していきます。

せっかく素晴らしい人材を獲得したとしても、企業内での働く環境が悪い場合や、企業のビジョンと離れてしまっている人材である場合では、そのギャップにがっかりしてしまい、十分にパフォーマンスを発揮することができない、もしくは離職してしまうこともあるでしょう

まとめ

以上、D2Cビジネスを行う上で知っておくべき「CHRO」の役割についてお話させて頂きました。

今の日本では、労働力人口の減少や人材の流動化の加速、経営判断のスピード化などが背景となり、人事部門の位置づけが徐々に変わりつつあります。

どんどん拡大し続けるD2C市場での、厳しい競争に打ち勝っていくためには、企業視点を持った戦略的な人事体制と人事施策を構築することが非常に重要なのです

CHROは企業の経営理念や経営ビジョンを実現するため、最適な組織や人の状態を描き、経営陣のひとりとして、その最適な組織と人の状態を実現するために、リーダーシップを発揮する非常に重要なポジションです。

D2Cビジネスをより効率よく、確実に拡大させるためにも、ぜひCHROの導入を検討してくださいね。