D2Cビジネスでの「CHRO」の役割

メーカーやブランドが仲介業者を介すことなく、自社ECサイトにてユーザーに直接商品を販売する、D2Cというビジネスモデルの注目度が高まっています。

特にアメリカのスタートアップ企業がSNSなどでアピールすることで、大成功をおさめたビジネスモデルであり、今日本企業からも注目されています。

D2Cビジネス成功の背景には、SNSが普及したことにより、企業が広告を使わずとも莫大なフォロワーと直接コミュニケーションを取ることができる時代になったことでしょう。

ですので、店頭販売のみに頼る必要がなくなり、企業が直接ユーザーとコミュニケーションを取る方法が確立したのです。

また、コロナ禍により店舗ビジネスの売上が低迷したため、販売店を通さずにECサイトで直接商品を販売するビジネスモデルは、D2Cビジネスを始めざるを得ない状況にもなっているのではないでしょうか。

ここ数年、D2C業界ではプロダクトライフサイクルが速くなり、よりスピーディな企業経営が求められるようになっている中で、実現スピードを高めるために、経営戦略に合わせた戦略人事の重要性が高まっています。

そしてこの戦略人事を牽引すべき役割が「CHRO」というポジションなのです。

まだ日本企業ではCHROをポジションとして設けている企業は少ないのですが、今後は増えるであろうと予想されていますので、今のうちにしっかり知識を付けておかなければなりません。

そこで今回は、D2Cビジネスでの「CHRO」の役割について、詳しくお話させて頂きたいと思います。

今後D2Cビジネスをよりスムーズに進めようと思われている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

CHROとは

CHROは、Chief Human Resource Officerの頭文字を取った略称であり、最高人事責任者を意味します。

経営に関する権限も有していますので、経営陣の1人としての役割を持っていることが特徴です。

マネジメントをする役割を担っていますので、企業の成長にとっては必要不可欠なポジションなのです。

現代社会の目まぐるしいビジネス環境の変化の中で、企業を存続させるためにはスピーディで適正な人材配置が求められ、労働力の減少や人材流動化の加速など、状況が大きく変化する日本では、今後CHROを導入する企業が増えていくことが望まれているのです。

CHROの役割

・従業員の育成

企業の成長、そして生産性の向上を達成するためには、従業員一人一人が経営戦略に合った働き方をしていかなければなりません。

CHROは、そのような従業員を育成する役割を担っていますので、企業がどれだけ理想的な経営戦略を考案したとしても、従業員がそれについていくことができなければ、目標を達成することは不可能です。

また、個人の従業員の能力が高かったとしても、もしその能力を企業の経営方針とは関係のない方向へ発揮していては、企業が成長することはありません。

企業の成長には従業員の育成を適切に行わなければなりませんので、経営課題と人事の現場での課題を照らし合わせて、従業員の育成計画を練るCHROが必要なのです。

・人事施策の策定と進捗管理

CHROは企業の生産性向上と、企業の成長の視点から、どのような人事戦略をすべきか、ということを洗い出し、人事施策を策定します。

従業員が生産性向上のためにモチベーションを維持しながら働くことができる仕組み作りや研修制度、そして人事評価制度などの施策測定などを行いますので、CHROは人事分野のさまざまな場面において多くの責任を負います。

また、自らの人事施策が実際に企業の生産性向上に繋がっているか、ということを随時確認し、管理する必要があります。

育成プログラムやスキルアップのための研修を受けた従業員は、現場で能力を発揮することができているのか、人事配置が適切か、ということをマネジメントし、その実態を経営陣に報告するという役割も担っています。

企業の目標達成のため、もし必要であるのならば求人活動やヘッドハンティングを行ったり、その反対に自社内の優秀な従業員が他社に流出してしまわないよう、職場環境を改善したりと、人事評価基準の見直しを行うなども、CHROの需要な役割です。

・経営参画

CHROは人事部の最高責任者ですので、人事に関するプロの立場として、経営会議で意見を述べ、経営戦略に参画する役割を担っています。

企業が成長するために、今の人材の配置はどのようにすべきなのか、どのようにすればベストパフォーマンスを発揮することができるのか、という多角的な視点を持って、状況を分析する必要があるでしょう。

自社の生産性向上と、健全な運営を第一に考えることが重要です。

まとめ

以上、D2Cビジネスでの「CHRO」の役割についてお話させて頂きました。

CHROはあまり聞き馴染みのない言葉だと思う方も多いかもしれませんが、今後D2Cビジネスを拡大させるためには、CHROの理解は欠かせません。

今後さらにCHROの重要性が高まり、ポストも増加することが予想されますので、ぜひこの機会にしっかり知識を得てくださいね。