近年、D2Cというビジネスモデルが大きな盛り上がりを見せています。
D2Cは、ブランドやメーカーが消費者に直接商品を販売する方法であり、消費者の生活にスマートフォンやSNSが広く普及したことにより、市場規模も拡大傾向にあるのです。
2000年代後半に登場して以降、アパレルメーカーやコスメブランドの多くが採用しており、自社内で販売チャネルを持つことができるので、どのような人がどれくらいの頻度で商品を購入しているか、という詳細情報を把握することができますので、より顧客ニーズに沿った商品を販売することができるのです。
そしてSNSを活用することによって、顧客と直接コミュニケーションを取ることができますので、顧客が企業や商品に対して、信頼や愛着を高めることもできるのです。
スタートアップが多いD2Cブランドは、「アクセラレータプログラム」の知識が必要です。
そこで今回は、D2Cビジネス、ベンチャー投資で知っておくべき「アクセラレータプログラム」について、詳しくお話させて頂きたいと思います。
これからより効率よくD2Cビジネスを進めていきたいと思われている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
今、コロナ禍や市場の拡大など、さまざまなビジネス環境が変化する中で、既存ビジネスの拡大、もしくは新規ビジネスの創出を行うためには、迅速でコストを抑えながら、ビジネスの成功率を高めていかなければなりません。
そこで重要なポイントになることが「他社との協業」なのです。
他社と協業する方法と言えば、M&AやCVCなどが思い浮かぶ方が多いかと思いますが、今より大きな注目を集めているものが、アクセラレータプログラムなのです。
M&Aは相手企業と合併、もしくは買収する必要があるのですが、CVCやアクセラレータプログラムは主に大手企業がベンチャー企業やスタートアップ企業に対し、協業を目的として投資を行います。
投資と言えばVCがありますが、VCの投資目的はキャピタルゲインを得ることですので、自社ビジネスの拡大を目的とするのであれば、アクセラレータプログラムが適切です。
大手企業が、新たにD2Cビジネスを行おうとした場合、アクセラレータプログラムにより、自社にはない知見や技術を取り込むことができ、ビジネススタート準備の時間を大幅に短縮することができるでしょう。
また、失敗のリスクを削減することもできます。
アクセラレータプログラムはM&Aとは違い、自社だけで新規ビジネスに挑むわけではありません。
だからこそ、万が一失敗してしまったとしても、新規ビジネスにかかったコストは限定的でしょう。
スタートアップ企業やベンチャー企業が、新たにD2Cビジネスを行おうとした場合、アクセラレータプログラムにより信頼や実績の獲得に繋がります。
大手企業と組むことで、外部からの信頼が向上し、協業によってさまざまな実績や経験を積むことができるでしょう。
また、創業間もない企業にとっては、大手企業から資金調達を実現することが出来るうえ、直接ノウハウを学ぶことができますので、大きく成長することができるチャンスを得ることができるのです。
大手企業が迅速かつ、コストを抑えてビジネスを拡大していく上で、アクセラレータプログラムは大きなメリットを持っているのですが、実際にはそのプログラムを実行していくには、いくつかの問題点があります。
それは、自社に合ったベンチャー企業の選定や、投資のノウハウがないということです。
基本的に投資会社を通さず、自社のリソースでベンチャー企業への投資を行いますので、投資すべき企業の選択が難しいのです。
また、当然のことながら投資に関するノウハウも少なく、初期段階でつまずいてしまうことがあるのです。
また、他部署との連携が取りにくいこともアクセラレータプログラムを迅速に進めていく上での大きな問題点として挙げられるでしょう。
今注目を集めていると言っても、日本でのアクセラレータプログラムはまだまだ一般的な認知は得ていませんので、他部署とうまく連携が取れないことがありますし、大手企業だからこそ、意思決定の過程が複雑になってしまい、時間がかかる傾向にあります。
そして、アクセラレータプログラムに対する社内の理解がないことも問題です。
上記で説明した通り、アクセラレータプログラムの認知はまだ高いわけではありませんので、企業内の特に経営層の理解を得るために時間を費やさなければならないことがあります。
また、企業内の理解がないために、担当者に対する評価基準も定まらず、モチベーションを高めることができないということも、問題点でしょう。
以上、D2Cビジネス、ベンチャー投資で知っておくべき「アクセラレータプログラム」についてお話させて頂きました。
アクセラレータプログラムは、日本ではまだまだ新しい取り組みでありますので、まずは企業内の理解を得ることから始め、他部署とコミュニケーションを取り、連携を図っていく必要があります。
まだ問題点が目立つアクセラレータプログラムですが、互いに影響し合い、ビジネスの拡大や新規ビジネスの創出を目指すという意識をしっかり持っていれば、アクセラレータプログラムは十分に成功する可能性がありますので、ぜひこの機会に知識を深めてくださいね。