ECサイトの利用者は、その多くがサイト内の検索機能を利用して欲しい商品を探します。
これは、ECサイトを販売の軸とするD2Cビジネスにおいても同様です。
しかし、コロナ禍において、ECの利用者が増加している中で、このサイト内の検索機能に関する問題が増えてきているのです。
そこで今回の記事では、D2Cビジネスにおける検索機能の問題について説明したいと思います。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
昨年より続くコロナ禍において、EC市場全体の需要が高まり、ECサイトを販売の軸とするD2Cブランドもその恩恵を受けています。
しかし、これまでECサイトをあまり利用していなかった消費者の利用が増えているため、新たな問題も生じているのです。
その問題と言うのが、サイト内の検索機能の問題です。
ECサイトを訪れた消費者の多くは、自身が求める商品を探すために検索機能を利用します。
キーワード検索を行い、求める商品のページへたどり着くケースが多いのです。
このキーワード検索がスムーズに進み、希望通りのページへたどり着くことができれば、その消費者は商品を購入する可能性は高くなります。
これは、キーワード検索をする消費者は、求める商品がほとんど決定しているためであり、キーワード検索で商品を見つけることができれば、すぐに購入する確率が高いのです。
しかし、その一方で、キーワード検索で希望のページにたどり着けなかった場合には、その消費者はそこで離脱してしまう可能性が高くなってしまうのです。
そして、この離脱してしまう消費者は、ECサイトの利用者が増えるに伴い、増加しているのです。
せっかく、ECサイトの利用者が増えても、それに伴い離脱者が増えてしまっては意味がありません。
そもそも、自らECサイトを訪れる消費者は、商品を購入してくれる可能性が非常に高いのです。
その消費者が希望のページに辿り着くためには、サイト内でカテゴリー検索をする、バナーや広告を経由する、外部の検索を経由するなど様々な経路が考えられます。
この中でも、サイト内での検索で商品に辿り着いた消費者のコンバージョン率は、その他の経路と比べて、10倍も高いと言われているのです。
この高いコンバージョン率の消費者を逃してしまうのは、非常に大きな機会損失なのです。
実際に、とある調査では、約8割の消費者が、ECサイトを訪れた際に、すぐに求める商品を探すためにキーワード検索を行うと回答しています。
しかし、この8割の内の半数以上の消費者が、キーワード検索で求める商品が見つからなかった経験があると答えているのです。
そして、求める商品を見つけられなかった消費者のうち、半数以上が他のサイトに移行するとしており、さらに、残りの3割程度の消費者が実店舗に探しに行くとしているのです。
つまり、8割以上が求める商品をすぐに見つけられなければそのサイトから離脱してしまうことになるのです。
このような機会損失を防ぐためには、消費者が検索機能を利用して、なぜ商品を見つけることができないのかその理由を追求することが重要です。
そして、その理由は大きく2つ考えられるのです。
そのまず一つ目の理由が、消費者が検索する方法自体に問題があるということです。
その問題と言うのが、キーワードの入力ミスです。
この入力ミスとは、漢字の間違いや英語のスペルミスなどを指しています。
検索エンジン大手のGoogleの調査結果においても、10件の内1件はこのような入力ミスがあるとされています。
そのため、サイト内検索においても、同程度の入力ミスが発生していると考えられるのです。
次に、2つ目の理由が、検索結果が上位に表示されないため気付かれにくいということです。
これは、正確な商品名ではなく、商品名の一部などで検索するために発生すると考えられます。
消費者と言うのは、結果の上位しか見ていないことが多く、下位に表示されていた場合、目に留まらないことも多々あるのです。
このような理由から、消費者の多くは求める商品を見つけることができず、離脱してしまうのです。
この問題を解決するためには、検索機能を常に最適化する運用が重要となります。
多くのサイトでは、検索機能を導入しただけで満足してしまい、適切な運用が成されていないのです。
そのため、検索精度が低くなり、多くの消費者が商品を見つけられないと言う問題が起こってしまうのです。
検索機能に限らず、便利な機能を導入するのであれば、その機能を最適化するための運用が必要なのです。
現在では、AIを活用することで、この運用の業務の負担を軽減できるようになっています。
また、音声検索など新たな機能も進化しています。
デジタルの世界では、日々進化が続いており、これらの進化している機能を有効に活用することが求められているのです。
今回説明したように、消費者と言うのは、すぐに商品を見つけられないと言った理由で、簡単にサイトを離脱してしまいます。
しかし、自らサイトを訪れてくれている消費者をそのような理由で逃してしまうのは、大きな機会損失です。
これを防ぐためには、便利な機能を導入するだけでなく、適切に運用していかなくてはならないのです。