企業価値を高めるため、D2Cビジネス物流の本質とは

今、インターネットで誰でも手軽にショッピングを楽しむことができるようになっており、ECサイトが発展したことにより、D2Cビジネスは非常に大きな注目を集めるビジネスモデルになりました。

D2Cビジネスを展開することで、コスト削減や独自のマーケティングを展開することができるようになりますので、ECビジネスを行う多くのブランドがD2Cビジネスの導入を始めているのです。

D2Cビジネスを成功させるためには、物流に関する知識は不可欠であり、D2Cビジネスでの物流の本質を知っておかなければなりません。

企業視点から見た物流の本質をしっかり理解しなければ、D2Cビジネスとして継続的な利益が生まれることはないのです。

そこで今回は、企業価値を高めるための理解すべきD2Cビジネス物流の本質とは何か、詳しくお話させていただきたいと思います。

D2Cビジネスにご興味を持たれている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

物流改善のためには物流指標の可視化が必要

D2Cビジネスの収益性を正しく判断するためには、物流指標を可視化し、社内で共有しなければなりません。

D2Cの物流コストを固定費と変動費に分けて可視化した上で、売上高や粗利益のうち、変動費が何パーセントを占めているのかを把握する必要があります。

ECの物流コストは、倉庫の家賃が固定費になり、送料やピッキング費用は変動費ですので、前者利益に対するECビジネスの貢献度を正確に評価するためには、ECの物流コストを変動費と固定費に分けて把握しなければなりません。

倉庫の家賃や作業委託費用資材費用運送費用総在庫金額滞在品比率田尚利子差損/差益など、月ごとに各指標によって集計し、数値の推移を可視化することが物流改善の第一歩なのです。

商品の動きや利益との関係を理解し、企業全体として利益貢献につながる共通の指標を、経営者や物流管理者、バイヤーなどの関係部署で共有しましょう。

全体最適の視点が重要

ECの物流においては、バイヤーの視点になると、仕入れ原価が下がると、会社の利益に繋がったようにも見えますが、仕入れ数によっては倉庫の保管面積が増えてしまい、保管代が上がってしまい、さらに在庫回転率が下がり、滞留在庫が棚を占有してしまい、ピッキング担当者の作業効率を下げてしまう場合もあるのです。

保管代が上がり、作業効率が下がってしまうと、もしそのコストアップが仕入れ原価の低減効果を上回ってしまえば、企業にとってマイナスになってしまうのです。

仕入れ業務と倉庫業務の関連性をしっかり意識して仕入れを行うことで、全体最適の最大化に繋がり、営業利益を上げることができるのです。

企業価値を高めるD2C物流の本質

・物流をデザインし競争優位を生み出す

企業のデジタル化には、「デジタイゼーション」「デジタライゼーション」「デジタルトランスフォーメーション」の3段階がありますので、デジタル化に取り組む際は、自社は今どの段階にいるのか、ということを理解しておかなければなりません。

モノそのものの価値ではなく、物流をデザインし、モノを届ける方法こそ、自社の強みを生み出すことができるのです。

・シームレスな購入体験を実現するために必要なこと

実店舗とECサイトの在庫情報をリアルタイムで表示するなど、シームレスな購入体験を実現するには、受注データを一元管理し、自社倉庫と外部倉庫の在庫をリアルタイムで管理しなければなりません。

小売企業のビジネスが、シングルチャネルからマルチチャネルへ、そしてクロスチャンネル、オムニチャネルというように変わっていく中で、実店舗や自社EC、モールの在庫情報や顧客情報を統合し、購入体験を高めるには、注文や倉庫の管理システムなどを連携させ、全体設計が必要なのです。

また、オムニチャルによって消費者の購入にあり方が大きく変化し、「顧客中心の物流」似へんかしています。

従来までの物流は、商流を支えるものであったのですが、テクノロジーの進化も相まって、物流と商流が融合してサービスを提供していかなければならない時代なのです。

・物流設備のシェアリング

近年、物流コストが高騰し、労働人口の減少などによって、物流業界ではロボットやAIを活用した自動化と省人化が急速に進んでいます。

ですが、物流倉庫を自動化、もしくは省人化にした場合、設備投資に莫大な費用がかかってきますので、実現できる企業は一部の大手EC事業者のみでしょう。

このような中でも、中小EC事業者が自動化や省人化の設備を使うことができるよう、設備のシェアリングが進んでいるのです。

保管スペースや設備、倉庫スタッフなどを、複数の企業で共有するシェアリングロジスティクスが広がっていますので、今後は物流を共有することがトレンドになることでしょう。

まとめ

以上、企業価値を高めるために知っておくべきD2Cビジネス物流の本質についてお話させていただきました。

今後さらに拡大するであろうD2C市場には、物流に関する知識は必要不可欠です。

D2C物流の本質をしっかり理解し、今後のビジネスに役立ててくださいね。