ここ数年で、D2Cというビジネスモデルが大きな盛り上がりを見せています。
D2Cとは、Direct to Consumerの略称であり、ブランドや製造者が直接消費者と取引を行うというビジネスモデルです。
D2Cビジネスの特徴は、ブランドや企業が仲介業者を介すことなく、自社ECサイト内で直接商品を販売することです。
2000年後半頃からD2Cビジネスを採用する企業がどんどん多くなっていますので、D2Cビジネスにご興味を持たれている方も多いのではないでしょうか。
D2Cビジネスにおいて最重要となることが、「顧客分析」です。
自社はどのような課題を抱えるユーザーに対し、どのような体験を提供したいのか、それに対してユーザーはどのような反応を見せているのか、自社の独自性はどこにあるのか、ということを分析しなければ、選ばれる商品やサービスになることはありません。
そしてさらに顧客分析の後に、顧客を分類して、的確に顧客を理解することが重要なのです。
D2Cビジネスを成功させるには、顧客分析をしっかり行い、自社独自の商品やサービスを提供しなければならないのです。
そこで今回は、D2Cビジネスに重要な顧客分析と顧客分類について、詳しくお話させていただきたいと思います。
今後D2Cビジネスを確実に成功させたいと思われている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
Contents
顧客分析とは、顧客がどこの属性に入っているのか、消費形態はどうなのか、ということを明らかにし、商品企画や販売戦略に役立てることです。
顧客はそもそも年代や性別、仕事の有無や立場、抱える課題が大きく異なっているからこそ、顧客分析は必要なのです。
商品やサービスに求めるものは、顧客によってもちろん異なってきますよね。
ですので自社のターゲットユーザーは何を求めているのか、そして自社の独自性はどこにあるのか、ということをしっかり明確に分析することで、自社商品やサービスがユーザーから選ばれるものになるのです。
基本的には住んでいる場所による「ジオグラフィック属性(地理的属性)」、性別や年齢、世帯年収、職業、学歴なども社会経済的な「デモグラフィック属性(人口統計学的属性)」、その人の価値観に基づいた「サイコグラフィック属性(心理的属性)」、そのブランドや商品にどれほど関わり、どのような行動をとっているのか、という「ビヘイビアル属性(行動属性)」という4つの分類に分けて考えることができます。
実務上では行動属性である「ビヘイビアル属性」をメインとして組み合わせていきます。
そもそも顧客分類の目的としては、ただ顧客を分類する、ということではありません。
いかに自社ブランドや商品サービスの魅力を知ってもらい、購入してもらうことができるか、そして商品企画や販売戦略に役に立てるか、ということが目的なのです。
その視点から見ると、アクションやKPIを企業側が立てやすいものが、行動属性です。
そして「優良顧客」「非優良顧客」「離反顧客」「非購入者」「非認知者」の5つのセグメントに分けると、企業がすべきことを明確にすることができるのです。
たとえば、認知はしているものの、購入したことがないという「非購入者」が多ければ、いかにして自社商品やサービスを購入してもらうか、そして前までは購入していたが今は購入していない「離反者」が多く課題になっているのであれば、再度利用してもらうためにはどのような施策が必要であるのか、「非優良顧客」が多いにもかかわらず「優良顧客」が少ない場合は、どのようにすればもっと愛着を持ってもらうことができるのか、ということを考え、それぞれの課題に応じて確実な施策を立て、実行すれば、非優良顧客を増やし結果的に優良顧客を増やすことができるでしょう。
そうすると当然のことながら、売り上げは改善していきますよね。
このようにしっかりと明確に、顧客を分析することで、複数の属性を組み合すことができ、企業にとっても顧客像を想像しやすくなりますので、企業内で共通の認識を持つことができるのです。
D2Cビジネスでも、この顧客分析と顧客分類の考え方は非常に重要で、必ずしも持っておくべき知識でしょう。
以上、D2Cビジネスに重要な顧客分析と顧客分類について、詳しくお話させていただきました。
今は良いものを作ればなんとなく売れる、という時代は終わりました。
広告を配信すれば認知度を向上させることができますが、その先にある「購入」と「継続利用」「口コミ」までしっかり繋げていくには、しっかりとした戦略が重要なのです。
顧客分析、そして顧客分類は、D2Cビジネスの成功において欠かすことができませんので、ぜひこの機会に改めて重要性を考えてくださいね。