新規事業としてD2Cブランド立ち上げる際、失敗に終わるよくある要因とは

消費者の消費形態が変化する時代、D2Cビジネスが大きな注目を集めています。

D2Cビジネスは、自社内で商品の企画や製造、そして販売までを行うビジネスモデルです。

従来までのように、販売代理店や流通業、小売店などを仲介せずに直接商品を販売しますので、消費者の意見や要望を傾聴しやすくなり、独自性の高い商品を作ることができるという点が特徴でしょう。

D2Cビジネスを行う企業は、独自のブランド構築を目指すことが多いので、大衆向けの製品のように大量生産や大量消費を前提とした商品とは性質が異なり、高品質な商品を低価格で販売することができるのです。

D2Cビジネスは今まさに流行のビジネスモデルですので、多くの企業がD2Cビジネスにチャレンジしているのですが、実際にD2Cビジネスを行っても、失敗してしまうブランドも非常に多いのです。

数年前と比較すると、デジタル化や技術の発展により、商品やサービスを開発しやすい環境になっており、その影響でさまざまな産業で新興企業によるゲームチェンジが行われており、このような環境の下では積極的に新しいビジネスを立ち上げる必要性が迫られているのです。

ですがなぜ、新規事業としてD2Cブランドを立ち上げても失敗に終わってしまうのでしょうか。

そこで今回は、新規事業としてD2Cブランドを立ち上げる際、失敗に終わるよくある要因とは何か、詳しくお話させていただきたいと思います。

これからD2Cビジネスを始めようと思われている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

よくある失敗の要因

・検討不足

D2Cビジネスが失敗に終わってしまう一番多い要因は、需要の予測や市場を読み違えてしまうことです。

自社が参入する市場や、自社を取り巻く環境をしっかり分析し、ターゲット顧客への効果的なアプローチや売れる理由を考えるため、データを収集し、スムーズに取り組みを進めていくための体制を整えなければなりません。

対象とする課題は、お金を払ってでも解決したいものなのか、立案当初は社内の人間だけが立てた仮説が、実際のペルソナに対象を聞き取りするなど、大体ズレが生じてしまいます。

場合によっては、課題にすらも感じていないということもありますので、このプロセスをしっかり踏まなければ、全く見当違いのビジネスを進めてしまい、時間とお金を無駄にしてしまうのです。

・仮説検討が遅い

大企業ほど意思決定までの時間が長い傾向にあります。

せっかく良いアイデアを思い浮かんだとしても、それをスタートさせるまでに時間がかかってしまい、気付いたときには競合他社に先手を取られてしまう、ということにもなりかねません。

リスクのための判断や、体制を構築することはもちろん慎重に行わなければならないのですが、スピードも重要であることを忘れてはいけません。

自社が考えたアイデアは、競合も考えていると思っておくべきでしょう。

自社が参入する市場で出遅れてしまわないためにも、まずは小さく仮説を立て、少しずつ消費者ニーズを探り、それに応えながら市場の中で大きくなっていく、というサイクルが理想的です。

・人材と経験の不足

新規事業としてD2Cビジネスを始める場合、過去の経験を十分に活かすことができない場合が多い場合、市場やターゲットの特性を十分に理解できていない状態で市場に参入してしまう場合があります。

もし既存ビジネスの延長戦として市場に参入する場合であれば、ある程度のことを想定しながら取り組みを進めていくことができるのですが、ゼロの状態から始める場合は手探り状態で進めていかなければなりません。

この場合、ビジネスのノウハウが足りなさすぎると、新規事業が行き詰ってしまう場合があるのです。

新規参入をする市場は、その参入する業界と繋がりのある他社との連携、そして業界のことをよく知るプロの人材に相談するなど、外部リソースを活用することが有効な手段なのです。

・撤退の基準が定まっていない

多くの新規事業開発が失敗に終わってしまっているとはいっても、いつまでも失敗し続けているわけにはいきません。

だからこそ、これ以上のチャレンジは行わない、これ以上は失敗できない、などの最終ラインの基準を決めておかなければなりません。

大企業の場合は、リソースに余裕がありますので、どうしても一度スタートさせたビジネスに対し「もったいない」という感情が生まれ、投資を続けてしまう傾向にあるのですが、この状況を避けるためにも、ビジネス開始前にあらかじめ新事業を止めるタイミングや条件を明確に決めておくこと、そして複数の事業の案を管理し、もし諦めなければならない状況でも、全体として成功すれば良い状態を作っておくことが大切です。

まとめ

以上、新規事業としてD2Cブランドを立ち上げる際、失敗に終わるよくある要因について、詳しくお話させて頂きました。

D2Cビジネスに限らず、どのような新規事業であっても、その市場に参入した後は、需要が高まり成長期を経て成熟期を迎え、最終的には衰退してしまいます。

ですが近年ではテクノロジーの発展スピードに伴い、サイクルが短期化し、消費者ニーズが多様化しているからこそ、いかに早くビジネスチャンスを見つけ、自社独自のD2Cブランドを創り、スピード感を持って磨き続けるということが重要なのです。

ビジネスを始める前にこのような要因をしっかり理解し、このような状況に陥ってしまわないようなビジネスを行ってくださいね。