食品D2Cビジネスがなぜ期待されているのか

D2C 2021年5月10日

今の時代、モノでは無く「世界観」を売るという新たなアプローチで、D2Cビジネスの存在感が急速に高まってきています。

D2Cとは、Direct to Consumerの頭文字を取った略称であり、ブランドや企業が自ら商品の製造から販売までを一貫して行うビジネスモデルです。

従来までの直販型ビジネスとは異なり、商品そのものだけでなく、徹底して世界観を追求するということが特徴です。

日本国内において、D2Cビジネスを採用したブランドは年々増加しているのですが、特に食品業界から大きな注目を集めており、今後もさらなる成長と拡大が期待されているのですが、なぜここまで大きな期待がされているのでしょうか。

そこで今回は、食品D2Cビジネスがなぜ期待されているのか、ということについて詳しくお話させていただきたいと思います。

今後食品D2C業界に参入を考えられている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

Contents

食品D2Cビジネスの成長が期待される背景

今、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、外食の機会が大幅に減少しています。

外食の機会の減少に伴い、食料支出に占められる内食が非常に増加しており、食品の支出が伸びているのです。

新型コロナウイルスの新規感染者数は増減を繰り返しており、今後も長期にわたり注視しなければならないと考えられていますので、内食の需要も長期にわたり、高い水準が保たれることが予想されているのです。

消費者が気軽に外食を楽しむことができなくなった時期だからこそ、より魅力的な内食を提供するサービスの需要が増しているのです。

そして、その需要に伴い食品を提供するサービスも多くなってきているからこそ、ただ食品を提供するだけでなく、食品と共にそのブランドの世界観や体験を提供するD2Cビジネスが注目されているのです。

私たちにとって、食品は日々の生活に必須となるものですよね。

特に食品分野に関して、ユーザーはブランドストーリーに共感を得やすいため、D2Cビジネスと食品は親和性が高いと考えられているのです。

D2Cビジネスとして、従来の食品業界にはない「世界観」「ストーリー」を提供することがポイントです。

この世界観とストーリーを提供し、注目されている成功事例をご紹介致します。

Mr.CHEESECAKEは、フレンチシェフである田村浩二氏が手がけるチーズケーキ専門のD2Cブランドです。

Mr.CHEESECAKEの始まりは、田村氏個人のInstagramに、趣味で作っていたチーズケーキを投稿していたことでした。

そのチーズケーキの投稿を見た多くのユーザーが、「食べたい」という声を上げ、その声に応えるというようにブランドが設立されました。

Mr.CHEESECAKEを購入するには、毎週日曜と月曜の10時からのみ、数量限定販売で販売されており、販売開始後すぐに完売するほどの人気があり「幻のチーズケーキ」とも言われているのです。

まるでレストランのデザートを食べているかのような体験を提供するため、小麦粉を使わない丁寧な行程で作られており、冷凍状態で配送されます。

ただのデザートではなく、日常の風景を特別にする体験が提供されています。

「人生最高のチーズケーキ」を提供するため、独自の世界観を重視し、大量販売をしないことでブランディングに成功し、そしてSNSによって情報が共有されたことも、D2Cビジネスとしては素晴らしい事例であることでしょう。

GREEN SPOONは、顧客それぞれに合わせたスムージーを提供する、パーソナルD2Cブランドです。

顧客が登録の際、体調や生活リズムなどの簡単なアンケートに答えるだけで、60種類以上の野菜やフルーツなどから、顧客1人1人に最適な材料が届けられます。

GREEN SPOONの特徴は、加熱殺菌を行わないことですので、それぞれの食材の栄養を損なうことなく、新鮮なスムージーが自宅で楽しむことができることでしょう。

飲酒をする機会が多い場合、美容を気にしたい場合など、さまざまな状況に合わせてパーソナライズされたスムージーが届けられます。

GREEN SPOONの創業者である田邊友則氏は「自分を好きで居続けられる人生を」という自身の体験をもとにしたモットーを掲げています。

以上、食品D2Cビジネスがなぜ期待されているのか、ということについて、詳しくお話させていただきました。

D2Cビジネスにおいては、自社独自のビジョンやコンセプトなどの世界観を上手く築くことが重要であり、さらにオリジナリティ溢れる手法が食品D2Cビジネスの成功に繋がるのです。

今後さらに拡大するであろう食品D2Cビジネスですので、興味を持たれている方はぜひこれらの事例も参考に、D2Cビジネスに取り組んでくださいね。