インターネット機器と技術が発達した今の時代で、企業が利益を出すために「D2C」というビジネスモデルが注目を集めています。
D2Cとは、Direct to Consumerの頭文字を取った略称であり、ビジネスモデルのひとつとして使われています。
自社チャネルを通じて顧客に対し、直接商品を販売する仕組みであり、従来までのように仲介業者を介す必要がありませんので、高品質な商品を低価格で顧客に提供することができることから、多くの企業がD2Cビジネスの導入を始めています。
D2Cブランドを立ち上げ、より長期にわたって企業を存続させるためには、その時代に合ったビジネスを行わなければなりません。
そしてD2CビジネスをはじめとするECビジネスは、新規事業を立ち上げたとしても、その成功する確率は約10%と言われており、簡単なことではありません。
それでも成功確率を飛躍的に向上させるためには、正確な課題やニーズを見つけ、それを的確に解決しなければならず、そのためにはバイアスがかからない状態での情報収集と分析が必要であり、役に立つものが「フレームワーク」なのです。
そこで今回は、新規D2Cブランド立ち上げの際に必要なフレームワークの知識について、詳しくお話させていただきたいと思います。
これから新たにD2Cブランドを立ち上げたいと思われている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
フレームワークは、ある程度の枠組みが決まっていますので、そこに要素を当てはめていくことで、分析結果を導き出すことができます。
また、よけいなことを考える時間を省くことができますので、計画にかける時間と労力を抑えることができます。
今求められているD2Cブランドは、外部環境の変化やニーズに対し、自社のパフォーマンスを正確に合わせることが重要であり、そこでフレームワークが役に立つのです。
PESTは、Political、Economical、Social、Technologicalの4つの頭文字をとったものであり、ビジネスを取り巻く外部環境の中でもよりマクロな構成要素を意味します。
Politicalは、政治的要因という意味を持っており、ビジネスや業界に与える法律や条例などの政治的な要素を指します。
Economicalは、経済的要因という意味を持っており、経済の水準や為替、金利、消費者の平均所得などの変化を指します。
Socialは、社会的要素という意味を持っており、人口や慣習、価値観、文化、流行などの移り変わりを指します。
Technologicalは、技術的要因という意味を持っており、AIやloTなど、ビジネスを取り巻く技術の進化を指します。
これらの要素は、環境からのものであり、自社の力では抗うことができませんので、PESTから外れた施策を打ってしまうと大抵は上手くいきません。
3Cは、Customer、Competitor、Companyという3つの要素によって分析が行われます。
外部環境の分析でもPESTはマクロ環境を分析することに対し、3Cはミクロ環境に寄った分析が行われます。
Customerは、市場や顧客を意味し、顧客ニーズや消費行動における流行、市場規模、市場の成長性などを指します。
Competitorは、競合を意味し、競合となる企業の特徴と、その市場の占有率などを指します。
Companyは、自社を意味し、自社のリソースや想定しているサービス、商品の特徴、既存ビジネスとの関連などを意味します。
3C分析の必要性は、市場に参入した場合の自社の立ち位置の確認や成功の見込みを把握するためです。
競合や顧客をしっかり分析することで、もうすでに満たされた市場であれば、その市場への参入は避けるべきと考えることができますし、参入する場合であってもどの点で差別化して競合と戦えば良いのか、ということが分かります。
SWOT分析とは、Strength、Weakness、Opportunity、Threatの頭文字を取った言葉であり、上記のPESTと3Cの2つの分析結果により得た情報を活かし、戦略を導き出す方法です。
Strengthは強みという意味を持ち、Weaknessは弱みという意味を持ち、Threatは脅威という意味を持っています。
これらを掛け合わせ、自社の弱みに対する脅威となる要因をしっかり理解することで、リスクに備えるための対策を考えることができるでしょう。
外部環境の分析と内部環境の分析を行った後、ビジネスアイデアが複数できれば、それらの情報を整理してビジネスとしてそれをすすめるべきかどうか、ということを判断するための過程に入り、この際に役立つものが、リーンキャンバスなのです。
ビジネスアイデアが生まれたら、リーンキャンバスを何度も繰り返すほうが効果的であり、中でも特に「課題」と「顧客セグメント」に注目してください。
この2つに関しては、課題検証を繰り返すうちに、なんども変更されていきます。
そもそも新規事業として設立することは、潜在化されている課題ではなく、潜在的なニーズにアプローチするものでありますので、課題や顧客セグメントがなんども変わることは自然なことであると覚えておきましょう。
以上、新規D2Cブランド立ち上げの際に必要なフレームワークの知識についてお話させていただきました。
フレームワークを使った分析は、新規D2Cビジネスだけでなく、既存ビジネスにおいても機能しますし、時代や顧客ニーズの変化をフレームワークで整理することで、より早く市場変化を察知することができるのです。
D2Cビジネスを確実に成功へと進めたいと思われている方は、ぜひこのフレームワークの知識を十分に気を付けてくださいね。