近年、市場で多くの注目を集めているものが「D2C」というビジネスモデルです。
D2Cは、Direct to Consumerの略称であり、Directという言葉にあるように、顧客とブランドが直接繋がる仕組みが構築されています。
既存のビジネスモデルと比較すると、収益性が非常に高く、自由度の高い運営を実現しているのです。
D2Cは、製造から販売までを自社内で完結していること、世界観やストーリーの共感を誘うマーケティングであること、Webサイトの成長に繋がる投資システムであることが特徴です。
そして近年、プロダクトライフサイクルが速くなっており、よりスピーディな企業経営が求められるようになっています。
ですので、実現のスピードを高めるためには、ビジネス戦略に合わせた戦略人事の必要性が高まってきているのです。
そこで今回は、D2Cビジネスでの戦略人事の必要性と実行ステップについて、詳しくお話させて頂きたいと思います。
より効率よくD2Cビジネスを進めたいと思われている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
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戦略人事とは、戦略的人的資源管理のことであり、経営戦略を実現するため、経営資源のヒトとモノとカネと情報を最大限に活用するマネジメントです。
従来までの人事であれば、それぞれの部門の異動や体制が決まった後、人事からの発令や異動手続きを行います。
そして採用に関しては、人材要件にあった人材を獲得するための採用ブランディングや母集団形成、前半までのプロセスを担当し、そして後半ではそれぞれの事業責任者を決定します。
その一方で戦略人事では、ビジネス戦略の実現に最適な人材要件を定義し、その実現に向けた人事戦略を計画し、実行します。
なぜ戦略人事が注目されているのか、それはビジネス環境の変化が緩やかだった時代では、経営者自身が経営戦略を打ち出していくことが一般的であり、人事部門はあまり関与していませんでした。
ですが変化の激しい今の時代、市場での優位性を確保するためには、変化に対し柔軟に対応することができるスキルと知識、そして経験を獲得することが重要です。
これを間違えてしまうと、経営戦略の実現が十分にできず、時代のニーズに乗り遅れ、競合他社に遅れを取ってしまうことになり、この遅れこそ今の時代では致命的になってしまうのです。
このような状況になってしまわないため、人事が積極的に経営を理解し、企業が向かっている方向にベクトルを合わせなければならないのです。
まず最初に、自社は社会に対してどのような価値を与える存在であるのか、ということをしっかり理解しなければなりません。
これを理解し、軸とすることができる人こそ、企業が持つビジョンとミッションを実現し、成功させることができるのです。
D2Cビジネスを成功させるために、企業がどのような戦略を取るのか、ということを明確に理解しなければ、その業務にどのような人材が必要であるかが分かりません。
どの業務にはどのような人材が適しているのか、ということを企業的に判断するためにも、戦略に対する理解度が重要です。
ビジネス戦略に沿って、フェーズごとに必要となる人材や企業の状態を想定しなければなりません。
D2Cビジネスは、中長期的な視点が非常に大切であるからこそ、ビジネスに合った中長期的な人事計画が重要です。
企業として、最適な人材配置を実現するための、正規雇用だけではなく、業務委託や既存従業員の配置転換などを行います。
業務効率化にはどのような人事が最適であるか、従業員の満足度を高めるにはどのような配置が適切であるのか、ということをしっかり考えて策定しましょう。
この段階で、もし自社のビジネス戦略に最適な人材を獲得できていたとしても、その人材が機能する制度や仕組みが十分に整っていなければ、せっかくの能力を最大限に活かすことができず、無駄にしてしまう場合があります。
このような状況を絶対に避けるためにも、自社組織での開発戦略を明確に、そして確実に策定しましょう。
以上、D2Cビジネスでの戦略人事の必要性と実行ステップについてお話させて頂きました。
現代の労働力人口の減少、そして人材流動化の加速、ビジネス判断のスピード化などにより、人事部門の位置付けが変わってきているからこそ、厳しいビジネス競争に打ち勝っていくためには、ビジネス視点のある戦略的な人事体制と人事施策が重要です。
特にスタートアップのD2Cブランドは、初めの人事戦略が非常に重要になりますので、必要性をしっかり理解して、戦略人事へのステップを確実に踏んでくださいね。