D2Cビジネスで知っておくべき「IPO」のメリットとデメリット

今日本国内で、D2Cというビジネスモデルが大きな盛り上がりを見せています。

D2Cは、自社内で商品の企画や製造、販売を行い、仲介業者を介すことなく直接顧客に商品を販売する仕組みです。

デジタルネイティブ世代が増加し、時代が進むにつれて消費者のニーズや消費そのものの考え方が大きく変わり、モノ消費ではなくコト消費へシフトしていること、そしてサプライチェーンが進化していることが、D2Cビジネスが普及している背景として考えられるでしょう。

D2Cビジネスを行う企業にとっての目標の一つとして「IPO」が挙げられるでしょう。

IPOは株式を上場させる企業、そして事業主にとって非常に大きなメリットがあるのですが、デメリットもしっかり理解した上でメリットを得なければなりません。

そこで今回は、D2Cビジネスで知っておくべき「IPO」のメリットとデメリットについてお話させていただきたいと思います。

今後D2CビジネスでIPOを目指したいと思われている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

IPO

IPOとは、Initial Public Offeringの略称であり、株式会社が株式を証券取引所で自由に売買をすることができる上場と同じ意味合いで使用されます。

上場していない企業は、未公開企業と呼ばれ、厳しい審査をクリアして上場し、公開企業になるのです。

私たちの身近な例で考えると、小売店でモノを購入する場合、小売店が消費者の代わりに商品を仕入れ、店舗を通じて消費者に提供するという流通システムがあるからです。

これと同じように、株式市場も小売店のような存在である「証券取引所」が設けられており、そこで自由に株式を売買することができるのです。

IPOのメリット

IPOでの最も大きなメリットは、多額の資金調達を行うことができるということでしょう。

増資により、新株を発行することができますので、株式市場からの資金調達を行うことができます。

そしてその調達した資金をもとに、ビジネスを急成長させることができるのです。

二つ目のメリットは、知名度が向上することです。

企業が上場すると、自然と知名度が向上しますので、上場企業として社会から信頼を得ることができます。

信頼を得ることができるようになると、結果的に新規契約者数の増加や、取引先からの見られ方、そして取引条件にも良い影響を与えるでしょう。

三つ目のメリットは、人材採用力が向上することです。

知名度の向上と同時に、自社企業のことを知ってもらう機会が多くなり、さらに上場していることで信頼度が高くなり、より良い人材が集まりやすく、レベルの高い人材を配置しやすくなります。

四つ目のメリットは、モチベーションが向上することです。

上場するまでは、企業を上場させたいという一つの大きな目標が現れ、従業員に対してもストックオプションを付与することで、企業の業績を上げようとする姿勢になり、今まで以上に従業員のモチベーションが高まることが期待できます。

IPOのデメリット

IPOのデメリットは、上場が行われた場合、どうしても社会や株主から、企業の業績の維持や継続的な向上が求められ、常にプレッシャーをかけられていることでしょう。

企業としても、このプレッシャーに応えようと急いでしてしまうと、短期的な結果を求めてしまう傾向にあり、そうなると本来の企業のビジョンから大きく離れてしまうことがあるのです。

そして、上場準備には多くのコストがかかってしまうことも忘れてはいけません。

もちろん企業の規模にもよりますが、最低でも数千万程度は必要であるとおぼえておきましょう。

絶対的に必要なコストは、監査報告書の作成を行う監査法人に対する報酬、そして証券会社の引き受け指導料などの費用、管理部の強化や各種社内機関の設置などの社内コストです。

そもそも資金が足りていなければ、上場することはできないのです。

また、買収されるリスクがあることも理解しておきましょう。

上場することによって、株式市場を通して自社の株が自由に取引されるようになり、上場前のように自社にとって良い株主のみを選定する、というわけにはいかないのです。

時には不都合な相手に株が渡り、会社そのものを買収されてしまう、という恐れがあるのです。

まとめ

以上、D2Cビジネスで知っておくべき「IPO」のメリットとデメリットについてお話させて頂きました。

IPOに関しては、しっかりメリットとデメリットを理解し、自社ビジネスや自分自身が上場に向いてるかどうか、ということをしっかり考えなければなりません。

上場することによるメリットは非常に大きいのですが、それと同じようにリスクとなってしまうデメリットも理解しなければなりません。

本当はIPOに向いていない企業が上場してしまうと、結局意味がなくなってしまったり逆効果になってしまう可能性がありますので、ぜひ自社の現状をしっかり理解して、正しい判断をし、より効率よくD2Cビジネスを行ってくださいね。