短期間でビジネスをグロースさせる、D2Cというビジネスモデルが話題になっています。
D2Cとは、Direct to Consumerの頭文字を取った略称であり、消費者と製造者が直接取引を行う仕組みになっています。
もともとはアメリカで発祥し、主にアパレルやコスメなどの分野で用いられており、今後もさらに小売業界に普及することが予想されているのです。
D2Cビジネスを行う上では、常に法律の動向には敏感でなければなりません。
そして今まさに注目すべき法律は、2022年の4月に施行される「改正個人情報保護法」です。
今後より長くビジネスを行うためにも、改正後の法律を理解しておくことは欠かせません。
そこで今回は、4月施行予定、改正個人情報保護法のD2Cビジネスへの影響について、詳しくお話させていただきたいと思います。
今後D2Cビジネスを行う上で、法律の知識をしっかりつけたいと思われている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
Contents
個人情報保護法は2003年に制定された当初は、分野ごとに主務大臣が分かれていました。
ですが2015年の改正により、行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律に基づき、特定個人情報保護委員会が設立されました。
これは現代では個人情報保護委員会なのですが、これにより、個人情報保護法を所管することになり、解釈が統一化し、スムーズに国際対応も行われるようになったのです。
この時期の国会審議の附則として新たに、「今後3年毎に見直す」というルールが設けられ、2020年の6月に二度目の改正が行われ、そして2021年の5月には、デジタル社会形成整備法の一部として、三度目の改正法が成立しているのです。
D2Cを含むEコマースに非常に関係性が深いのは、2022年4月に施行される個人情報保護法の改正なのです。
Eコマースで個人情報を取得する場合は、基本的に顧客から注文を受けた場合ですよね。
ここでのルールは、利用目的を特定し、通知、もしくは公表する、ということです。
このルール自体には特に変更はないのですが、利用目的の特定として求められる水準はどんどん厳しくなっており、顧客に分かりやすいものでなければなりません。
D2CビジネスでのECサイトなどでは、「プライバシー」「ポリシー」「個人情報の取り扱い」などのページが設けられ、顧客の個人情報の利用目的をあらかじめ公表することが多いでしょう。
個人情報保護法上では、個人情報取得の際の状況から見て、商品発送や代金決済のような、明らかに当たり前の利用目的がある場合は通知や公表は必ずしもする必要はありません。
購買履歴や閲覧履歴の情報分析や、広告表示など、商品を購入する顧客にとって当たり前でない利用目的に関しては、出来る限り詳細に記載しておきましょう。
特に注意しなければならない個人情報取得は、人種や病歴、差別などに繋がる可能性のある要配慮個人情報であり、原則として取得自体が近似されています。
今までは、特に個人情報保護法に関する制限はなかったものの、違法又は不当行為を助長したり、誘発する恐れのある方法により個人情報を利用してはならない、と定められました。
実際のガイドラインでは、暴力団の要求に応じて対応担当者の名簿を渡すなどの行為が禁止されています。
ECの普及に伴い、個人情報の利用が拡大する中で、どれが個人の権利利益の侵害に繋がるのか、ということが指摘されるようになり、個人情報保護法においても、どのようにすれば法に遵守したと言えるのか、ということを第三者からの視点でも判断することができる行為の規制に留まらず、実質的な判断を伴う規律を置く必要があるのでしょう。
その時の社会通念によって、何が不当であるのかは異なってくるのですが、今後もさらに拡大するであろうD2Cビジネスでも、環境や社会状況の変化に注意して、正しくビジネスをすすめなければなりません。
以上、4月施行予定、改正個人情報保護法のD2Cビジネスへの影響についてお話させていただきました。
今回は、個人情報の取得と利用についてお話させて頂きましたが、その他にもさまざまな点が改正され、より厳しくなっていきますので、しっかり個人情報保護法を理解し、それに基づいたビジネスを行わなければなりません。
D2Cビジネスは今注目を集めているビジネスモデルであるからこそ、今の時代の為に改正された法律は知っておくべきことでしょう。
ECビジネスにおいて個人情報をしっかり正しく管理することは、顧客からも非常に求められていることですので、もしまだ改正後の変化点を確認することができていない、という方は、ぜひこの機会に自社D2CビジネスのECサイトを確認し、正しく記載してくださいね。