D2Cビジネスにおいて重要な「LTV」と「アカウントベースドマーケティング」

企業や顧客が小売店や流通業者を介すことなく自社サイトで消費者の直接商品を販売するD2Cビジネスが今、最も話題になっているビジネスモデルです。

D2Cブランドの特徴と言えば、世界観を伝えるブランド設計になっていること、ユーザーへ利益還元をすることができること、SNSインフルエンサーの拡散力に期待できることでしょう。

特に今の時代、消費行動が大きく変化しているため、D2Cビジネスが大きく急成長を遂げているのです。

D2Cビジネスのマーケティングの際、さまざまな施策を行うかと思いますが、LTVの概念、そしてアカウントベースドマーケティングこそ、欠かせないものであることをお分かりでしょうか。

そこで今回は、D2Cビジネスにおいて重要な「LTV」と「アカウントベースドマーケティング」についてお話させていただきたいと思います。

D2Cビジネスを成功させたいと思われている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

「LTV」とは

LTVとは、Life Time Value(ライフタイムバリュー)の頭文字を取った略語であり、生涯顧客が企業にもたらす価値を意味しており、顧客が商品やサービスに使う金額の総額を意味しています。

日本のビジネスでは、「顧客生涯価値」という言葉を用いられることも多いので、目にされたことがある方も多いでしょう。

LTVが注目される背景には、企業が業務効率化し、収益を最大化しようとする流れ、そしてマーケティングにおいて重要である顧客購買履歴や顧客コミュニケーションを管理するCRMシステムと相性が良いことが上げられるでしょう。

LTVが登場するまでは、企業がいかにその市場でシェアを占めることができるか、ということに注力していたのですがLTVは市場ではなく、自社商品で顧客の生活をいかに占有するか、ということに注力します。

つまりシェアに対する捉え方へ変化させた概念だと言えるでしょう。

LTVを向上させるためには、企業から顧客に向けての一方的なコミュニケーションではなく、顧客それぞれに合わせたコミュニケーションこそ必要だということが基本の考え方になっているのです。

LTVを算出するためには、「購買単価×購買頻度×契約継続期間」を計算します。

つまり、LTVを向上させたいのであれば、購買単価を上げる、購買頻度を高める、契約期間を長期化する、という方法があります。

これらをどうすれば良いのか、ということを考えることこそ、マーケティングなのです。

「アカウントベースドマーケティング」とは

LTVを向上させるためには、企業が主体となるビジネスではなく、顧客が主体となるビジネスを行う必要があります。

どうすれば顧客が満足するのか、喜んでもらえるのか、というLTVの考え方をもとに行われているマーケティング活動が、アカウントベースドマーケティングなのです。

アカウントベースドマーケティングは、既存顧客と新規顧客の見込みとなる顧客データをもとに、ターゲットを絞り、そこにしっかり営業をかけて、売上の最大化を目指す戦略のことを言います。

アカウントベースドマーケティングの場合、機会損失をしないよう、CRMを導入して企業が統合し、一元管理をすることが必須になります。

アカウントベースドマーケティングを行うことで、あらかじめターゲットを絞った上での行動ができますので、コストの無駄の削減、そして営業活動の効率化を図ることができるでしょう。

さらに問題点や改善点も浮かびやすい状態にすることができるので、PDCAを高速で回すことができるという点もメリットですね。

ですが、企業戦略ロして導入しなければ、売上の最大化には繋がりにくいですし、マーケティングと営業との間に強い信頼関係が必須になりますので、その点においては注意が必要です。

基本的に日本のビジネスは、現場スタッフからの提案をもとに、徐々に職位の高い人につないでいき、最終トップの人間に提案を行い了承を得るという「ボトムアップ型」の経営を行っている場合が多いのです。

アカウントベースドマーケティングでは、個々の企業に対して多くの接点を持つことで効果が上がりますので、日本のボトムアップ型の企業にとっては非常に有効であると言えるでしょう。

まとめ

以上、D2Cビジネスにおいて重要な「LTV」と「アカウントベースドマーケティング」についてお話させていただきました。

D2Cビジネスは、まだ日本に来て歴史の浅いビジネスモデルでありながらも、今導入する企業がどんどん多くなっており、今後さらに市場を拡大していくことが考えられます。

競合企業に負けてしまわないよう、ビジネス開始当初から顧客視点を持ち、LTVとアカウントベースドマーケティングをもとにしたD2Cビジネスを行ってくださいね。