近年、ECがますます注目される中、D2Cという新しいビジネスモデルも主流になってきています。
D2Cとは、Direct to Consumerの略称であり、消費者に直接商品を販売するビジネスモデルです。
従来までであれば、「メーカー→卸→小売」という流れが一般的だったのですが、商品やサービスを自社Webサイトを通じて直接販売し、SNSなどで顧客と直接コミュニケーションを取り、販促活動と行うなど、すべてをデジタルで完結するということが一般的になってきているのです。
D2Cブランドがどんどん多くなり、D2C市場も拡大し続けているので、これからD2Cビジネスを始めようと思われている方もいらっしゃることでしょう。
「D2Cビジネスには社外取締役が必要」と言われていることを耳にされたことがある方もいらっしゃるかと思いますが、なぜ社外取締役が必要だと言われているのでしょうか。
そこで今回は、D2Cビジネスでは社外取締役が必要と言われている理由について、詳しくお話させていただきたいと思います。
これからD2Cブランドを立ち上げようと思われている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
会社法にて、上場企業では独立社外取締役を少なくとも2人を選任しなければ、株主への責任説明が生じると定められています。
だからこそ、多くの企業はこの会社法に従い、社外取締役を登用しているのですが、取締役会での決定事項に対する監視や監督の役割を重視していることが多いのではないでしょうか。
社外取締役はその名の通り、社外から迎え、企業には利害関係のない人物のことです。
つまり、社内から昇進した人材ではなく、関係のない他社から選任しますので、社内からの影響力が及ばない立場からの客観的なガバナンスの監視や監督をする役割が期待されています。
社外取締役は、会社法に規定されている要件などを満たす必要があり、上場企業では社外取締役の選任が義務化されているのです。
社外取締役は、会社との利害関係がありませんので、経営状態に対する監視役としての役割を期待することができるでしょう。
利害関係を意識した経営は、もし不祥事などがあった場合には、目を背けてしまう可能性があります。
実際にも不祥事を起こしてしまった企業に、社外取締役がいなかった、という例もあるのです。
社外取締役を登用することで、経営を客観的に見ることができますし、些細なことでも指摘してもらうことができますので、経営の透明性が向上し、不祥事の防止に繋げることができるでしょう。
取締役が社外であるからこそ、その企業の慣習や人間関係に縛られることがありませんので、新しい発想や変化を求めるために、新しく社外取締役を登用するケースも多くなってきています。
自社内では思いつくことができなかった情報や知識を得ることができますし、今の取締役を含めて、企業全体としての知識や経験の幅を広げることができ、今現状の改善点や、新しいプロダクトに関するアイデアを得ることができる場合があります。
海外の機関投資家は、かなり広範囲に投資を行っていますので、日本の投資家のように、投資した企業の経営状態を常にチェックしていません。
だからこそ、社外取締役という「経営を監視する」という役割を持つポジションがある企業の方が投資しやすいと考えるのです。
実際にもアメリカの上場企業の取締役の大半以上が社外取締役である場合が多いのです。
D2Cビジネスにおける社外取締役の意義は、D2C事業者と投資家の利害関係を一致させることです。
これは多くのD2Cブランドの場合、ベンチャーキャピタルから社外取締役が派遣される場合が多いからです。
ベンチャーキャピタルから派遣されたということは、その企業に求めるものは、企業価値が向上することによって得られる利益でありますので、そのために投資家から評価を上げるためにも、必然的に客観的な意見を発信していくでしょう。
つまり、単なる外部のアドバイザーではなく、株主の代表としての役割を持ちますので、ビジネスを確実に進めるためにも非常に重要なポジションになるのです。
以上、D2Cビジネスでは社外取締役が必要と言われている理由についてお話させていただきました。
社外取締役は、当然敬遠の視座を持ち、経営に近い経験を持っている人材でなければ、務まるものではありませんので、企業の成長のためにも、妥協せずに最適な人材を社外取締役として登用することが大切です。
今後さらに競争が激しくなるD2Cビジネスだからこそ、ぜひ社外取締役の登用に注力し、より効率の良いビジネス戦略を考えていきましょう。