D2Cビジネスが実店舗を必要とする理由とは

今、企業と顧客との間に新しい関係性を作っていると言われている、D2Cビジネスモデル。

海外だけでなく、日本でもD2Cビジネスが注目されています。

ブランドや企業自らが商品の企画や製造を行い、企業独自の販売チャネルを設け、顧客に直接商品を販売する仕組みです。

ここ数年でアパレル業界や美容業界を中心にD2Cビジネスを展開する企業がどんどん多くなってきています。

D2Cビジネスを行うことで、ビジネスの内容をすべて自社内で担うことができること、そして自由度が高いので変化することができるポイントが多いこと、顧客からのフィードバックを得やすい環境にあるので、PDCAを素早く回すことができることが特徴として挙げられるでしょう。

D2Cビジネスは、主にデジタルネイティブを対象としているので、主戦場はオンラインですよね。

ですが、D2Cビジネスを展開するブランドが多くなってくるにつれて、実店舗こそ重要な役割を担っていることが分かってきたのです

そこで今回は、D2Cビジネスが実店舗を必要とする理由について、詳しくお話させていただきたいと思います。

今後D2Cビジネスの展開を検討されている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

D2Cビジネスには実店舗が必要

D2Cビジネスを考えていくと、実店舗を展開することで、コストがかかってしまうのでは、と思いますよね。

ですが、もし自社D2Cブランドの売り上げが数億円を超えるような場合、ブランドそのもののネームバリューもありますので、オンラインのみで苦国を配信し、集客を行うよりも、実店舗などのオフライン上で顧客を獲得するほうが効率が良いと考えられますよね。

また、実店舗を展開しオフライン環境を整えることでその環境下で得た顧客のほうが、顧客維持率が向上しやすく、LTVも高い傾向にあるのです

ポップアップストアにおいても、ポップアップに訪れて自社のファンになった顧客はリピーターに育成しやすく、実店舗でも顧客とより深い交流をすることができますので、実店舗の存在こそD2Cビジネスが変化を見せるポイントになるのです。

ですがD2Cビジネスはデジタルネイティブのビジネスモデルであるからこそ、実店舗を構えること自体が容易いことではありません。

苦労して店舗の物件が決まったとしても、内外装のデザインを決め、設備を整えることも大変な作業です。

D2Cビジネスの発祥地であるアメリカでは、このような課題を解決するために、D2Cビジネススタートアップサービスを提供する企業もどんどん多くなっています

D2Cビジネスが実店舗を構えるうえでのサポートサービス

もちろん、D2Cブランド独自で店舗を構え、試行錯誤しながら実店舗を構えることも良いのですが、初心者の方であればどうしても難しくなってしまうでしょう。

そんなスタートアップ企業のために、D2Cブランドをサポートするサービスもどんどん多くなっているのです。

たとえば「Uppercase(アッパーケース)」は不動産仲介業者ではありますが、ただの不動産仲介業者ではありません。

不動産や内装、デザイナーと連携し、そのD2Cブランドの業種やターゲットとしているユーザー層などの数多くのデータを分析し、どのエリアのどの物件に実店舗を構えると良いのか、などのコンサル業務も行っているのです。

さらに、契約や保険、支払ういなどの法務的な手続きもサポートしてくれう、それぞれの企業のコストに合わせた案を提案してくれるので、無駄がないということも魅力的なポイントですね。

実店舗を構える国内D2Cブランド

「Her lip to」

Her lip toは、小嶋陽菜さんがプロデュースする、女性アパレルブランドです。

これまでに新宿、伊勢丹、青山で期間限定のポップアップストアをオープンしているのですが、このポップアップストア期間がかなり短いことが特徴でした。

なぜ短い期間に集中したのか、それはHer lip toが実店舗を構えて売り上げを伸ばすというよりも、イベントとしての要素を重視していたことが分かります。

売り切れの商品が多数あったりと、セールス的視点からみてもかなり成功を収め、将来的に実店舗を構えるとなった場合の調査も行えたことでしょう。

「overE」

overEは実店舗D2Cアパレルブランドであり、試着専門のサロンとして展開されています。

胸が大きい女性であってもすっきりと綺麗に着こなせるアイテムをメインとして取り扱われており、体型に関わらずにファッションを楽しむことを提案しています。

アイテムを着用した時のシルエットを何よりも重視していますので、overEの試着専用サロンは非常に重要な役割を担っています。

試着専用サロンはあくまでも試着を目的としていますので、販売は行っておらず、試着をした上でオンラインショップで商品を購入する仕組みです。

全国各地でポップアップストアも展開し、顧客とのコミュニケーションを重視していますので、参考になるのではないでしょうか。

まとめ

以上、D2Cビジネスが実店舗を必要とする理由について、詳しくお話させていただきました。

このように、D2Cビジネスはオンラインから広がったビジネスモデルではありますが、ビジネスが拡大するに連れて実店舗が重要な存在になってくるのです

今後もさまざまな実店舗を運営するD2Cブランドが多くなってくると考えられますので、ぜひこの機会にD2Cビジネスにおける実店舗の重要性を考えてみてくださいね。