近年、市場でD2C(Direct to Consumer)というビジネスモデルが注目を集めています。
D2Cでは、企業と顧客が直接繋がる仕組みが構築されており、既存のビジネスモデルと比較すると、収益性と自由度が高いビジネスを行うことができるのです。
製造から販売までの全てを自社内で完結している、ということがD2Cビジネスのポイントです。
独自の世界観やブランドストーリーへの共感を誘うマーケティングであり、顧客に自社ブランドの魅力を共感してもらうことで、ブランドのファンになってもらい、そこから商品購入へと繋げていきます。
D2C市場が拡大する中で、SDGsを進める必要性も高まってきており、今後D2Cビジネスを急成長させたいというブランドも、サステナビリティへの取り組みについての情報開示に対する関心度や緊急度が高まってきているのです。
サステナビリティの戦略策定や、気候関連財務開示タスクフォースに関する内容など、サステナビリティに関する取り組みに注力することで、企業の中長期的価値が向上するのです。
そこで今回は、D2CビジネスでSDGs推進ステップと知っておくべき落とし穴について、詳しくお話させて頂きたいと思います。
今後より効率よくD2Cビジネスを成長させていきたいと思われている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
Contents
SDGsに取り組む際、さっそくHow toにフォーカスする企業が多い傾向にあるのですが、How toから取り組んでしまうと、小さな取り組みに留まってしまう傾向があります。
それよりもまずは、なぜサスティナビリティを推進するのか、という理由を明確にし、現在の状況を再確認していきましょう。
また、サスティナビリティの推進は、本質的に経営層が関わる内容であるからこそ、確固たる理由がなければ難しくなってしまうので、サスティナビリティの推進が成功するかどうかは、役員を含めて推進できるかどうか、ということにかかってくるのです。
どのように進めていくのか、ということを企業内で協議を行っていきましょう。
企業文化に合わせてトップダウンなのか、それとも連携しながら進めるべきなのか、ということを関係者全体で話し合って決めていきましょう。
実際にビジョンを作成することは非常に重要です。
自分たちにとって、サスティナビリティ分野の重要課題は何か、ということを特定し、一度長期ビジョンを作成しましょう。
長期ビジョンをもとに、短期/中期の目標の設定を行っていきましょう。
そして、形が整い次第、企業内と企業外へ情報発信するための施策を練っていきます。
また、SDGsを主管する組織作りに課題を持たれる方も多いかと思いますが、その実態は専門の推進部を作っていない企業が多く、最初から組織を作っている企業が少ないということです。
まずは経営会議や取締役会と直接コミュニケーションを取ることができる部署が前に立ち、動いていきましょう。
IRや広報などを中心部署とする場合もあります。
また、フェーズが進むにつれて、財務的なインパクトを測定しなければなりませんので、財務部や主計部を組織の中に入れておくこともおすすめです。
SDGsを推進するに当たってよくある落とし穴は、我流で取り組もうとすること、現実的な目標に辿り着いてしまいがちであること、CSRの延長だと間違った思い込みをしていること、目標の方針や情報開示のレベル感が分かっていないことがあるでしょう。
サスティナビリティの取り組みを行う上では、いきなり外部の手法に当てはめるのではなく、企業内でフレームワークやシステムをしっかり理解した上で、当てはめていくことが重要です。
ビジョンとフレームワークの両軸をしっかり整えましょう。
また、ビジネスプランを考案する際、サスティナビリティは長期でビジネス計画を考えますので、フォアキャスティングで思考するのではなく、バックキャスティングの要素を加える必要があります。
従来までの思考から、逆算思考への転換が求められているのです。
また、日本企業は情報の完璧性を追求する傾向にあるのですがそもそもサスティナビリティは目まぐるしいスピードで日々アップデートされますので、過去のエビデンスから全てを照明することはできません。
だからこそ、スピードと質のバランスを取りながら、情報開示までを進めていかなければならないのです。
以上、D2CビジネスでSDGsを推進ステップと知っておくべき落とし穴についてお話させて頂きました。
サスティナビリティやSDGsへの取り組みは、すぐに行わなければビジネスに支障が出る、というわけではないのですが、これらに対する対応をおざなりにしてしまうと、あっという間に競合他社に差を付けられてしまう可能性があります。
今後さらに拡大することが予想されているD2C市場であるからこそ、スピード感を持ち、繰り返し方向性を見直すことが重要なのです。
ぜひこれらを参考に、D2Cビジネスに活かしてくださいね。