D2Cビジネスにおいて知っておくべき「4E」とは

ここ数年でD2Cというビジネスモデルが大きな盛り上がりを見せています。

D2CとはDirect to Consumerの略称であり、ブランドやメーカー、企業が自社内で独自に商品を開発、製造し、その商品を消費者の元へ直接販売する、という仕組みのビジネスです。

直接消費者と取り引きを行いますので、従来まで必要であった仲介業者を介さない、ということが大きな特徴でしょう。

2000年後半頃から徐々にD2Cビジネスモデルを採用する企業が多くなってきて、今注目度が高まっています。

D2Cビジネスにおいては、マーケティングが必要不可欠になってくるのですが、従来までであればマーケティングのフレームワークと言えば「4P」である、と言われていました。

ですが、D2Cビジネスが主流になっているこの時代、消費者の消費形態はどんどん変化しており、それと共にマーケティングのフレームワークも4Pから新しいフレームワークへ変わりつつあります。

この新しいフレームワークこそ「4E」と呼ばれるものであり、現代のビジネス、そして消費者にフィットするように考えられています。

そこで今回は、D2Cビジネスにおいて知っておくべき「4E」について、詳しくお話させていただきたいと思います。

今後D2Cビジネスの展開を検討されている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

「4P」とは

4Eを理解するためにはまず、4Pについて知っておかなければなりません。

4Pとは4つのPから成り立つものであり、「Product(商品)」「Price(価格)」「Promotion(販売促進)」「Place(流通)」以上の頭文字から成る言葉です。

4Pが重視されていた時代は、企業が目指す価値の軸が同じであり、重視された観点を組み合わせたフレームワークが重要でした。

つまり、商品の品質の高さ価格の安さ販売チャネルの多さ販売の物量が重視されており、これらすべての要素が重なって、消費者の需要に繋がっていったのです。

ですが、時代の変化と共に、消費者の消費形態と企業の価値観の多様化し、重視されるマーケティングのフレームワークも変わっていったのです。

「4E」とは

4Pを踏まえて4Eを考えてみましょう。

4Eも4Pと同様に、4つのEからなる言葉であり、「Experience(体験)」「Exchange(交換)」「Evangelism(伝道)」「Every Place(場所)」以上の頭文字から成る言葉です。

Experience(体験)

ProductからExperienceへ、つまり商品から体験へ変わっています。

D2Cビジネスにおいては、クオリティの高い商品を販売することは大前提のこと、そこからさらに、質の高い体験も提供しなければなりません。

どれだけ商品そのものが良くても、そのブランドが提供する価値を含めた価値がなければ、消費者からはチープなモノだと考えられ、熱狂的なファンを作ることはできません。

商品が良いことだけでなく、体験に軸足を置くことが最重要なのです。

Exchange(交換)

PriceからExchangeへ、つまり価格から交換へ変わっています。

D2Cビジネスを求める世代は、若いミレニアル世代です。

ミレニアル世代が年々社会の中心になるにつれて、ミレニアル世代が求める「シェア」の概念が広がっており、シェアリングサービスは年々活発化しているのです。

このような価値の変化により、使用と所有の境界が曖昧になっているため、価格だけを提示される従来までの価格表示は、消費者から納得されにくくなっているのです。

今後もさらにシェアの概念が広がると考えられており、その中でその商品はレンタルであるのか、単品であるのか、無料お試し期間はいつまでなのか、その後は購入できるのか、それともずっとレンタルなのか、不随するサービスは何があるのか、というように、顧客が知るべき情報は非常に多くあります。

今の時代は価格だけでは情報不足で、「価値と対価との交換」を明確にし、顧客の不安要素を無くすためのコミュニケーションが重要なのです。

Evangelism(伝道)

PromotionからEvangelismへ、つまり販促から伝道へ変わっています。

今の時代は、ブランドや企業から消費者に向けて一方的な発信、販促だけでは商品が売れなくなっています。

顧客は企業からの販促よりも、影響力のある個人から信頼できる情報を見つけることが出来る環境にありますので、伝道を信じる傾向にあるのです。

成功している海外D2Cブランドを見てみると、いかに顧客との繋がりやコミュニケーションを重視していることが分かります。

ブランドと共謀者(顧客)との間には販促というものは存在せず、信頼に裏打ちされた「伝道」であると考えてよいでしょう。

Every Place(あらゆる場所へ)

PlaceからEvery Placeへ、つまり流通から、あらゆる場所へ変わっています。

4Pにはなく今の時代にあるものは「デジタル空間」ですよね。

まだまだEC化率としては低いものの、D2Cビジネスを行う上では、データドリブンなD2Cビジネスを行うビジネスを展開しなければなりません。

もし、オンラインとオフラインの双方で商品を展開する場合、多くの場所で顧客との接点を持ち、そこで最高の顧客体験を提供しなければなりません。

あらゆる場所をシームレスに捉える、という考え方が重要なのです。

まとめ

以上、D2Cビジネスにおいて知っておくべき「4E」についてお話させていただきました。

それぞれの要素はすべて重要なのですが、それぞれを個々で把握するのではなく、4つのEがすべて重要であることを理解しておきましょう。

D2Cビジネスにおいて、この4Eは非常に重要な考え方ですので、ぜひこの機会に知識を深めてくださいね。