海外のみならず、今日本でも大きな注目を集めているものが、D2Cビジネスモデルです。
D2Cとは、企業やブランド自らが商品の企画や製造を行い、独自の販売チャンネルを利用して、顧客に直接商品を販売するビジネスモデルです。
このような直販型ビジネスモデルは過去にも存在していたものの、ここ数年アパレル業界や美容業界を中心にD2Cビジネスが非常に多くなってきているのです。
D2Cビジネスについて学んでいると、ECとの違いがよくわからない、という方も多いのではないでしょうか。
D2CとECを見ると、言葉は違うものの同じようにECサイトを用いて顧客に商品を販売しますので、結局は同じではないのか、と思ってしまいますよね。
ですが実際、D2CとECは同じ意味を持つ言葉ではありません。
D2Cビジネスを行うためには、この違いを知ったうえでしっかりと成功までの道筋を立てなければならないのです。
そこで今回は、従来までのECビジネスと今のD2Cビジネスとの違いについて、詳しくお話させていただきたいと思います。
今後D2Cビジネスの展開を検討されている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
なぜD2CとECが同様の意味として捉えられてしまうのでしょうか。
それを解決するためには、それぞれの言葉の定義を理解しなければなりません。
まずECとは、Electronic commerce(エレクトニックコマース)の略称であり、日本語には電子商取引と訳され、インターネットを経由している取引を意味します。
そしてD2Cとは、Direct to Consumerの略称であり、ブランドとしての世界観をしっかり構築し、重要視しつつ、顧客に商品を直接的に販売するフレークワークのことを言います。
こう見ると、D2Cでの販売は電子商取引も意味していますので、ECとD2Cを比較してみると、言葉の定義が重複していることが分かります。
これが理由になっているのでしょう。
D2CとECの定義を理解すると、これらははそもそもが違いますので、違いを挙げるときりがないのですが、それでも絶対的に異なる点として顧客視点にに立った「提供価値」着目してみましょう。
従来までのECで求められていたものと言えば、商品の機能的価値です。
だからこそ、「この商品にはこんな機能が備わっている」ということを顧客に訴え、アピールすることで購入を促し売上に繋げていました。
商品を販売する上ではもちろん、この機能性を訴求することは非常に重要なのですが、それが最重視されていたのは、モノを欲していた時代だからです。
今の時代はモノが溢れている時代であるからこそ、機能的価値のみを追求して訴求することは限界があることでしょう。
その一方、D2Cビジネスがブランドの場合、世界観を重視するというと「情緒的価値」が重要になってくるでしょう。
D2Cブランドを利用するユーザーは、機能的価値に魅力を感じることはもちろんですが、それと同時に情緒的価値を求めています。
このように顧客に対する提供価値に注目することで、従来のECは機能的価値を重視していた、そしてD2Cは情緒的価値を重視している、という大きな違いがわかるでしょう。
D2Cビジネスで成功しているブランドと言えば、コスメを提供しているGlossierが挙げられます。
Glossierがビジネスに成功した要因は、コミュニティを設置し、顧客と直接的な対話を実現したことでしょう。
従来までのコスメブランドと言えば、いかの自社商品を使用すれば良いか、ということを全面的にアピールして商品販売を行っていました。
ですが、Glossierの場合、創業者自身がSNSを活用して顧客の声を聞き、そしてそれに自身で返信をし、顧客と積極的にコミュニケーションを取っていたのです。
顧客の声をしっかり聞き、それを反映させ新商品の開発や既存商品の改善に役立てるたという、商品づくりの姿勢が人々に受け入れられ、結果的にかなり多くのファンを獲得することができたのです。
このように、顧客と直接的に対話をするためにはSNSの活用を欠かすことができません。
従来までのECビジネスのように、一方的に顧客に情報を発信するのではなく、D2Cビジネスでは顧客との「対話」を大切にしなければならないのです。
以上、従来までのECビジネスと今のD2Cビジネスとの違いについて、詳しくお話させていただきました。
D2Cビジネスには多種多様な成功の形がありますので、従来までのECと現代のD2Cでは何が違うのか、その本質は何なのか、ということをしっかり理解しなければなりません。
ぜひD2Cビジネスを始める前に、しっかりとビジネスに適したマーケティングやブランディング戦略を考え、多くの人から支持されるD2Cブランドを創ってくださいね。