メールマガジン(メルマガ)は、一昔前のマーケティング手法と捉えられており、新しいビジネスであるD2Cではあまり受け入れられないようなイメージを持つ人が多いようです。
しかし、メルマガには、メルマガの良さがあり、うまく活用すれば高い効果が期待できるのです。
実際に、D2Cブランドでも、メルマガを活用し、顧客の支持を得ることに成功しているケースが出ているのです。
そこで今回の記事では、D2Cにおけるメルマガの重要性について説明したいと思います。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
メルマガは、メールマガジンの略称で、メールマーケティングの手法の一つです。
企業やブランドが、顧客に向けて一方的に配信するメールサービスであり、顧客自身が購読を希望した場合にのみ配信されます。
企業やブランドから、強制的に配信されることはないですが、顧客が自らが解約するまでは継続して配信される仕組みとなっています。
このメルマガには、いくつかの目的がありますが、従来主となっていたのが、商品の情報やセールやキャンペーンの告知です。
現在でも、販売を促進する目的でメルマガを配信しているECは多く、そのために、メルマガを購読しなくなると言うケースも増えているのです。
しかし、D2Cの場合、メルマガを販促目的としているケースはあまりありません。
D2Cブランドは、商品数が少ないことが多く、場合によっては1種類しか扱っていないブランドもあります。
また、そもそも商品を売ることよりも、顧客とのコミュニケーションを重要視しているため、メルマガにおいても、顧客が喜んでくれることを第一に考えているブランドが多いのです。
もちろん、D2Cブランドの中にも、商品の宣伝を目的としてメルマガを配信しているケースはありますが、D2Cブランドを選択する顧客の多くは、そのようなあからさまな宣伝に好意的でないことが多く、思うような効果は得られていないのです。
このようなことから、D2Cでメルマガを配信する場合、顧客が求めている情報を提供することが望ましいと考えられます。
従来では、このような情報をメルマガで配信するのは、難しい面もありました。
特に、商品数が多いECの場合、ターゲットの幅が広く、どの情報がメルマガの読者全員に役立つのかを判断することが困難なのです。
一方、D2Cは、ブランドの世界観やコンセプトがはっきりとしており、ターゲットも絞り込まれているため、顧客が求める情報が見えやすいのです。
そのため、多くの顧客に役立つ情報を的確に届けることが可能なのです。
例えば、基礎化粧品のD2Cブランドの場合、顧客の多くは、どの成分がどのように肌に良いか、食事が肌に与える影響など肌に関する情報を求めていると考えられますし、サプリメントを扱うD2Cブランドの場合、栄養素がどのような働きをするか、病気を防ぐための食事など健康に関する情報を求めていると考えられます。
D2Cブランドは、特定のジャンルに特化していることが多く、このように役立つ情報を提供しやすいのです。
そのため、メルマガにおいても、顧客の役に立つ情報を提供する事を目的とすることが求められるのです。
また、D2Cブランドの顧客は、ブランドの理念やストーリーに共感し、ブランドのファンとなっていることが多く、従来のECの顧客とは異なる価値観を持っています。
そのため、メルマガに対しての考え方も大きく異なるのです。先ほど述べたように、顧客に役立つ情報を提供することは、D2Cのメルマガにとって重要なことではありますが、それだけではD2Cブランドの顧客を惹きつけることはできないのです。
D2Cブランドの顧客は、ブランド側が顧客との繋がりを大切にするように、顧客の側もブランドと繋がることを大切なことと考えています。
そのため、ブランド内部のことやスタッフ個人のこと、メルマガの書き手のプライベートなことなど、繋がりを強く感じさせるような内容も好まれる傾向があるのです。
そして、最も重要となるのが、世界観やイメージを壊さないようにする事です。
メルマガで顧客に役立つ情報を提供し、顧客とのつながりを強くするのは良いことですが、ブランド世界観やイメージを重視することも必要なことなのです。
具体的には、世界観を伝える写真などを多く配置する、販促のためのリンクやクーポンなどは極力設けないなどの配慮が必要となるのです。
つまり、D2Cにおけるメルマガは、これまでECで配信されていたメルマガと同じように考えるのではなく、あくまでも、顧客と繋がる場所であり、世界観を伝える場所であると考えるべきであるのです。
メルマガは、メールマーケティングの手法として、以前より多くのECが活用してきた手法です。
現在では、メルマガを読んでくれない顧客が多く効果が薄いなどと言われることも多く、実施していないECも多くなっています。
しかし、顧客がメルマガを読んでくれないのには、あからさまな宣伝が多いなど、それなりの理由があるのです。
この点を、気を付けて活用していけば、今でも、メルマガは、顧客にメッセージを発信する機会としては有効ではありますし、実際に、メルマガによって顧客の支持を得ているECも意外と多いのです。
ECを軸とするD2Cにとっても、これは同様であり、顧客との接点として重要なポイントとなり得るのです。