サブスクリプション成功事例から見る、カスタマーサクセスの重要性

数年前までであれば、消費者にとって洋服やCD、DVD、家電や車、家といったモノはを購入することはごく当たり前の行動でした。

ですがここ数年で消費者の価値観が大きく変わり、モノを所有するよりも「利用」することに価値を感じる方が多くなり、毎月定額料金を支払いサービスを受けることで、消費者の生活のさまざまなニーズや課題を解決する「サブスクリプション」が主流になりつつあるのです。

企業がサブスクリプションを展開することで、安定した収入を得ることができますし、より細かな顧客情報を得ることができますので、非常に注目度の高いビジネスであると言えるでしょう。

多くの企業がサブスクリプションモデルを導入し、競争が激化する中ではありますが、このサブスクリプションモデルを成功させるポイントになるものが「カスタマーサクセス」です。

サブスクリプションビジネスを行う上では、カスタマーサクセスを重要視しなければ、成功はしないと言っても過言ではありません。

そこで今回は、サブスクリプション成功事例から見る、カスタマーサクセスの重要性について、詳しくお話ししていきたいと思います。

今後サブスクリプションビジネスの展開を検討されている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

カスタマーサクセスを活用すべきサブスクリプションビジネス

従来のビジネスモデルであれば、カスタマーサービスが主流になっており、顧客からの問い合わせに受動的な対応であったのですが、カスタマーサクセスでは企業から顧客に対し、能動的に働きかける必要があります。

顧客満足度を向上させるために、新商品や新サービスのプロモーション、アンケートやレコメンドを積極的に行うことで、継続利用率を高めることができるのです。

実際にサブスクリプションビジネスを展開している企業は、どのようにカスタマーサクセスを実行しているのでしょうか。

Netflix

動画サブスクリプションサービスを提供しているNetflixは、今やサブスクリプションの代表とも言えるでしょう。

全世界の有料会員数が2億弱ほどであり、動画映像を楽しみたい顧客の、DVDの購入や映画館に出かけるといった消費行動を根本的に変えたのです。

月々定められた料金を支払うことで、好きな時に好きな作品を好きなだけ楽しむことができるようになりました。

Netflixでは、契約前の「無料体験期間」が設けられており、顧客はその無料期間内であれば好きなときに利用を中止することができるのです。

「無料だからとりあえず使ってみよう」「あの作品だけ観たい」という心理を動かせ、新規のハードルを下げることで、顧客をNetflixのプラットフォームに招いているのです。

この「無料体験期間」こそ、カスタマーサクセスには欠かすことのできない「慣れのプロセス」なのです。

顧客に飽きられてしまわないよう、オリジナル作品や新しいコンテンツを次々と投入することで、既存顧客の契約継続を促しているのです。

最初は「お試し」だった顧客も自然とカスタマーぺリエンスが向上し、魅了していくのです。

Chargify

Chargifyは、BtoBサブスクリプションであり、支払い請求管理ソフトを提供しています。

もともとはフリーミアムビジネスが採用されていたのですが、収益が上がらなかったために、サブスクリプションビジネスに切り替えたところで業績は回復したのです。

サービスの質が高く、有料になったとしてもそのサービスを利用し続けたいと考えるユーザーにスポットを当て、アプローチしたことが成功のきっかけになったのでしょう。

Chargifyに関しても、無料体験版の導入、30日間の返金保証期間などを設け、さらに通知に無反応なアカウントやアクティブでないアカウントにフラグを立て、サービス解約の可能性がある個客をソフトウェア上で可視化し、企業側からコンタクトを取りエンゲージを高めることで、解約率の低下を叶えているのです。

この様な顧客行動を事前に予想する仕組みこそ、カスタマーサクセスにおいて非常に重要なプロセスであり、サブスクリプションを管理する企業になっているのです。

Sonnen

ドイツにある電力会社Sonnenは、電気料金のサブスクリプションを実現しました。

契約プランによって電力出力の上限や年間消費電力量が設定されているので、ブロックチェーン技術により需給データを分散管理することができるのです。

利用ユーザー間で電力を自動的に、そしてリアルタイムで融通することができるので、サブスクリプションとして成り立つことができているのです。

自発発電で余った電力はコミュニティ内で販売をすることができますし、電力が不足している場合には追加購入をすることができますので、相互扶助の仕組みが成り立っているのです。

顧客は大手電力企業から一方的に電力を供給されていた状態から、「コミュニティに属している」という感覚から、そのコミュニティを支える一員としてそのプロジェクトの一端を担う立場になり、この経験から生まれる帰属意識こそ、カスタマーサクセスのひとつのプロセスになっているのです。

まとめ

以上、サブスクリプション成功事例から見る、カスタマーサクセスの重要性についてお話しさせていただきました。

このように、サブスクリプションビジネスを展開する企業によって、カスタマーサクセスを追求する方法は異なるものの、カスタマーサクセスを用いて経済合理性を求め、顧客満足を達成する戦略は欠かすことができません。

サブスクリプションビジネスの開始を検討されている方は、ぜひカスタマーサクセスの重要性を理解し、顧客が真に求めているものは何なのか、ということを見極めてくださいね。