単品リピート通販と食品サブスクリプションの相性は?

ここ数年で目まぐるしい成長を遂げているビジネスモデルと言えば、「サブスクリプションビジネス」が思い浮かぶことでしょう。

サブスクリプションビジネスは、インターネット上でのデジタルサービス業界を主に展開が広がっていたのですが、その流行の流れに乗り、今では現実的な非デジタルサービス業界にも進出されてきています。

あらゆる分野がサブスクリプションサービスを取り入れているのですが、その中でも特にサブスクリプションと「合わない」業界として、飲食や食品関係が挙げられてきました。

ですので、食品分野ではサブスクリプションビジネスへの参入が遅れているとも言われており、EC化として考えてみても、さまざまな業界の中で最も進化が遅れているとも言われているのです。

食品業界では、サブスクリプションビジネスとしても非常に課題が多いことが常に問題として挙げられているため、なかなか自社から展開してサブスクリプションサービスを開始していこうと思われる方は少ないのではないか、と思います。

そこで今回は、単品リピート通販と食品サブスクリプションとの相性について、詳しくお話ししていきたいと思います。

今まさに単品リピート通販ビジネスを行われている方、そしてサブスクリプションビジネスにご興味のある方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

ECと食品の相性が悪い理由

物流拠点問題

そもそも、なぜ相性が悪いと言われるのか、それは生鮮食品を取り扱う際に起こる、物流拠点の問題にあります。

食品関係を扱う大手企業であれば、自社独自で物流拠点を確保することができますので、EC化に成功していることがありますが、中小企業であればなかなか難しいことが挙げられるでしょう。

また、ユーザーからの食品に関する意識も、生鮮食品だからこそ実際に手に取り、鮮度や状態を確かめてからでないと、購入を望まないという傾向がありますよね。

ですので、生鮮食品を扱うスーパーやコンビニなどで購入するユーザーがほとんどなのです。

どれだけ魅力的な写真を掲載したり、良い商品説明を記載したとしても、やはり実際に手に取り確認することができる実店舗にはかなわないのでしょう。

配送料金

食品ECを開始するには、配送料金も非常に大きな問題となることでしょう。

食品というものは、比較的低価格で販売されているものが多いですよね。

大量に購入しなければ送料無料にならないことがある上、鮮度の関係から少量を頻繁に購入することを好むユーザーが多いことが関わってきます。

そういった点から考えてみても、高い配送料金を支払ってまでECを利用して食品を購入しようと考えるユーザーは少ないのでしょう。

単品リピート通販と食品サブスクリプション

上記で説明したように、食品とECの相性は悪い状況が続いているのですが、もちろんその中でもさまざまなアイデアが生まれ、実際に単品リピート通販を用いた食品サブスクリプションを成功させている企業もあり、注目を集めていることをご存知でしょうか。

代表的な例として「Oisix(オイシックス)」が挙げられます。

Oisixは食品宅配専門のスーパーであり、月額5,300円から17品前後の食材が毎週自宅に届けられるというサービスなのです。

常に4,000品以上の食材が取り揃えられているので、ユーザーは好きなものや季節に合わせた商品を選んで配達してもらうことができます。

また、コース内容も複数用意されており、食材が配達されるコースや、レシピに沿った食材が届くコース、子供がいる家庭用のコースがあります。

特にレシピに沿った食材が届けられるコースは非常に人気で、短時間で栄養バランスが整った食事を用意することができますので、忙しい主婦から高い支持を得ているのでしょう。

なぜ、食品とECの相性が悪いにも関わらず、「Oisix」がサブスクリプションビジネスに成功しているのでしょうか。

それは、ユーザーの多様化するニーズに的確に合わせたサービスの提供ができているからといえるでしょう。

仕事と家事を両立して毎日の献立を考えることが大変だという主婦、そして介護や育児で買い物に行く時間を取ることが出来ない方、そして高齢で頻繁に買い物に行けないし多くの荷物が持てないという方から、高い支持を集めているのです。

また、注文方法も非常に簡単で、アプリさえ持っておけば誰でも注文ができる、ということも、人気を集める理由なのでしょう。

まとめ

以上、単品リピート通販と食品サブスクリプションの相性について、お話させていただきました。

サブスクリプションとして食品を扱うことは、時に非常に困難である場合がありますし、撤退企業が多いことも事実です。

ですが、こういった成功事例もあることを忘れてはいけません。

ですので、単品リピート通販と食品サブスクリプションの相性は、一概に悪いとは言えないのです。

ユーザーのニーズの多様化をしっかり捉え、それにうまく合わせることができることこそ、なによりも勝因となるのです。

他のサブスクリプションビジネスよりももっと柔軟に、そして敏感に対応することを心がけ、食品サブスクリプションを成功させてくださいね。