大企業が陥りやすいサブスクリプションの課題と解決法

大企業が陥りやすいサブスクリプションビジネスの3つの課題と解決法

今大手企業をはじめ、多くの企業がサブスクリプションビジネスの導入を始めています。

従来のビジネスモデルよりもはるかに安定した収益を得られ、細かな顧客情報を得ることができるということから、数年前より多くの注目が集まっているのです。

数年前まではサブスクリプションはデジタル商品やサービスにふさわしいと考えられていたのですが、非デジタル商品やサービスにもサブスクリプションが展開されており、日本国内でも大流行の兆しを見せているのです。

なぜここまでの拡大が見られているのか、それには消費者の価値観の変化が大きく関わっていることでしょう。

消費者にとって「所有すること」や「購入すること」よりも「使いやすいこと」や「共有すること」に価値を感じるようになり、モノを持たないことがスマートだという認識を持つようになっているのです。

企業にとっても他のビジネスモデルであれば、膨大なコストが必要になっていたのですが、サブスクリプションビジネスであれば手軽に導入することができることも、ひとつの理由でしょう。

一気に加速を見せるサブスクリプションビジネスですが、特に大企業であればサブスクリプションビジネスの展開の際は課題が多くなりますよね。

そこで今回は、大企業が陥りやすいサブスクリプションビジネスの3つの課題と解決法をお教えしたいと思います。

大企業ならではの感じやすい課題ですので、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

1:上層部からは「事業収益」が評価される

まず第一の課題としては、上層部から事業収益によって評価されてしまう、ということでしょう。

経営者にとっては、「投資に対しどれくらいのリターンがあったか」ということが重要であり、その返答により評価されることがあります。

売り切り型ビジネスの場合は、その商品やサービスを販売する場合はその収益以上に上がることはありません。

一定期間によってマーケティングコスト、営業コスト、カスタマーサポートコストに対し、どれだけの売り上げがあったのか、ということを指標とすることは当然でした。

ですが、サブスクリプションビジネスの場合は売り上げのほとんどは、ユーザーの「月額利用料金」で決まります。

つまり新規顧客一人を獲得するためには「売り上げ=月額利用料金」以上のコストをかけてしまっていては、赤字になってしまうのです。

この場合の解決法としては、評価指標を変えることが重要です。

サブスクリプションビジネスは、売り上げを見るのではなく、一人の顧客が契約してから解約するまでに支払う料金である「LTV」を見なければなりません。

新規顧客獲得のためにかけたコストをどれくらいの期間で回収することができるのか、ということが重要ですので、まずは企業の上層部に対しサブスクリプションビジネスのKPIを共通して認識しましょう。

2:CRMツールが十分に活用されない

二つ目の課題は、CRMツールが十分に活用されないということです。

サブスクリプションビジネスでは、「カスタマーサクセス」がセットとして注目を集めているように、サービスの契約開始以降、さらに良好な関係を築くことが求められるのです。

つまり、より細か顧客を見て顧客視点に立ち、顧客が企業やサービスの何に価値を感じているのか、ということを分析しなければなりません。

この場合の解決法は、CRMの導入することの意味を正確に理解し、面倒を排除することでしょう。

ビジネスに携わる全ての部署の全スタッフに、CRMツールを導入する意味、入力する意味、価値を共有しましょう。

そして、徹底的にそして構造的にCRM入力内容を保持できるようにしましょう。

3:サブスクリプションビジネスに適した組織を作ることができない

三つ目の課題は、サブスクリプションビジネスに適した組織を作ることができない、ということでしょう。

サブスクリプションビジネスの場合、「THE MODEL」と呼ばれるマーケティングとインサイドセールス、フォールドセールス、カスタマーサクセスを合わせた組織が、最終的な結果を共有し、それぞれKPIに落とし込み、分業するフレームワークが有効です。

この組織の基盤となる型を作り上げるまで、多くの意思決定のプロセスがありますが、この意思決定プロセスを無視して型を導入してしまえば、顧客体験が悪化してしまうという状況になってしまいやすいのです。

この解決法は、一つ目の課題と二つ目の課題が解決されれば、自然と企業にとって最適な組織を作り上げるために試行錯誤を行うことでしょう。

CRMを中心としたデータが、どのように変化すれば重要な指標に有効なのか、それを最大化するには顧客にどのようにコミュニケーションを行えば良いのか、そのための最適な組織体系は何か、ということを条件に、考案していきましょう。

まとめ

以上、大企業が陥りやすいサブスクリプションビジネスの3つの課題と解決法についてお話しさせていただきました。

サブスクリプションビジネスはこれまでのビジネスとは大きく異なりますし、ビジネスの拡大を検討する際も、指標は大きく変わってくるでしょう。

特に大企業は既存ビジネスを抱えていますので、それを上層部を含めた企業内全体に理解されにくいことが考えられます。

これらの課題を感じた場合には、ぜひこの解決策をもとに解消してくださいね。