サブスクリプションは、今や幅広いジャンルに普及し、多くの事業者がサブスクサービスを取り入れています。消費者の間でも広く認知されるようになっており、今後も成長が期待されています。
しかし、サブスクと言う名前が広まる一方で、サブスクを実際に取り入れた企業が、事業を拡大できているかと言えば、そうとも言えません。
サブスクで大きく成功したケースは案外少なく、それほど大幅に事業を拡大できる訳ではないのです。
実際に、サブスクで成功しているのは、限られたジャンルのサービスであり、それらは今後も成長していくと考えられているのです。
そこで今回の記事では、サブスクで伸びるジャンルについて説明したいと思います。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
サブスクは、従来のように、その都度売り上げが発生する売り切り型のビジネスとは異なり、企業と利用者が契約を結び、その契約に基づいて継続的な収益を構築していくビジネスモデルです。
一般的には、サブスク=定額制と認識されているため、多くの企業が収益の安定や顧客の定着を期待してサブスクビジネスを導入しています。
しかし、取り扱う商材によっては、収益を上げるためにかなりの時間がかかることもあるなど、事業のジャンルによって大きな差が生じることが多々あるのです。
また、サブスクは定額制のサービスと言うことから、利用者に大きなメリットがあると言われていますが、そのサービスによって、利用者にどのようなメリットがあるのかも様々なのです。
中には、従来のビジネスとさほど変わりがないサービスもあり、利用者側はその点を厳しく見極めている様です。
サブスクサービスには、上記のような問題点も指摘されていますが、現在もサブスクサービスは増え続けています。
そのジャンルは多岐に渡り、ありとあらゆる業種のサービスが提供されているのです。
その中で、安定した人気を集めているのは、やはりデジタル配信型のサービスです。
サブスクが広まるきっかけとなったソフトウェア配信サービスや動画、音楽、書籍などの配信サービスがこれに該当します。
このサービスは、サブスクの中で最も成功しているケースが多く、その人気は今だ衰えていません。
このサービスが、成功することができた大きな要因は、取り扱う商材がデジタルコンテンツであり、利用者が増えてもコストが発生しないことにあります。
常に良質なコンテンツを提供し続ければ、利用者の継続利用も期待でき、収益が安定しやすいのです。
また、この配信サービスでは、コロナ禍の影響で、オンラインでレッスンや授業を受けられると言うサービスもに人気を集めています。
ヨガなどのスポーツから英会話などの授業まで、あらゆる分野のレッスンがオンライン配信されているのです。
これらのサービスは、デジタルコンテンツと同様、利用者が増えても、その都度のコストは発生しないため、収益が安定しやすいのです。
また、最近では、定額制の家事代行サービスや美容室を定額で何でも利用できると言った、対面での人的資源を提供するサービスも増えてきています。
これらのサービスは、インストアサービスと呼ばれ、定額にすることにより、利用者の支払い面での負担が軽減されることが人気の理由です。
ただしこれらのサービスは、利用者が増えるたびに人的コストが発生するため、収益の安定には時間がかかります。
これらのサービスは、モノを取り扱っているわけではないため、物に対するコストは発生しません。
そのため、モノを扱うサブスクに比べ、収益が安定しやすいと言う特徴があります。
特に、デジタル配信サービスやオンライン型のサービスは、サブスクの特性と非常に相性が良く、今後も伸びていく分野であると考えられます。
一方、モノを取り扱うサブスクの場合、利用者が増えるたびにモノにかかるコストが発生します。
その中で、定期購入型のサービスや、本体部分を無償で提供もしくは貸出し、消耗品部分の利用料金を課金する仕組みの従量課金型のサービスは、以前から一般にも広く普及している仕組みであり、一定の需要は見込めると考えられています。
問題なのは、リースやレンタル、頒布会型のサブスクです。
リースと言うのは、自動車や高価格帯の家具など一般的に高額の商品を長期にわたって利用できると言うサブスクサービスです。
このサービスは、高額なために購入をためらうような商材を手軽に利用できると言うメリットがあります。
しかし、自動車などの高額の商品は利用するのではなく、所有したいと考える消費者も多く、どのサービスもそれほど大きく成功できているわけではありません。
高額の商品にあこがれを持つ利用者を多く取り込むことができれば、今後伸びていく可能性もありますが、若年層の反応は良いわけではないため、過剰な期待はできません。
一方レンタル型は、若年層からの関心も高く、成功するサービスも出てきています。
特に人気を集めているのが、洋服やバックなどアパレル商品のレンタルサービスです。
アパレル商品は、近年売り上げが著しく低迷していました。
その背景には、過剰に生産されるトレンド商品に消費者の多くが疲弊していることがあります。
現在の消費者は、そのような大量の商品の中から商品を選ぶことに疲れており、安価な商品を購入してまで所有したいとは考えないのです。
サブスクのアパレルレンタルサービスは、この消費者のニーズに上手く合致したサービスと言えます。
この消費者の考えは、年齢が下がるほどに顕著となってきていますので、これらのサービスは今後さらに成長することが期待できるのです。
これらの事から分かることは、サブスクサービスの中でも、今後が期待できるサービスとそうではないサービスに明確に分かれていると言うことです。
そして、それらを分ける要因は、ターゲットは誰かということです。
サブスクは、デジタルを利用するため、利用する年代が限定されてしまっています。
その年代とは、これからの消費を担っていく若い世代です。
この若い世代のニーズに合致したサービスはこれからも成長していきますし、そうではないサービスは今後の成長はあまり期待はできないのです。