サブスクバブルを生き残るには何が必要か?

サブスクリプションの勢いは近年とどまるところを知らず、コロナ禍においてもその勢いは衰えていません。

あらゆる企業がサブスク市場に参入し、市場は拡大化を続けており、まさにサブスクバブルと呼べるほどの活況となっています。

しかし、その一方で、競合が増加したことにより顧客の奪い合いのような事も起こっているのです。

そこで今回の記事では、サブスクビジネスで生き残るためのポイントについて説明したいと思います。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

サブスク市場の現状

サブスクは、今や知らない人はいないと言っても良い程、一般に広く普及しています。

代表的なサービスである音楽や動画配信から、ファッション、コスメ、家電や自動車などのモノのサブスク、コーヒーやアルコールの飲み放題など飲食系のサブスクまで、ありとあらゆるサービスが提供されています。

テレビや新聞、インターネットにおいても連日のように取り上げられており、さながらサブスクバブルと言っても良いような状況となっています。

周知の通り、サブスクは、定められた代金を支払うことにより、一定の期間商品やサービスを利用する権利を得ることができるビジネスモデルです。

従来の定額制モデルと同様の仕組みではありますが、従来と大きく異なるのは、サブスクは顧客視点で構築されるビジネスであるということです。

現在のサブスク市場には、この点を理解していないサービスも多く、それらのサービスは、従来のビジネスのまま、課金システムだけを変更してサブスクを謳っているのです。

サブスクは企業にメリットが多い?

サブスクビジネスの仕組みは、一度契約してしまえば、解約されない限り支払いが続きますから、企業にとっては、利益の心配をしなくても良い魅力的なビジネスと映ります。

しかし、前述のように、サブスクの本質は課金システムの問題ではありません。

単なる定額制のビジネスとして認識してしまえば、それはもうサブスクビジネスではないのです。

サブスクの本質は、先ほども触れたように、顧客視点でのビジネスと言うことです。

徹底した顧客視点で構築した、顧客重視のビジネスであり、従来の企業重視のビジネスとは対極にあるのです。

また、サブスクは、契約してしまえば、解約されない限り継続して利益を確保できる仕組みではありますが、これは、反対から言えば、解約されてしまえば利益が出ない仕組みなのです。

解約されない限り利益を確保できる仕組みとは、長期的に継続して利用してもらうことを前提とした仕組みなのです。

しかし、顧客はそれほど甘くはありません。サービス内容に満足できなければ、すぐにそのサービスは不要とみなされ、解約されてしまうのです。

解約防止策よりも継続利用してもらう方法を考える!

上記のように、サブスクは、誰でも簡単に利益を出せるようなビジネスではありません。

市場が拡大化すれば新規の顧客の獲得も難しくなりますし、獲得できたとしても、継続して利用してもらうためには、顧客が満足できるサービスを提供し続ける必要があり、競合との明確な差別化も必要となるのです。

また、解約を防ぐために、解約方法をわざと煩雑にしているケースがありますが、これも顧客視点と言う観点から見れば、逆効果でしかありません。

無理に解約を防いだからと言って、遅かれ早かれその顧客は解約してしまいますし、解約の手続きが面倒であればあるほど、再度利用してくれる可能性は低くなるのです。

実際に、サービスの休止や解約などに自由がないサービスは顧客から支持をされていません。

一方で、成功しているサブスクサービスのほとんどは、顧客の意思を尊重し、自由度を高くしているのです。

これは、徹底した顧客の視点からビジネスを構築しているということであり、顧客はこのようなサービスであれば、すぐに解約しようとは考えないのです。

現在のサブスク市場では、多くのサービスが簡単に解約されないようあらゆる手立てを考え工夫をこらしていますが、解約されないために最も有効な方法は、顧客の意思を尊重することなのです。

顧客は自分の意志でサービスを選択し契約します。

そして、そのサービスを気に入れば継続して利用しますが、そのサービスが必要ないと判断すれば解約するのです。

解約するかどうかを決めるのは、あくまでも顧客自身なのです。

サービスを提供する企業側が、顧客の解約を阻止するためにできることは、顧客を満足させるサービスを提供し続けることであり、解約されないために工夫することではないのです。

どのようなサービスであっても、全く解約されないということは不可能です。

サービス内容が良くても、ある顧客には必要ないサービスだったということもありますし、顧客のライフスタイルの変化により必要なくなるということも考えられます。

顧客にはそれぞれ事情があり、顧客を重視するサブスクと言うビジネスにおいては、それを尊重することが最も重要なことなのです。

まとめ

サブスクサービスを利用する際には、上記のような解約の問題だけでなく、サービスを休止したい、プランを変更したいと言ったような問題が出てきます。

そして、これらの問題も解約と同様に、顧客が自身で判断することなのです。

しかし、現在のサブスクの多くは、プランが少なく選択肢が少ない、ルールや制限が多い、休止や解約の手続きが複雑など、顧客が自由に選択することができないシステムになっています。

このようなサービスでは、顧客は続けて利用しようとは思いません。

顧客は自身の意思を尊重してもらえることによって、企業を信頼するようになります。

そして、そこで、企業と顧客との繋がりができるのです。

サブスクビジネスが、どれほど広く普及しても、この点を理解していなければ、結果として、成功することはできません。

まず、顧客を重視すると言うサブスクの本質を理解していなければ、競争の厳しいサブスク市場で生き残っていくことはできないのです。