サブスクリプションビジネスでVOCとAIが促進するカスタマーエクスペリエンスの向上

今、多くの企業から注目を集めている、サブスクリプションビジネスは、定額料金を支払うことで、一定期間サービスを受けることができる仕組みであり、近年多くの業界でサブスクリプションサービスの提供が始まっています。

なぜここまでサブスクリプションビジネスが盛り上がっているのか、それは利用者にとっても事業者にとってもメリットが非常に大きいビジネスモデルだからです

サブスクリプションビジネスの形態自体は、決して最近確立されたものではなく、新聞や雑誌などの定期購読の意味で用いられていたのですが、音楽や動画など、以前と異なる、新しい分野でのサービスが普及し、最近では旅行や食材、家具家電などもサブスクリプションサービスとして提供が始められており、今後もさらにサブスクリプション市場が拡大することが予想されているのです。

サブスクリプション企業の増加に伴い、デジタルトランスフォーメーションで「顧客価値の向上」を推進する企業が多くなり、顧客接点の重要なチャネルとして「コンタクトセンター」が重要視されています。

コンタクトセンターでは、顧客の声であるVOCを収集し、活用することができるのですが、近年では音声認識技術の進歩により、容易にVOCをテキストデータ化することができるようになった上、AIの進化も加わっているので、さらなるVOCの活用が期待されているのです。

そこで今回は、サブスクリプションビジネスでVOCとAIが促進するカスタマーエクスペリエンスの向上について、詳しくお話させて頂きたいと思います。

サブスクリプションビジネスを今後より長く続けてたいと思われている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

VOCとテキストマイニング

VOCは、顧客が商品やサービスに対して持つ潜在的なニーズを聞くことができるような内容を期待しますが、実際にはそのような潜在的なニーズを聞くことができることは多くはありません。

実際にコンタクトセンターの履歴を見ても、雑多な内容が多く、その上定型的な処理や手続きがほとんどですので、テキストマイニングを用いてどのような内容が含まれているのか、VOCの不満の意見はどのような種類のものが多いのか、ということを分析しても、新たな発見を見つけることは難しく、ほとんど同じ分析結果しか得ることが出来ない場合が多いでしょう。

テキストマイニングは、あくまでも統計的な分析しか行えませんので、どのようなキーワードが頻繁に話されているか、不満とされる語句はどんな語句と話されることが多いのか、という傾向をみることを目的としています。

当然のことながら、このような分析結果も非常に重要な知見でありますが、ひとつひとつのVOCがどのようなものであり、それに対し何をすれば良いのか、までは読み解くことができないでしょう。

VOCとAI

顧客1人1人のVOCに対し、何かをするための仕組みを作るためにはAIの技術が重要です。

AIは人間と同じようにデータを見て、推論と判断と実行を行いますので、人間と同じように顧客一人一人のVOCを読み、その内容を判断していく、という処理を自動的な業務プロセスとして組み込むことができるのです。

また、今までであれば、コンタクトセンターは、いかにお客様を待たせることなく迅速に対応を終わらせることができるか、ということでしたので、顧客それぞれの事情により、会話時間を伸ばしてしまい、KPIを悪化させる要因と考えられていましたので、無駄な会話は生産性を下げてしまうと考えられてきました。

ですが、AIの得意とすることは、向上してきた生産性の高い業務で行う「定型的で量の多い処理」です。

対応する内容の標準化が進んでいる業務ほど、AIを搭載したWebシステムやチャットボットによる自動化が進むでしょう。

AIはこれまでにない価値を創出する

デジタルトランスフォーメーションが推進することによって得られる効果は、生産性の向上なのですが、その一方でコンタクトセンターに、カスタマーエクスペリエンスの向上という新しいミッションが与えられつつあります。

カスタマーエクスペリエンスを向上させるためには、顧客一人一人に対する対応の能力を高める必要があり、そこでもAIが必要とされます。

ですが、AIが直接顧客に応対するということではなく、この領域ではAIは人間の支援を行うことを目的として使われることが多いでしょう。

カスタマーエクスペリエンスは、迅速さだけでなく、人間らしく繊細で柔軟な対応が求められますので、この対応はAIではなく人間がすべきです。

ですが、AIが人間らしい柔軟な対応を行うためには、顧客ひとりひとりの状態やニーズを把握する作業が重要であり、これはAIにとって得意領域ですので、活用すべきでしょう

まとめ

以上、サブスクリプションビジネスでVOCとAIが促進するカスタマーエクスペリエンスの向上について、詳しくお話させて頂きました。

従来までのVOCの活用と言えば、テキストマイニングからの有用な知見を見つける以上のことはできませんでしたが、AIをはじめとする新しい技術によって、やっとVOCを活用することができるようになっています

上手く活用することで、今までにない仕事の支援をしてくれ、非常に頼もしいビジネスパートナーになりますので、ぜひ今後のサブスクリプションビジネスに活かしてくださいね。