日本の企業では今、サブスクリプションというビジネスモデルの導入事例が多くなってきています。
サブスクリプションビジネスとは、商品を購入するよりも体験することを優先とし、消費者をターゲットとしたビジネスモデルです。
サブスクリプションビジネスが拡大し始めた当初は、デジタル分野から始まったのですが、市場規模はどんどん拡大し、今では車業界やアパレル業界までも広がりを見せています。
サブスクリプションビジネスは、商品を購入するよりも体験することを優先とし、消費者をターゲットとしたビジネスモデルです。
つまり、従来までのように商品を顧客に売り切るのではなく、ユーザー自身がその商品やサービスを一定期間利用する権利に対して対価を支払いますので、顧客ニーズや顧客満足度を満たさなければなりません。
新規事業としてサブスクリプションビジネスを始める場合、まずは認知度を向上させなければならないので、しっかりとPR活動を行っていかなければなりません。
PRは、公共との関係作りのためにあり、メディアと関係性を築き、そして顧客との繋がりを育てる役割があり、PRが関わるのは生活者やメディアだけではありません。
その企業の株主や投資家、金融機関、取引先、関連企業、地域住民や行政機関なども関わってきますので、自社商品やサービスの世界観や価値を伝えるための重要なものであり、このような「内」への関係作りもPRの仕事なのです。
このPRの中でも特に「インナーPR」こそ、ビジネスを強くするものであることをご存知でしょうか。
そこで今回は、サブスクリプションビジネスを強くする「インナーPR」について、詳しくお話させていただきたいと思います。
今後自社サブスクリプションビジネスを、より成長させたいと思われている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
Contents
自社企業内で、新しく発売するユニークな商品や、サステナビリティへの取り組みなどの、価値のある情報がメディアに取り上げてもらえるように、外向けにPRをプレスリリースします。
そしてそれと同時に、従業員がその価値を同じように理解し、そして共有できるよう、企業の内側に向けて発信していくことこそ、インナーPRなのです。
インナーPRは、インナーブランディングやインナー広報とも呼ばれており、ここ数年でその役割の重要性が高まってきているのです。
たとえばもし、事業主が話すとき、営業担当者が話すとき、スタッフが顧客とコミュニケーションを取るとき、PRが打ち出すメッセージと同じような内容や価値観の話が出来ているでしょうか。
メディアを通して消費者に伝わったその価値が、事業者も営業担当者も発信している、投資家も理解している、スタッフも教えてくれた、というような状態を作ることで、PRそのものに実態が伴い、発信したいメッセージや企業の価値がより向上し、印象深く残るのです。
もし、プレスリリースの内容や新商品情報が外向けのPR発信によってメディアに取り上げられたとしても、事業主やスタッフが発信するメッセージが異なってしまっていれば、PR自体に信憑性がなくなってしまいますので、消費者がついてくることはありません。
インナーPRに成功している企業の事業者、スタッフは全員自社商品やサービスのことが大好きで、自社が発信するメッセージに共感し、自信と誇りを持っています。
そのような考えを持つ人におすすめされるからこそ、熱狂的なロイヤルカスタマーを作ることができますし、顧客ロイヤルティも非常に高くなるのです。
インナーPRにより、スタッフ同士の目線が合うことで、企業は非常に強くなるのです。
インナーPRの重要性を理解し、新商品の案内や、新規事業の情報、新たな施策などの企業内でのPRのための、専任の担当者を設ける企業も多くなっています。
ですが実際には、外へ向けたPRだけでいっぱいになってしまい、インナーPRまでも手を回すことができない、という企業ももちろんあるでしょう。
それでもやはり、インナーPRは意識すべきものですので、この場合はまず外向けのリソースの「ついで」として考えてみましょう。
機会があるごとに、企業が何を目的としているのか、ということを発信していき、さらに内に向けたPRとして定期的にメールマガジンを発行したり、社内行事にてメッセージを発信したりなど、工夫していきましょう。
それでもそこまで手が回らないという場合は、外部機関と一緒に取り組み、コンサルタントをしてもらいながらインナーPRを行う、ということも一つの方法です。
以上、サブスクリプションビジネスを強くする「インナーPR」について、お話させていただきました。
今回説明した通り、このような取り組みのひとつひとつによって、外も内も全員が揃って同じ方向を向いていることで、確実に変化は訪れます。
もちろん、商品やサービスの魅力と相まって相乗効果が生まれ、売り上げが向上しますので、このPRだけでは成しえることはできませんが、自社商品やサービスをまず選んでもらうためにも、ぜひこの機会にインナーPRを意識してみてくださいね。