サブスクリプションビジネスに役に立つ、エボークトセット調査

一定期間ごとに一定料金で商品やサービスを提供する、サブスクリプションビジネスが今、多くの企業から注目を集めています。

ここ数年で消費者の価値が大きく変わっており、モノを所有することよりも利用することに価値を感じるようになり、利用するための「権利」に対して料金を支払います。

顧客にとっては、費用を抑えて最新の商品やサービスを利用することができますし、自分が知らないものに出会える可能性があり、さらに購入やレンタルの手間を省くことができます。

企業にとっても、定額の利用でビジネス計画が立てやすくなりますし、より詳細な顧客データを集計することができ、安定的な収入を見込むことができますので、企業と顧客双方にメリットが大きいビジネスモデルだと考えられているのです。

特に今のコロナ禍によって、消費者の購買行動と意識がさらに変化しており、ビジネスでの「ブランディング」における重要性が改めて注目されています。

ブランドという目には見えない資産こそ、消費者の選択に影響するのですが、ブランド管理では認識の相違や、施策の効果測定の難しさなど、さまざまな課題があるのです。

そこで今回は、サブスクリプションビジネスに役に立つ、エボークトセット調査についてお話させていただきたいと思います。

今、サブスクリプションビジネスでのブランド管理に課題を持たれている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

ブランド管理の課題

消費者のモノに対するニーズや価値観が多様化しているからこそ、ブランド戦略の重要性も増しています。

ですが実際に「ブランド力を高めよう」「ブランディングで差別化を測ろう」としていても、なかなか上手くいかないと思われている方も多いでしょう。

ブランドの重要性はしっかり理解していても、目先の数字に終われてしまったり、値引きなどのコスト戦略に走ってしまう場合もあるでしょう。

そして、自社がどれくらい評価されているのか、ブランドリフト調査を行ったり、認知度や購入意向、顧客ロイヤリティなどを測定し、施策を行っているものの、指標が定まっておらず、データを活用できていないことが多いでしょう。

また、マーケティング調査を行ったとしても、短期的なマーケティング効果の測定で終わってしまっている場合もあるかと思います。

消費者の中にある「記憶」こそブランドである

改めてサブスクリプションビジネスにおけるブランドとは、消費者の商品の志、体験、評判によって記憶されたイメージであり、マーケティングは継続して購入してもらえる仕組み作りです。

自社のモノやサービスを「記憶」として考え、この記憶こそ最重要であり、記憶してもらうために行うものがマーケティングなのです。

そしてマーケティングには、「体験」が重要になりますし、この体験にはさまざまな形があり、そのブランドを利用したという直接的な行為はもちろん、SNSや広告、記事、周りからの口コミも全てが体験であり、マーケティング活動です。

基本的には、ブランドの浸透と売り上げは比例しますので、時間とともにより多くの人に「記憶」されることができれば、マーケティングコストを変えなくても、売り上げだけが向上しますので、ブランドを管理し、育てることが重要なのです。

エボークトセット調査

エボークトセット調査は、ブランド管理において注目すべき新たな指標です。

消費者は無意識のうちに、脳内でブランドを類似化し、マーケティングではそれをブランドカテゴライゼーション、という枠組みによって整理します。

たとえば「クルマ」というカテゴリーで考えた場合、世界中全ブランドのクルマは、入手可能集合です。

そしてクルマのブランド名として上げるのが「知名集合」、そしてそこからさらに車種までもよく知っているとなると、絞られてきますよね。

この段階でよく知っているブランドが「処理集合」、よく知らないブランドが「非処理集合」になります。

そして実際に購入を検討した際に、現実的なクルマが「想起集合」、理想や希望のクルマは「保留集合」になります。

また、今はSNSが影響力を持つようになっており、自身で購入するかしないかは関係なく、消費者が誰かにおすすめをすることを「推奨集合」です。

マーケティングを行う上では、このブランド・カテゴライゼーションの中で特に「想起集合」が重要です。

消費者がモノやサービスを購入する際、まずは自社が頭に思い浮かぶブランドになるべきであり、この想起集合に関する調査である、エボークトセット調査こそ、ブランド管理に非常に有益な指標なのです。

まとめ

以上、サブスクリプションビジネスに役に立つ、エボークトセット調査について、詳しくお話させていただきました。

消費者の強い記憶にするために、具体的な施策へと落とし込み、ブランド管理をしなければなりません。

サブスクリプションビジネスでの、きめ細やかなマーケティング活動を実施する上で、非常に重要ですので、ぜひこの機会にエボークトセット調査の知識を深めてくださいね。