サブスクリプションビジネスにふさわしいマーケティング戦略

今の時代、消費者はモノを購入するよりも成功体験に料金を支払うということが多くなってきました。

このような時代を牽引しているビジネスモデルこそ「サブスクリプション」ですよね。

サブスクリプションは本来「定期購読」という意味を持ち、従来の売り切り型ビジネスとは違い、消費者が一定期間利用することができる「権利」に対して料金を支払います。

「月額定額制」のモデルとほぼ同じような意味で使われますが、月額定額制とサブスクリプションの大きな違いは、サブスクリプションのほうが顧客ニーズに適格に応え「顧客満足度」に注目しているということでしょう。

いかに顧客との関係性を維持し、継続していくかということこそ、サブスクリプションを成功させるためのポイントなのです。

サブスクリプションビジネスにおいて、マーケティング戦略を考案し、実施していくことは必要不可欠であり、ユーザーひとりひとりの趣味嗜好を確実に把握し、ユーザーが求めているコンテンツを配信することが重要です。

サブスクリプションビジネスを展開することで、企業は安定した継続的な収益を上げることができますが、それを第一の目的としてはいけません。

そこで今回は、サブスクリプションビジネスにふさわしいマーケティング戦略についてお話させていただきます。

サブスクリプションビジネスにご興味を持たれている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

フリーミアムによる新規顧客獲得

まず始めの戦略としては、フリーミアムの新規顧客獲得です。

フリーミアムとは、企業が基本的なサービスや商品を無料で提供し、高度な機能や特別な機能については料金を課金するという仕組みです。

サブスクリプションとしての成功事例は「Dropbox」や「Linkedln」が挙げられますね。

ユーザーは無料で一定レベルのサービスを利用することができますので、このサービスにかなり価値を感じる方が多いのです。

サービス自体に価値を感じることで、結果的に課金に繋がります。

たとえばDropboxの無料サービスを利用したユーザーは、その十分な価値を感じ、使用容量を増やすために課金しますよね。

Linkedlnが無料で提供するサービスに価値を感じた求職者やリクルーターは、オプション機能に更なる期待を持ち、課金することでしょう。

ですがもちろん、無料サービスで満足してしまうユーザーが多ければ、有料課金制へシフトすることが難しくなる場合がありますので、注意が必要です。

アップセルによる収益増加

アップセルによって収益増加も期待できますので、注目しておきたいポイントです。

アップセルとは、顧客の単価を向上させるための営業手法のひとつであり、今顧客が検討している商品や、過去に商品を購入したことがある顧客に対し、より高額な上位モデルの商品に乗り換えてもらうことを言います。

アップセルを実施することで、収益増加幅を大きく向上させることができます。

アップセルの代表的な成功事例は「Apple社」でしょう。

Apple社はiPhoneの出荷台数などはKPIにしておらず、AppleのIDを獲得し、そしてそれぞれのIDあたりの収益にフォーカスをしています。

そうすることで毎年iPhoneユーザーに新しいiPhoneを購入してもらうよりも、Apple Musicなどのアップグレードのほうがはるかに大きな収益性を見込むことができるのです。

解約率の減少

サブスクリプションビジネスを行う上で、チャーンレートと言われる解約率についても考えなければなりません。

特に顧客に新規会員になってもらったとしても、その後すぐに契約を解除されてしまえば、収益性という観点から見ると大きな損失になってしまう可能性がありますよね。

だからこそ、フリーミアムで新規顧客の開拓施策を考案し、アップセルによって収益増加の施策を図り、そして既存顧客の解約による損失をいかにカバーすることができるか、という計画を立てなければなりません。

コミュニケーション戦略

サブスクリプションビジネスにおけるコミュニケーション戦略では、目先の売り上げや収益を重要視するのではなく、顧客ひとりひとりを理解することが大切です。

だからこそ、顧客ひとりひとりのIDに基づいた詳細な分析を行い、ユーザーニーズに応じた新たな提案をしていかなければなりません。

最近日本国内でもOne to Oneマーケティングやコミュニケーション戦略が重視されていますが、実際は企業内のリソースを十分に確保することができず、個々のユーザーに合ったコミュニケーションを取ることができない、ということが課題になっています。

どうすれば適切なコミュニケーションを取り、うまく戦略を考案していくのか、ということを考える必要があるでしょう。

まとめ

以上、サブスクリプションビジネスにふさわしいマーケティング戦略についてお話させていただきました。

サブスクリプションビジネスは、従来の販売手法とは大きく異なり、顧客が商品やサービスに対し料金を支払った後であっても、企業と顧客の関係性が続くことが特徴です。

顧客を理解し、よくコミュニケーションを取ることで、従来の販売手法よりも大きな収益を見込むことができますので、今後もさらに注目度が高まっていくビジネスモデルだと言えるでしょう。

サブスクリプションビジネスの展開を検討されている方は、ぜひ今回説明したマーケティング戦略を理解して、ビジネスを進めてくださいね。