サブスクリプションビジネスにおいて知っておくべき「CES」とは

モノが売れない今の時代、モノを売らずに収益を上げる、という発想から、サブスクリプションビジネスモデルが生まれました。

今はメディア業界だけでなく、小売業界や飲食業、製造業までも定額で利用することができるサブスクリプションサービスの提供を始めています。

サブスクリプションとは、定額料金を支払うことで、一定期間商品やサービスを利用することができるビジネスモデルであり、単なるレンタルのような一度きりのサービスとは異なり、長期間にわたる契約を前提としていることが特徴です。

消費者の消費スタイルが、所有から利用へと変化していること、そしてインターネット環境が整い、スマートフォンが普及したことが、サブスクリプションビジネスが注目される大きな要因になっていることでしょう。

サブスクリプションビジネスを行う上では、カスタマーサクセスやカスタマーサポートに取り組むかと思いますが、顧客満足度にかかわる重要な指標として、CESという言葉を耳にすることが多いかと思います。

CESは顧客満足度に関わる重要な指標ですので、しっかり理解しておかなければなりません。

そこで今回は、サブスクリプションビジネスにおいて知っておくべき「CES」について、詳しくお話させていただきたいと思います。

サブスクリプションビジネスに関する知識を十分に得たいと思われている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

CESとは

CESとは、Customer Effort Scoreを略した言葉であり、顧客努力指標と訳されます。

顧客努力指標とは、顧客が商品やサービスを利用するために、どれくらいの努力を要したのか、ということを表す指標です。

もし顧客が商品やサービスを利用するために、努力をしているのであれば、それはストレスや使いづらいと感じていると考えられます。

顧客が努力をしたりストレスを感じることのない、CESが低い状態が理想なのです。

そして、CESときくと、NPSやCSATを思い浮かべる方も多いかと思いますが、NPSは利用している商品やサービスを、他社にどれくらい勧めたいか、ということを0~10で測るものであり、顧客ロイヤリティを示す指標です。

そしてCSATは、商品やサービスにどの程度満足しているか、ということを顧客に尋ねることによって評価する、顧客体験全体の満足度を測るための指標です。

CESが高まれば、満足度が高まることはありませんので、CSATを向上させるには、CESを下げなければなりません。

CESの重要性

・顧客が不満に思う箇所が明確である

CESが重要視される理由の1つは、顧客が不満に思う箇所を明確に示すことができる、ということでしょう。

NPSやCSATでは、全ての顧客体験を通しロイヤルティに顧客満足度を測定するので、もし低い数値が出たとしても、何が原因であるのか、ということを特定することが難しいのですが、CESでは顧客体験のフェーズごとに評価されますので、顧客がどこに対し不満を抱いているのか、ということを明確に理解することができます。

満足度が下がるポイントを明確にすることで、改善策を立てやすくする、ということもCESのメリットでしょう。

・マイナスの感情に焦点を当てている

NPSやCSATでは他の人にも勧めたい、今の商品やサービスに満足している、など顧客のプラスの感情に焦点を当てているのですがCESはマイナスの感情に焦点を当てています。

顧客は満足する、ということよりも不満を感じることに強い反応を示しますので、もし1つでも気に入らずに不満を感じることがあれば、それ以外の部分に満足を感じていたとしても、商品やサービスの印象がマイナスへ傾いてしまうのです。

ですので、顧客満足度やロイヤルティを高めるためには、マイナスの印象をゼロに戻すほうが効果的でしょう。

・リテンション率との相関性が高い

顧客維持率であるリテンション率との相関性が高いことも、CESが重要視される理由です。

商品やサービスを利用する際、使いづらい、手間がかかる、などの不満やわずらわしさを感じられてしまえば、継続利用したいと思ってもらいづらくなりますので、結果的に解約されてしまい、リテンション率が下がってしまいます。

サブスクリプションビジネスでは、リテンション率を高めなければ、ビジネスの成果を伸ばすことができませんので、CESで顧客の不満点を明確にして改善することが重要なのです。

まとめ

以上、サブスクリプションビジネスにおいて知っておくべき「CES」について、詳しくお話させていただきました。

サブスクリプションビジネスにおけるCESは非常に重要であり、ビジネスの成功には欠かせない要素の1つです。

ぜひこの機会に重要性をしっかり理解して、今後のサブスクリプションビジネスに有効活用してくださいね。