サブスクリプションビジネスを行うには、カスタマーサクセスに本気で向き合う意義

サブスクリプションビジネスは今、継続課金や定期購入、またシェアリングなど、さまざまな文脈で注目されています。

サブスクリプションビジネスは毎回顧客に対し、支払いを請求するのではなく、定められた一定期間単位で料金を請求し、継続的なサービスの利用を促します。

昨今のコロナ禍において、自宅で過ごす時間が増えたことにより、動画配信のサブスクリプションサービスが台頭し、今後もサブスクリプションビジネスの勢いがどんどん加速するだろうと予想されているのです。

サブスクリプションビジネスを行うことで、企業としては収益が継続する可能性が高く、顧客リストを自社内に保有することができ、さらに口コミによる拡散を狙いやすいことから、サブスクリプションビジネスに興味を持たれる企業も多くなってきていますね。

サブスクリプションビジネスでは、顧客の満足度を上げ続け、より長く利用し続けてもらわなければなりませんので、常に顧客と接点を持ち、顧客の要望や不満要素に対しすぐに受け入れる体制を整えておかなければなりません。

様々な顧客接点がある中でも特に、カスタマーサクセスの考え方は、今の顧客接点から次世代型へと進化させる重要な要素が含まれていると言われているのです。

そこで今回は、サブスクリプションビジネスを行うには、カスタマーサクセスに本気で向き合う意義について、詳しくお話させて頂きたいと思います。

サブスクリプションビジネスを確実に成功させたいと思われている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

カスタマーサクセスの考え方

カスタマーサクセスは、セールスフォース社が2000年代初頭に初めて採用し、実践したと言われています。

セールスフォース社が、クラウドを通じたサービスの提供と、サブスクリプションのビジネスモデルを採用したことが背景となり、カスタマーサクセスの考え方がIT業界を中心に徐々に広がりを見せてきました。

SaaS型とサブスクリプションの組み合わせは、従来までのようにハードウェアやソフトウェアのメンテナンスにより、顧客が縛られてしまうことはありませんので、サービスの内容を目的として顧客は契約し、そしてその目的に合わないのであれば、顧客側で簡単に解約することが出来る状態にありますので、ビジネスを成り立たせるためには「継続して利用してもらう」ということに重視しなければなりません。

企業は顧客に解約されないよう、顧客の成功という意味を持つ「カスタマーサクセス」に本気で向き合うことが必要であり、商品を販売するまでよりも、販売後からの関係性の方が重要であるという考えを持たなければならないのです。

カスタマーサクセスに本気で向き合う意義

・消費者の価値観の変化

カスタマーサクセスに本気で向き合うことが必要な状況は、IT業界に限ったことではなく、最近ではどの企業にも当てはまることです。

その理由としては、所有価値から使用価値へと、消費者の価値観の変化があったことが大きな要因となっています。

最近の消費者がモノの価値を「所有」と「使用」に分けて考えた際、所有する価値の方が小さくなっており、必然的にモノの価値は使用の価値に近いものになっているのです。

特に高額なモノであれば、そのモノを購入して所有するよりも、必要な時に使用することができる、という価値が高まっており、消費者の価値観が反映されていると言えるでしょう。

・スイッチングコストの低下

SaaSとサブスクリプションの組み合わせの形態に見られるよう、他社のサービスに乗り換えるための顧客の負担が少なくなる、スイッチングコスト低下の傾向が見られます。

解約をしたい場合は、その意思を誰かに伝えなくても、あるいは面倒な手続きを行わなくてもスムーズに解約することができますので、顧客にとっての心理的負担がかなり軽いのです。

顧客にとっては大きなメリットだと考えられるのですが、企業としては知らない間に顧客を失っている、というリスクが高くなってしまうのです。

もちろん売ることも重要なのですが、繰り返し継続して利用してもらうためにはどうすれば良いのか、ということを考え、今までよりも「売った後」のことを重要性を考えることが大切になってきているのです。

まとめ

以上、サブスクリプションビジネスを行うには、カスタマーサクセスに本気で向き合う意義について、詳しくお話させて頂きました。

時代とビジネスの進化と共に、顧客接点も変わっており、カスタマーサポートからカスタマーサクセスへと変化しています。

従来までのようにカスタマーサポートとして顧客からの問い合わせに対応する、という「受け身」の姿勢では、顧客の成功に繋げていくことはできませんし、カスタマーサクセスに注力している競合他社に顧客が流れてしまう可能性が高いのです。

カスタマーサクセスは、コンタクトセンターを次世代型の戦略的な顧客接点に進化させる、重要なものだという考えを持ち、サブスクリプションビジネスに活用してくださいね。