近年、サブスクサービスは、様々なメディアで話題となっています。
次々と多種多様なサービスが提供され、もはや、サブスク化されていない業種はないのではないかとも言われるほどです。
しかし、そのすべてが上手くいっているわけではありません。
明らかにサブスクに向いてないと思われるサービスなども多く存在しており、多くのサービスは、集客に苦戦しているのです。
それにもかかわらず、現在もなお多くの企業がサブスク事業に進出しています。
そこで今回の記事では、なぜこれほどサブスク化が進むのかについて説明したいと思います。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
これまでのビジネスでは、商品やサービスを販売した際に、利益が確定する売り切り型モデルが一般的となっていました。
企業は、ただ大量に商品を生産し、それを販売していれば利益を得ることができていたのです。
しかし、現在は、そのように大量に生産されたモノが売れない時代となっており、売り切り型モデルでは、既に、事業は回らなくなっているのです。
その中で、求められるようになったのが、売り切り方型モデルとは、全く異なるリカーリングと言うビジネスモデルです。
このリカーリングモデルとは、売り切り型モデルのように、商品やサービスを買い取るのではなく、利用に応じて料金を支払う方式のモデルです。
商品やサービスの販売時に利益を計上するわけではなく、時間をかけて収益を回収していくため、サービスを提供する企業側は、繰り返し収益を得ることが可能となるのです。
そして、このリカーリングモデルの代表的なビジネスがサブスクリプションビジネスです。
多くの企業は、このリカーリングモデルの大きな特徴である、繰り返し収益を得ることができるという点に注目し、サブスクモデルを採用し始めました。
その中には、新しく立ち上げられた企業も多くありますが、既存の企業も従来の売り切り型からサブスクへの転換を進め、企業の規模に関係なくサブスク化が加速したのです。
特に、IT系やメディア系の企業は、いち早くサブスクを導入し、サブスクブームの先駆けとなりました。
これは、昨今のデジタル化の加速も大きく影響しています。
サブスクはそもそもデジタルと親和性が高いため、これらの企業との相性が非常に良かったのです。
中でも、ソフトウェア関連の企業は、早期にサブスクの導入を決断しています。
これは、ソフトウェアは頻繁に改善する必要があるものであり、その提供を容易とするのがサブスクであったからです。
これにより、ソフトウェア配信サービスは、大きく成長したのです。
この流れを受け、他の業種にもサブスク化が進んでいきました。
日用品から家具、家電、自動車、アパレルなどのモノを取り扱うサブスクサービスが誕生し、さらには飲食業界などにもサブスク化の波は及んだのです。
現在では、このサブスク化の波は、ありとあらゆる業界に拡がり、多種多様なサブスクサービスが提供されるようになっています。
実際に、消費者の生活に関わるほとんどの事に、サブスクサービスが提供されるようになっているのです。
つまり、市場は既に何でもサブスクと言うような状況となっており、サブスク化していない業種はないとも言われているのです。
なぜ、このように何でもサブスクと言われるほどに、企業がサブスク化を進めるのか、それは、先ほども述べたように、これまでの売り切りモデルでは、モノが売れなくなっていることが大きな理由です。
この要因となるのは、現代の消費の中心となる若い世代の意識が大きく変化していることです。
現代の若い世代は、消費に積極的ではなく、所有欲もないと言われています。
従来では、モノは購入し、所有するのが当たり前のことでしたが、現代の若者は、モノを所有したいと考えないのです。
むしろ、できる限りモノを増やしたくないと考える人も多く、そのために、積極的にモノを購入しようとはしなくなっているのです。
彼らが、モノを所有することよりも価値があると考えるのは、体験する事です。
お金を全く使わないのではなく、価値のある体験ができるのであれば、積極的にお金を使うのです。
現代は、このような考えを持つ消費者が、既に消費の中心となっており、そのためにモノが売れなくなっています。
そして、その彼らに関心を持ってもらうために、企業は、サブスクを導入しているのです。
このように、現在市場は、何でもサブスクと言うような状況となっています。
ここまでサブスクの波が波及してしまえば、それに乗らないわけにはいきません。
サブスクサービスは、時代の変化に対応したサービスであり、時代が求めているものなのです。
中には、サブスクには向いていないと思われる業種もありますが、それであっても、企業は試行錯誤しながらサブスク化を進めています。
そして、この流れはまだまだ続いていくと予想されているのです。