企業が顧客に対し、商品やサービスを一定期間提供し、月単位もしくは年単位で利用料金を回収する「サブスクリプション」というビジネスモデルが注目されています。
サブスクリプションビジネスの発祥であるIT業界においては、特に広がりを見せているのですが、今では製造業や小売業などでも、新しいビジネス形態として、新しいサブスクリプションサービスが多く生まれているのです。
顧客の商品やサービスに対する価値観も、従来までのモノの価値を保有することから、モノの価値を気軽に利用することができるコトに変わってきていることも、サブスクリプションビジネスの拡大に大きく影響しているでしょう。
ニューノーマル時代で、企業のあり方が変わっており、多くの企業がデジタルシフトに取り組んでいる中で、当然のことながらサブスクリプション企業にもデジタルシフトが求められています。
そこで今回は、サブスクリプションビジネスを行う上でのデジタルシフトの課題と実現するポイントについて、詳しくお話させていただきたいと思います。
今後デジタルシフトへの取り組みをお考えの方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。
なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。
デジタルシフトとは、従来までアナログで行われていた業務や企業の活動にデジタル技術を活用し、効率的な業務を実施し、便利で快適な企業活動の実現に向けて変化することを言います。
このように聞くと、デジタルトランスフォーメーションを思い浮かべる方もいらっしゃるかと思いますが、デジタルトランスフォーメーションは、デジタル技術によって社会にもたらされる革新を意味しており、デジタルシフトよりも広い意味を含んでいますので、デジタルトランスフォーメーションを実現するための要素の一つがデジタルシフトだと考えると良いでしょう。
デジタルシフトを進める上で、ぶつかりやすい課題が3つあります。
まず1つ目は、「根強いアナログ対応の慣習」でしょう。
アナログで業務を行い、そして顧客とやり取りをすることに慣れていることで、そもそも企業がデジタルシフトの推進に前向きでないことが考えられます。
根強くこれまでの慣習が残ってしまい、企業が変化を恐れていることが、デジタルシフトを阻む課題の1つです。
そして2つ目は、スタッフのITリテラシーです。
もし、新しいツールやシステムを導入したとしても、スタッフが使いこなすことができない、となると現場が混乱してしまい、結果的に実務効率や生産性が低下し、費用対効果がうまれにくく、悪循環に陥ってしまう可能性があります。
デジタルシフトに取り組むには、従業員のITリテラシーを底上げすることが必要不可欠なのです。
3つ目は、顧客のITリテラシーです。
今は、顧客がどんどんデジタルを活用しているのですが、もちろんデジタルの活用が得意な人ばかりではありません。
高齢者を初め、ITリテラシーが高くない顧客もいるため、インターネットなどの通信技術をりようすることが出来る人と、できない人に格差が生じることを「デジタル・ディバイト」と呼ばれ、デジタルシフトを実現する上では、いかにこの格差を解消することができるか、ということが大きな課題となっているのです。
もしスマートフォンの利用を前提とするサービスであったとしても、ITリテラシーが高くない顧客でも快適に利用することができるよう、コンタクトセンターのサポート体制を整えるなどの配慮が重要になるでしょう。
まず1つ目のポイントは、現状の把握でしょう。
今現状の業務や企業活動を把握し、どのような課題があるのか、ということを明確にすることで、デジタルシフトを通して実現したい姿を明確化しやすくなります。
たとえば今現状、電話問い合わせが多く、スタッフが電話対応で手一杯になっている、という現状の場合の課題は、FAQサイトやチャットボットがない、Webサイトが分かりにくい、ということでしょう。
2つ目のポイントは、デジタルシフトで実現したいゴールを明確にするということです。
デジタルシフトでは、従来までのビジネスのあり方や体制を変えることが求められますので、スタッフの協力体制が必要不可欠です。
理想のゴールを明確にし、それを社内で共有し、理解を得ることで、デジタルシフトを進めやすい環境を作ることができます。
ゴールを明確化することで、その後のツール選択も進めやすくなるでしょう。
3つ目のポイントは、デジタルシフトをいざ実現するための、最適なツール選びです。
現状とゴールを把握した上で、ゴールを実現するためのツールの選定は重要なポイントの1つです。
ツールを選定する際は、費用対効果だけでなく、自社にとって必要な機能、現場での使いやすさを重視した操作性などを考慮することで、スムーズにデジタルシフトに繋げやすくなるでしょう。
4つ目のポイントは、業務フローの構築と運用です。
デジタルシフトへの効果的な近道は、業務フローを具体的に構築し、運用と改善を重ねていくことです。
たとえばチャットボットを導入する場合、チャットボットを導入するだけでは、デジタルシフトとは言うことができません。
チャットボットを活用するために必要な業務を洗い出し、そして業務フローとして確立させ、運用することができる体制を作りましょう。
定期的なメンテナンスも考慮した上での体制作りが重要です。
以上、サブスクリプションビジネスを行う上でのデジタルシフトの課題を実現するポイントについてお話させていただきました。
デジタルシフトを行うことで、より効率よくビジネスを進めることができ、今後のビジネスの流れにも乗りやすくなります。
もしデジタルシフトへの取り組みを検討されている場合は、この機会に課題やポイントをしっかり理解してくださいね。