サブスクリプション通販と頒布会の違いとは?

近年、サブスクリプション業界は著しい成長を遂げており、様々なサービスが提供されています。

その中でも注目されているのが、サブスクリプション通販と言う販売方式ですが、この仕組みは、従来より通信販売において用いられている頒布会と言う販売方式とよく似ています。

そこで今回の記事では、サブスクリプション通販と頒布会の違いについて説明したいと思います。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

サブスクリプション通販とは?

数あるサブスクリプションサービスの中でも、最も特徴的なサービスがサブスクリプション通販(EC)、もしくはサブスクリプションコマースと呼ばれるものです。

このサブスクリプション通販は定期的に商品が届けられるサービスであり、この基本的な考え方は以前から通販業界において定着している定期購入や頒布会と言った手法と同じものと言えます。

従来の定期購入などとサブスクリプションが大きく異なる点はと言うと、商品を選択するのが誰かと言うことになります。

従来の定期購入は、ユーザーが自身の好みの商品を選択し、その商品をユーザーが希望する頻度で定期的に届けると言う仕組みのサービスでしたが、サブスクリプション通販では、ユーザーの嗜好や関心などのデータを元にECサイト側が商品を選択し、それが定期的に届く仕組みになっています。

頒布会とサブスクリプションの関係

このサブスプリクションコマースの仕組みは、毎回ユーザーが選択した同一の商品を届ける定期購入と言うよりも、毎回異なる商品が届く頒布会に非常によく似ています。

この頒布会の歴史は通信販売よりも古く、代表的なものでは郵便局が行う「ふるさと会」があります。

このふるさと会は、12か月頒布会とも呼ばれ、地方の物産品や名産品などを毎月届けるサービスです。

お米であれば、異なる品種のお米が毎月届けられ、果物であればその季節の旬の果物が毎月届けられます。

他にも、スイーツやお酒など様々な種類から選択することが可能です。

また、食品だけでなく日用品や雑貨などの頒布会も人気を集めています。

頒布会と定期購入の違い

頒布会で取り扱う商品は、上記のように主に食品類が多く、比較的嗜好性の高い商品の販売に適していると言えます。

一方で、定期購入はサプリメントなどの健康食品や基礎化粧品など、毎日継続的に使用する消耗品の販売に適した方法です。

食品であれば、水やお米など毎日の生活に必要不可欠なものの取り扱いが顕著です。

この定期購入を利用するメリットは、日常生活に欠かせないものが煩わしい注文作業をせずとも毎月と届けられると言うことです。

自宅までは届けてもらえることから、水やお米、洗剤など重量のある商品を定期購入することが多いと言うことです。

頒布会のメリットとは?

頒布会を利用するメリットは、自身が選ばないようなものが届く、食べたことのない新しい味を発見できると言うことです。

提供している商品は、産地直送の新鮮なものや、こだわりの商品が多く、ギフトとして活用する方も多くいます。

自身で商品を選択しなくても、店側がその季節の旬なものや、良質なこだわりの商品をセレクトしてくれますので、商品を選ぶ時間のない方や、商品選びに自信のない方から支持されているのです。

これは、商品に新鮮、こだわり、良質と言った付加価値が付いていることが、ユーザーから支持されていると考えられます。

頒布会には、ユーザーに上記のようなメリットがあります。

商品を提供する店側にも大きなメリット

まず挙げられるのは、長期的に購入が見込めるため売り上げが安定しやすく、在庫のロスも減らすことができると言う点です。

また、頒布会の顧客は決められた商品だけでなく、異なる商品を併せて買うケースが多く、購入単価が上がる可能性も高くなっています。

さらに、顧客は、商品のセレクトや店側の対応が気に入るとその店のファンになり、頒布会以外での日常の買い物などにもその店を利用してくれることが多くなるのです。

このように顧客が店のファン化してくれれば、さらに売り上げを伸ばすことができると言うことになります。

頒布会には上記のような特徴がありますが、これらの特徴のほとんどはサブスクリプション通販にも当てはまります。

しかし、この2つにも異なる特徴があります。

頒布会は申し込んだ全てのユーザーに対し、店側がセレクトした同一商品を届ける仕組みですが、多くのサブスクリプション通販では、申し込んだ顧客それぞれに合わせた異なる商品を届けるのです。

そのため同じ商材を取り扱う場合でも、この2つの方法では、受発注や在庫管理などの業務、ユーザーへの訴求の方法などが大きく異なります。

まとめ

このように、頒布会とサブスクリプション通販の違いについて説明してきましたが、そもそもサブスクリプションと言うビジネスモデルの中の一つがサブスクリプション通販であり、頒布会もその中の一つであるのです。

つまり、頒布会や定期購入、単品リピート通販など通信販売がもともと行っていた販売方式が、ECにおいてサブスクリプションと名前を変えただけとも言えます。

こういったことから、サブスクリプション通販はもともと定着していた販売方式であり、今後成長していくのかと言うことは、それぞれのECの工夫や努力次第であると考えられます。