なぜ多くのサブスクが失敗に終わるのか?

サブスクリプションサービスは、この数年の間に急速に成長し、その数を増やし続けています。

メディアでも多く取り上げられ、その勢いは衰えるところを知りません。

しかし、当然のことながら、全てのサービスが成功しているわけではありません。

成功例ばかりが取り上げられるため、成功しやすいビジネスのように思われがちですが、サービスが増えると共に、失敗例も増えているのです。

そして、その失敗するサブスクサービスには、共通する点がいくつかあるのです。

そこで今回の記事では、なぜ多くのサブスクが失敗しているのかについて説明したいと思います。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

サブスクが失敗に終わる理由

失敗に終わるサブスクサービスの共通点として、まず挙げられるのが、価格を下げることだけにこだわっていることです。

サブスクビジネスは、従来のビジネスとは異なり、継続して利用してもらうことで初めて収益を上げることができるビジネスです。

そして、収益を上げ続けるには、長く利用してもらわなくてはなりません

そのため、収益を上げるためには時間がかかり、サービスの開始時にはほとんどの場合赤字となるのです。

サービスの価格を下げることは簡単ですし、それによって多くの顧客を獲得することも可能ではありますが、その場合、通常よりもさらに収益を上げるまでに時間がかかることになります。

この期間を乗り越える余裕があるのであれば問題はありませんが、それほど余裕のあるケースは大企業の提供するサブスクサービス位です。

また、長く利用してもらうためには、同じサービスを提供し続けるだけではいけません。

サービスを常に改善し続けていかなくてはならず、そのためにはコストがかかるのです。

低価格のサブスクでは、このコストの回収ができず、結果として、事業として成り立たなくなってしまうのです。

次に挙げられるのが、サービスに柔軟性がないことです。

サブスクサービスは、手軽に利用できることが売りのサービスではありますが、そのために、簡単に解約されてしまうと言う問題もあります。

しかし、サブスクは、先ほども述べたように、継続して利用してもらわなくては、収益を上げることができないため、ほとんどのサブスクは、この解約率の高さに頭を悩ませているのです。

そして、この解約を防ぐために効果的であるのが、サービスに柔軟性を持たせる事です。

この柔軟性とは、顧客の要望に可能な限り応えるということです。

具体的には、様々なプランを用意し、顧客の都合に合わせてプランを変更したり、休止したりすることができるようにするだけで、解約を防ぐことができるのです。

サービスに、このような柔軟性がない場合、顧客は簡単に解約してしまいますし、再度利用してくれる可能性も低いのです。

最後に挙げられるのが、ブランドの価値を棄損してしまうことです。

新規の立ち上げであれば問題はないですが、既存の企業やブランドがサブスクを導入する場合、これまで培ってきた企業やブランドのイメージや価値を棄損してしまうことがあります。

サブスクは、従来よりも、商品やサービスをお得に利用できるサービスです。

そのため、これまでの顧客とは異なる層にも利用してもらうことができると言う大きなメリットとなります。

しかし、一方で、これまでその企業やブランドを愛用してきた顧客にとっては、価値が下がったと受け取られてしまうことが多々あるのです。

実際に、大手メーカーが提供したサブスクサービスは、従来よりも低価格に設定することで、新規顧客を獲得することができたものの、既存の顧客が離れてしまい、サブスクだけでなく事業全体にダメージを与える結果となっています。

このように、そもそも既存のブランドを持っている場合などは、サブスクによってその価値を棄損してしまい、既存の顧客に逃げられてしまうことが多いのです。

まとめ

このように、失敗に終わるサブスクは、大きく3つの種類に分けることができます。

また、これらが重複しているケースも多々見受けられるのです。

サブスクは、顧客が継続して利用してくれなければ成り立たないビジネスです。

それ故に、どのサービスも顧客に満足してもらうために、商品やサービスの改善に注力しています。

失敗するサブスクは、この点を正しく理解していないのです。

そして、それが今回説明した低価格にこだわり、ただ安いだけのサービスを提供するサブスク、顧客の事を考えず、顧客が使いにくいプランを提案するサブスク、既存の顧客をないがしろにし、新規の顧客を得ることだけを考えたサブスクなのです

このようなサブスクが、消費者からの支持を得ることができず、失敗するのは当然のことなのです

サブスクは、顧客の立場に立ち、顧客が満足するサービスを常に提供し続けていくことが求められるサービスです。

この点を理解しなくては、サブスクビジネスを成功させることなどできないのです。