サブスクは本当に消費者の生活に定着しているのか?

サブスクリプションビジネスは、この数年と言う短い間に急速成長したビジネスであり、現在では、あらゆるジャンルに広く普及しています。

消費者にも広く認知されており、消費者の生活に定着したと言われているのです。

これは、様々なメディアで言われていることですが、実際に、消費者の生活に定着しているかと言うと、そうとは言い切れない点も多いのです。

そこで今回の記事では、サブスクは消費者の生活に定着しているのかについて説明したいと思います。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

サブスクは本当に定着したのか?

サブスクリプションは、従来のように、商品やサービスに対して代金を支払うのではなく、商品やサービスを利用する権利を得るために代金を支払うというのが基本的な仕組みとなっているビジネスモデルです。

このサブスクは、新聞の定期購読や牛乳の定期購入といった、古くからあるサービスが転じたものであり、主にソフトウェアや動画、音楽などのデジタル商材を配信するサービスから広く普及しました。

現在では、あらゆる分野へと普及しており、日用品や雑貨などの物品を扱うサービスや自動車などを借り受けることのできるサービスも提供されています。

このビジネスモデルは、ここ数年という短い間に瞬く間に急成長し、今や誰もが知るサービスとなっていると言われています。

しかし、これはメディアの言うところであり、実際には、世代や場所によっては、あまり知られていないのではない部分でもあるのです。

実際に、とあるサブスク運営会社が行った調査では、サブスクを現在利用していると答えた人は4割程度にしか満たない結果となっています。

インターネット上では、サブスクという名前を目にする機会が多く、目新しいサブスクが登場すれば、SNSやブログなど様々な場所で取り上げられています。

しかし、インターネット以外の日常の生活の中で、サブスクという名が目に付くことはそれほど多くありません。

つまり、インターネットを日常的に利用する人にとってサブスクは生活に定着した身近なサービスとなっていますが、それ以外の人にとっては、それほど身近なサービスとはなっていないのです。

そもそもサブスクは、前述のように、デジタル商材の配信サービスから普及したものであり、デジタルと親和性が高いのが最大の特徴です。

それ故に、デジタル商材以外の商材を扱う場合でも、デジタルを最大限に活用するのが基本となりますので、デジタルを日常的に利用する人にとって身近なサービスであるのは当然のことなのです。

サブスクを定着させるには高齢世代の支持が重要!

このデジタルを日常的に利用する人というのは、成長する段階からデジタルに触れることが日常となっていた若い世代が中心です。

この世代は、今後消費の中心となっていく世代であり、サブスクに限らず、どのビジネスにおいてもこの世代を中心にビジネスを展開しています。

しかし、日本は少子高齢化が進み、人口が減少し続けている国であるため、この若い世代の数は少なく、今だ高齢世代が圧倒的に多いのです。

サブスクが消費者の生活に定着していると言うのであれば、この圧倒的に数の多い高齢世代からも支持されていなくてはなりません。

現に、現代の高齢世代は、昔の高齢世代と比べて若々しく、消費にも積極的な人が多いと言われています。

特に、高齢世代の中でも若い世代は、他の世代と変わらず現役で働いている人も多く、経済的にも若い世代よりも余裕があることが多いのです。

しかし、これらの世代は、サブスクサービスを積極的には利用していません。

インターネットを利用することは多く、サブスクに関心のある人も多くいますが、利用するまでには至っていないのです。

これは、この世代は、デジタルに苦手意識の高い人が多く、インターネット上で取引を行うことを避ける傾向が高いためと考えられます。

インターネットなど考えられもしなかった時代に在ったわけですから、これは致し方のないことではありますが、この世代を取り込むことができなくては、サブスクは本当に消費者の生活に定着したとは言えないのです。

まとめ

サブスクは、若い世代には認知度が高く、利用者も年々増え続けています。

今後の消費はこの若い世代が中心となるわけですから、若い世代をターゲットとするのはビジネスとして当然のことです。

しかし、この若い世代は、数が少ないうえに、従来よりも消費に積極的ではないと言われています。

サブスクが、いくら若い世代から支持が高いと言っても、消費者の生活に定着したと言われるまでには、他の世代からの支持も必要なのです。

そして、その他の世代の中で重要となるのが、今回説明した高齢世代です。

高齢世代と一口に言っても、その年齢幅は広く、消費に積極的で、経済的に余裕のある高齢世代も意外と多いのです。

サブスクがさらに成長し、本当に消費者の生活に定着するためには、これらの高齢世代を取り込むことも重要なのです。