サブスクリプションビジネスで応用できる、プロスペクト理論のマーケティング

料金を支払ったユーザーに対し、一定期間サービスを利用する権利を提供する、サブスクリプションビジネスが多くの注目を集めています。

企業と顧客が継続的な関係を構築することが重要であり、それぞれの顧客のライフスタイルに適したサービスが展開されています。

サブスクリプションサービスの需要に伴い、さまざまな業種がサブスクリプションビジネスにシフトしていますので、顧客にとっても珍しい販売形式ではなくなっています。

従来までの売り切り型ビジネスモデルであれば、自社商品やサービスをただ提供するだけで終わってしまうので、顧客情報を収集することができず、その後に繋げるための関係性を構築することが難しくなっていたのですが、サブスクリプションビジネスでは商品やサービスを通じて顧客情報収集することができますので、顧客に合わせた商品やサービスを提供することができ、顧客満足度を高めるための施策を行うことができることが魅力です。

そして、より効率よくサブスクリプションビジネスを行うためには、人間の心理を理解すると良いでしょう

そこで今回は、サブスクリプションビジネスで応用できる、プロスペクト理論のマーケティングについて、詳しくお話させて頂きたいと思います。

サブスクリプションビジネスで成功させたいと思われている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

プロスペクト理論

プロスペクトとは、期待や見込みという意味を持っており、不確実性を伴う状況で、ある出来事が生じる確率、そしてそこから得られる損得が分かっている場合、人はどのような意思決定を行うのか、ということを表す理論がプロスペクト理論です。

行動経済学での代表的な理論であり、さまざまな実験から得られた事実をもとに展開されました。

プロスペクト理論を考えると、3つの人の心理傾向が分かると言われています。

まず1つ目は【人は得をすることよりも損をすることを過大評価すること】、【2つ目は人は得している場面では安定志向であり、損をしている場面ではリスク志向になる傾向があること】、【3つ目は利益や損失の金額が大きくなればなるほど価値の変動が小さくなること】です。

この心理傾向をしっかり理解することで、人が無意識のうちにどのような不合理な判断をしてしまっているのかを把握できるのです。

プロスペクト理論のマーケティング

「損したくない」という気持ちに積極的に働きかける

人は得をすることよりも、損をすることを恐れる傾向がありますので、このニーズに着目することで、より効果的に商品やサービスを訴求することができます。

あくまでも消費者が潜在的に抱いている「損したくない」という気持ちを汲み取ることを忘れてはいけません。

そのためには、「無料・割引キャンペーン」「期間限定・人数限定」「優遇情報」「ポイント付与」などの手法が有効でしょう。

「せっかくだからキャンペーン期間中に申し込もう」「今購入しなければ損をしてしまうかもしれない」「ポイントの期限内に使ってしまおう」という損失回避の心理を働かせることができれば、購買行動の後押しをすることができるでしょう。

リスクリバーサルを用いる

顧客がどれだけ商品やサービスを魅力的だと思っていたとしても、「損をしたくない」という気持ちが勝ってしまうと、購入の足枷になってしまいます。

だからこそ、販売者が顧客の不安を肩代わりしなければならないのですが、そのための手法こそ、リスクリバーサルなのです。

具体的には、無料期間と返金保証を設けること、アフターサポートを充実させることです。

これらはもう既に、さまざまなビジネスで一般的に用いられていますので、リスクリバーサルの有用性を実感している方も多いでしょう。

自社の見込み顧客は何に対して不安を覚えているのか、ということを明確にした上でその不安な気持ちを確実に解消することができる施策を実施しましょう。

特に高額な商品であればあるほど、購入後に後悔したらどうしよう、壊れてしまったらどうしよう、など、支払った料金に見合う価値を得ることができなければ、損をしてしまうという不安が足枷になってしまうことが多いので、返金保証や修理保証によるリスクリバーサルが非常に効果的です。

まとめ

以上、サブスクリプションビジネスで応用できる、プロスペクト理論のマーケティングについてお話させて頂きました。

プロスペクト理論をしっかり理解することで、消費者の非合理的な意思決定の仕組みを理解することができ、この理論を応用したマーケティングは非常に有効です。

今のサブスクリプションビジネスにはプロスペクト理論のような考えを持つことは、非常に重要であり、必要不可欠な知識とも言えますので、ぜひこの機会にプロスペクト理論を理解して、今後のビジネスの役に立ててくださいね。