サブスクリプションビジネスで有効なリサーチ方法「MROC」とは

今、企業や個人により日々商品やサービスが開発され、さまざまなWebサービスが世の中にリリースされています。

さまざまなサービスの中でも、特に今はサブスクリプションサービスの重要が高まってきていることでしょう。

サブスクリプションとは、もともと雑誌の定期購読を意味する言葉でありましたが、今では月払い、もしくは年払いによる支払い方法で、一定期間企業が提供するサービスを利用することができるようになり、それが自動的に継続される課金方式になっています。

ここ10年程で、急激にサブスクリプションビジネスが拡大しており、多種多様の業界で採用されるようになっています。

サブスクリプションビジネスを行う際は、マーケティング活動を展開していくことは欠かせません。

特に新商品や新サービスを開発する際は、消費者のインサイトを捉えなければならないのですが、消費者のインサイトを探るためのリサーチ方法として、「MROC」の知識は欠かすことができません。

そこで今回は、サブスクリプションビジネスで有効なリサーチ方法「MROC」について、詳しくお話させていただきたいと思います

今後サブスクリプションビジネスで効率的にビジネスを進めたいと思われている方は、ぜひこの記事を最後までお読みになって、今後の参考になさってくださいね。

なお、単品リピート通販についての基礎知識等はこちらの記事にまとめていますので、ぜひ読んでみて下さい。

消費者インサイト

その本人も意識していない、そして気が付いていない行動や意識、動機のことを消費者インサイトと言います。

人によってはこの消費者インサイトの定義は異なり、コミュニケーションによって購入し、消費者の購買意識を刺激することで、感情が大きく動かされるポイントなどを言います。

今の時代は消費者の顕在化したニーズを捉えただけの商品を開発しても、もうすでにそれは市場に存在しているので、売れることはありません。

消費者本人も気が付いていない、新しい価値が求められており、消費者が「これこそ求めていたものだ」と思わせる商品を開発するヒントになるものが、消費者インサイトなのです

MROC

消費者インサイトを探るためのリサーチ方法として、「MROC」という手法があります。

MROCは、Marketing Research Online Communityの頭文字を取った言葉であり、オンライン上に調査参加者が集まる専用のコミュニティを作り、参加者同士の交流、そして意見交換などから、消費者インサイトを探っていきます。

消費者インサイトを探る大前提としては、消費者に聞いてもその人の発言には出てこない、ということがあるでしょう。

まだこの世にない商品やサービスについて、何が欲しいのか、ということを聞かれても、それは消費者自身も知らず、無意識なのです。

だからこそその人が言葉として表現できることは、顕在化したニーズ、もしくは潜在的なニーズということが限界です。

従来までのグループインタビューとは違い、1~2ヵ月などの長期期間にて交流を生み、情報を収集する仕組みであり、SNSなどを活用し、ディスカッションや日記、アンケートなど異なる手法を組み合わせ、時代のニーズにマッチした情報を収集する方法として注目を集めているのです。

MROCの3つのメリット

MROCを活用する1つ目のメリットは、一定期間をかけることで、良質な情報を収集することができるということでしょう。

双方向のコミュニケーション、そして実施期間を長くすることによって、より深い意見交換を行うことで、情報そのものの深くなることが期待できます。

さらに、調査期間が長ければ長いほど、対象商品を利用し続けたことによる意見の変化も生まれますので、サブスクリプションビジネスにとっては非常に有益な情報になるでしょう。

2つ目のメリットは、オンラインコミュニティならではの情報発信の手軽さがあります。

オンラインコミュニティは、スマートフォンでも利用することができますので、思った瞬間すぐに、そして手軽に情報発信を行うことができますので、その都度の新鮮な気持ちを投稿することができ、消費者の本音をよりリアルに引き出すことができるでしょう。

また文字以外にも写真や動画を合わせてアップすることで、より調査実施側が把握しやすくなります。

3つ目のメリットは、調査対象者選びなど調査実施側の自由度が高いことでしょう。

MROCは、居住地や時間などを制限せずに対象者を選定しますので、商品に対する興味や予備の知識などを重視した調査対象者の選定を行うことができます。

通常のインタビューであれば、調査対象者はどうしてもその地域に限定されてしまうので、遠方などに住んでいる方は調査を行うことが難しいですし、実際に調査をするために会場に足を運んでもらう必要があったので、参加し辛いことがありましたので、これは非常に大きな長所です。

また商品開発担当者なども調査実施側のコミュニティに参加することができ、意見を提供することで、企業が得たい情報をより的確に得ることができるのです。

まとめ

サブスクリプションビジネスで有効なリサーチ方法「MROC」とは何か、ということについてお話させていただきました。

最近ではMROCを活用する企業も非常に多くなっており、今後もさらに活用できる非常に有効なビジネスツールになると考えられています。

もし今、消費者インサイトの把握などの課題を持たれている方は、ぜひMROCを活用し、サブスクリプションビジネスに活かしてくださいね。